トイレの床材を張り替えたい!種類・選び方・タイミングなどを解説
トイレのリフォームを考えるにあたって、「床材も一緒に張り替えたいけど、費用が高くつくのでは?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
実は、床材の張り替えは、トイレ本体のリフォームと同時に実施する方が、別々に実施するよりも費用を抑えられるケースが多いです。
今回は、トイレの床材を張り替えるタイミングや選び方のポイント、床材の種類別の費用相場などを詳しく解説していきます。トイレのリフォームをお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
床材を張り替えるタイミング
トイレの床材は、トイレ本体のリフォームと同時に行うのがおすすめです。リフォームを専門とする当社(鈴与ホームパル)でも、トイレの床材の張替え依頼を受けるタイミングとしてもっとも多いのは、トイレ本体のリフォームを実施するときです。
トイレ本体のリフォームと同時に床の張り替えを行うお客様が半分以上を占めます。
そのうち、お客様から「床材の張り替えがしたい」と要望を受けるよりも、ヒアリング時の会話のなかから床材についてのお悩みを汲み取り、当社からお客様へご提案させていただくケースが半分以上なのです。
また、トイレ本体の交換をする場合、交換前のトイレの跡(わだち)が床材に残ってしまうことがあります。現在販売されている新しいトイレの7〜8割は、既存トイレよりも大きいサイズで跡が隠れるものの、隠してしまうのも精神衛生的に気になる方も多いでしょう。
そういった意味でも、リフォームの機会が床の張り替えに適したタイミングだといえます。トイレ本体との同時リフォームを含む、床材を張り替えるタイミングを以下にまとめました。
タイミング | 詳細・メリット |
床材の劣化やダメージが目立つとき | ・剥がれやひび割れが起きている |
衛生面の問題が発生したとき | ・カビが発生している ・汚れが浸透してしまっている |
メンテナンスが難しくなったとき | ・汚れが取れにくくなった ・ニオイが染みついている |
リフォームの機会 (トイレ本体などのリフォームの際) | ・トイレ全体の雰囲気を一新できる ・別々に依頼するよりも費用を抑えられる |
張り替え可能なトイレの床材の種類と費用
床材の張り替えを行いたくても、「費用が高いのではないか」と費用面への不安を感じ、業者への相談を避ける方もいるでしょう。しかし実際には、トイレ本体のリフォームと同時に床材の張り替えを行ったほうが、別々に依頼するよりも費用を抑えられるケースが多いです。
また、トイレの床材の張り替え費用は、戸建でもマンションでも基本的には同じです。トイレの床材の種類と費用相場、素材ごとの特徴については、以下で解説します。
床材の種類 | 素材・特徴 | 施工費を含む費用相場 |
クッションフロア | ・ビニール製の床材で、一枚のシートをカットして床に貼っていく ・クッション性がある ・耐水性が高く水回りに適している ・デザインのバリエーションが豊富 ・他の素材よりも耐用年数が短い | 2万円 |
フローリング | ・木材を基材とした化粧シートの床 ・木の風合いを生かしたナチュラルな仕上がりのものや、大理石調のシートが施されたものがある ・耐水性が低く、防水加工の施された素材の使用が必須 ・素材によっては傷が付きやすい | 4~6万円 |
パネル材 | ・主に「TOTO(ハイドロセラフロア)」と「タカラスタンダード(ホーローパネル)」の2つがある ・「TOTO(ハイドロセラフロア)」は陶磁器 ・「タカラスタンダード(ホーローパネル)」は金属の表面にガラス質を焼き付けた素材 ・艶のある素材で高級感がある ・耐久性と耐水性に優れており、掃除がしやすい ・デザインのバリエーションは少ない | 4~6万円 |
陶器・磁器タイル | ・陶器や磁器で作られたタイル ・色や模様が豊富で高級感のある美しい仕上がり ・耐水性や耐久性はどの素材よりも優れているが、目地部分にその性能はない ・足元がひんやりするため冬場は冷える | 5~10万円以上 |
クッションフロア
クッションフロアはビニール製の床材で、ロール状で販売されています。クッション性があり、柔らかくて足触りが良いのも特徴です。耐水性が非常に高いため水や汚れに強く、トイレやキッチンなど水回りに適しています。施工費用も2万円と安価なため費用を抑えやすいのも魅力です。
デザインも多種多様で、木目調・大理石調・タイル調・テラコッタ調など、さまざまな選択肢があります。また、凹凸を付けてフローリングやタイル、石材などの素材をリアルに表現しているものもあります。厚みが薄く、既存の床の上から貼るため、工事規模が小さく、ドアへの干渉や段差解消工事は不要です。
唯一の欠点としては、柔らかい素材のため他の素材よりも耐用年数が短いことでしょう。それでも10〜15年の寿命があり、飛びぬけて耐久性がないというわけではありません。
施工費用、機能性などを総合的に見て、クッションフロアが最も優れていると言えるでしょう。
当社でも、お客様の9割がクッションフロアを選ばれます。
フローリング
