ガス乾燥機の設置方法!具体的な工事内容と合わせて解説
ガスによるパワフル温風で、衣類のスピード乾燥を可能にするガス乾燥機。一度使ったら手放せないほどの魅力を備えていますが、乾燥機を置くだけでは使用できません。新設するには業者に依頼し、ガス工事や排湿管工事を行う必要があります。
この記事では、ガス乾燥機の設置方法と工事内容、工期などについて詳しく解説します。我が家だったらどこに設置するのがいいかなど、イメージしながらチェックしてくださいね。
ガス乾燥機の設置方法と工事内容
ガス乾燥機を設置する場所の基本条件は、安全に使える場所であることです。まずは、水平に置けて振動に強く、本体の重さに耐えられる場所を選びましょう。
使い勝手の面では、家事動線を考慮して洗濯機のある脱衣所などがおすすめですが、屋外に設置することも可能です。ここでは、屋内、屋外それぞれの設置方法と工事内容をご紹介します。
屋内に設置する場合
屋内設置で必要となる主な工事は次の3つです。
・排湿管の取り付け工事
・ガス栓の増設工事(近くにあれば不要)
・電源コンセントの増設工事(近くにあれば不要)
屋内に設置するときには、乾燥機から出る湿気を外に排出する「専用の排湿管」が必須です。屋外に面した壁や天井に直径90〜115mmの穴をあけ、排湿口と乾燥機を排湿管でつなぐ工事を行います。
壁に穴をあけられない場合は、窓を使って排湿する方法もあります。これは、窓を少し開け、そこに排湿管付きのパネルをはめこんで固定する方法ですが、採用するケースは多くありません。
また、ガス乾燥機はガスと電気を使うため、近くにガス栓や電源コンセントがなければ、それらの増設工事も必要に。ガスコードを他のガス栓につなぐ方法もありますが、引っ張れる長さに制限があるため、現実的には難しいケースが多いです。
ガス乾燥機は1回使うと3リットルくらいの湿気を排出します。
屋外に設置する場合
屋外設置で必要となる主な工事は次の2つです。
・ガス栓の増設工事(近くにあれば不要)
・電源コンセントの増設工事(近くにあれば不要)
屋外設置では排湿管は不要なため、乾燥機本体に排気筒をつけるくらいで排気面はクリアできます。ただし屋内と同様、ガス栓や電源が近くになければ増設工事が必要です。
設置する場所については、屋根のあるところに置くのがポイント。雨や風にさらされると劣化しやすく、排気口に雨が入ると故障の原因にもなります。雨風から守る専用の保護カバーもあるので、必要に応じて併用しましょう。
当社では、屋内設置が9割、屋外設置が1割くらいです。
ガス乾燥機の設置工事・全体の流れ
ガス乾燥機を設置するのにかかる時間は半日〜1日、スムーズにいけば3~4時間で完了します。作業を終えればすぐに使用できるため、工事といってもそれほど負担になることはありません。
設置工事の全体の流れは以下のとおりです。
【設置工事の流れ(屋内の場合)】
①現場調査(場所の選定)
②乾燥機専用架台の設置
③乾燥機の設置
④排湿口の穴あけ、排湿管の取り付け工事
⑤ガス配管や電気配線などの工事
最初に現地調査を行い、設置場所を決めます。多くの場合、利便性の観点から洗濯機の上あるいは横に設置しますが、その場合はメーカー(リンナイ)が推奨している専用架台を使います。
その後、排気口の穴あけ工事などを行います。ガス栓や電源コンセントがない場合は増設し、乾燥機とガスコードの接続作業、電源コンセントのアース工事などを行えば完了です。
お風呂や脱衣所のリフォームなどと一緒に行う場合は、乾燥機本体を固定することもできますよ。
ガス乾燥機の取り付けの際に確認しておきたいこと
ガス乾燥機の設置にあたり、どのくらいのスペースが必要なのか気になりますよね。また、工事を含めた初期費用の相場も知っておくと安心です。事前に確認しておきたいポイントをご紹介します。
設置スペースと周辺の環境の確認
ガス乾燥機を設置する際は、防火上必要な最低限の離隔距離が必要です。上面と左右それぞれに4.5cm以上の空間を確保します。
参考までに、乾燥容量5kgのタイプの寸法は「高さ68.4×幅65.0×奥行56.1cm」です。ここに離隔距離を足したスペースを確保できるか確かめておくといいでしょう。
加えて、専用架台を使って洗濯機の上部に設置するときは、架台の脚が洗濯機の防水パン(洗濯機の下にある台座)をまたぐため、もう少し広いスペースが必要になります。
また、ガス乾燥機は湿気が多い場所は不向きです。浴室などへの設置は避けましょう。
設置基準や設置例を確認し、設置後のイメージをもっておくと失敗が少ないです。
どういった工事が必要になるかを確認する
ガス乾燥機の設置に必要な工事は、屋内か屋外か、さらに戸建てかマンションかによっても異なります。工事が違えば工事費用も異なるため、事前に初期費用を把握しておくことが大切です。
初期費用は「本体価格+工事費用+オプション費用(設置に必要な器具など)」で構成され、ケースによって異なるものの、おおむね20万円前後が目安です。
現地調査のあと、初期費用の見積もりを取りましょう。
ガス乾燥機の設置費用については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ガス乾燥機の設置費用は?費用に関するよくある疑問も解説 >>
オール電化での設置について
お客様から「我が家はオール電化だけどガス乾燥機を設置できますか?」といったご質問をいただくことがあります。
戸建ての場合は、ガス乾燥機用にプロパンガスを設置すれば導入可能です。ただし、火災保険のオール電化割引が適用されなくなる点は押さえておきましょう。
マンションの場合は戸別にプロパンガスを設置できないため、オール電化のマンションでガス乾燥機を後付けすることはできません。
実際に、オール電化の一軒家への設置実績がございます。
マンションでの設置について
ガス乾燥機は、マンションでの設置は難しい可能性が高いです。
RC構造であること、管理規約による制限などによって、戸建てのように壁に穴をあけたり、ベランダなどの共用部を自由に使ったりすることができないためです。まずは管理組合に確認してみましょう。
マンションへのガス乾燥機の設置については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ガス乾燥機はマンションでは設置できない?理由について解説 >>
ガス乾燥機の設置まとめ
洗濯にかかる時間を大幅に減らし、家事の時短につながるガス乾燥機。排湿管工事やガス・電気の設備工事を伴いますが、使用後の満足度は極めて高く、設置されたほぼすべての方からお喜びの声をいただいています。
脱衣所などの入り口が狭く乾燥機を搬入できないときは、ドアや窓をリフォームすることで設置が可能です。総合リフォーム会社の鈴与ホームパルでは、設置に伴うさまざまなリフォームに対応できます。設置にあたって心配なことがありましたら、ぜひ遠慮なくご相談ください。