フローリングは木材を基材とした化粧シートの床で、施工費用は4万円~6万円程度です。デザインの面では、木の風合いを活かしたナチュラルな仕上がりが特徴ですが、なかには大理石の加工が施されたフローリングもあります。廊下と同じフローリングにすれば、家の中の一体感を演出できるでしょう。
ただし、木材であるため水に弱いのが欠点で、変色や黒ずみ、腐食が発生することがあります。最近では耐水加工が施されたフローリングも販売されています。トイレの床をフローリングにしたい場合には耐水機能のあるタイプを選ぶようにしましょう。
耐久性については傷がつきやすいことに注意が必要です。厚みのある床材でもあるため、ドアのリフォームや、段差の解消などのリフォームが必要となるケースがあります。
パネル材
パネル材は、艶のある表面が高級感を演出できる床材です。TOTOの「ハイドロセラフロア」と、タカラスタンダードの「ホーローパネル」が主流となっています。
ハイドロセラフロアは陶磁器でできているため、高い耐久性と耐水性が特徴です。光触媒を利用したTOTO独自の技術である「ハイドロテクト」が、耐久性や汚れにくさに加えて、抗菌作用や抗ウイルスなどを実現しています。不特定多数が使用する商業施設のトイレや壁面にも使用される、機能性に優れた素材です。
ホーローパネルは金属の表面にガラス質を焼き付けた素材で、キッチンやお風呂などの耐久性・耐水性が求められる水回りにも使用されているほど、丈夫な素材です。
いずれも既存の床の上から貼るため、住まいの状況によっては段差の解消の工事が必要になる場合があります。
陶器・磁器タイル
陶器・磁器タイルは陶器や磁器で作られた素材で、色や模様が豊富で高級感のある美しい仕上がりが特徴です。
耐水性や耐久性は、どの素材よりも優れています。ただし、目地部分に汚れが溜まりやすい点には注意しましょう。また、石のため冬場は足元が冷たくなりがちです。
一枚一枚を接着剤で貼り付け、目地を埋めて施工していくため、施工費が高くなる点も難点です。5〜10万円以上が目安となるでしょう。フローリングと同様に厚みのある床材のため、ドアなどのリフォームも別途必要となる場合があります。
トイレの床材の選び方のポイント
トイレの床材を選ぶ際に考慮するべき主なポイントは、掃除のしやすさ、機能性、デザインの3つです。それぞれ見ていきましょう。
掃除のしやすさ
トイレは、尿や流す際の水の飛び散りなどがあり、家庭内で最も汚れやすい場所の一つです。トイレの床に尿や水分が染み込むと、細菌の繁殖や悪臭、床材の腐食の原因になるため、床材を選ぶ際は掃除のしやすさが重要です。
掃除がしにくい床材では、手間や時間がかかるため、こまめな掃除を避けてしまうこともあるでしょう。掃除しやすい床材であれば、こまめな掃除も苦になりにくく、汚れや臭いを防ぎやすくなります。
掃除のしやすさで選ぶなら、つなぎ目がなく耐水性の高いクッションフロアやホーローパネル(パネル材)がおすすめです。
機能性
汚れやニオイが蓄積しやすいトイレ空間だからこそ、洗剤の耐性、消臭機能、抗菌加工などの機能性に着目したいところです。
洗剤の耐性 | 洗剤を吹きかても変色・劣化しないか |
耐水コーティング | 水分、洗剤、アンモニア汚れが染み込まない |
消臭機能 | 臭いの発生を抑制する |
抗菌加工 | 細菌の繁殖を抑制する |
ただし、消臭機能や抗菌加工については、床材にこだわるよりも、脱臭・除菌機能が充実したトイレに交換、あるいは換気設備を交換をしたほうが効果は高いです。
現在のトイレの汚れやニオイが気になる場合は、床材と併せてトイレ本体のリフォームも検討してみてはいかがでしょうか。
鈴与ホームパルでは、暮らしのお悩みに沿ったリフォームをご提案させていただきます。ぜひ、お気軽にご相談ください。
\お近くの店舗で相談予約/
デザイン
床材は多彩なデザインや色合いが用意されており、好みやインテリアのテーマに合わせて選ぶことができます。ただし、カタログや小さなサンプルだけを見て決めると実際のイメージと異なる場合があるため、できるだけ大きなサンプルを確認することをおすすめします。また、施工事例からイメージを掴むのも有効です。
トイレは家のなかでも狭い空間になるため、床材のデザインや色によっては圧迫感を感じてしまうことに注意しましょう。壁紙や照明、収納棚など、トイレ全体での調和も重要です。
トイレの床の張り替えについて知っておきたいこと
トイレの床材を張り替えるときに知っておきたいこととして、以下の4点を紹介します。
◎選ぶ床材によって必要となる工事
◎段差解消と同時にリフォームするメリット
◎DIYの可否
◎業者の選び方
順番に見ていきましょう。
選ぶ床材によって必要となる工事
床材は素材によって厚さが異なります。床材の厚さによってはドアの開閉に干渉するため、ドアのリフォームも必要になる場合があります。素材ごとの床材の厚さは以下のとおりです。
・クッションフロア:2mm程度
・ホーローパネル(パネル材):3mm程度
・ハイドロセラフロア(パネル材):6mm程度
・それ以外の床材:10mm以上
また、ドアに干渉しない場合でも段差が大きくなってしまうため、必要に応じて段差解消工事が必要となる場合があります。
費用面を重視する場合は、機能性にも優れているクッションフロアがおすすめです。
段差解消と同時にリフォームするメリット
トイレの床材の張り替えをする際は、同時に段差解消のリフォームを行うのがおすすめです。
いずれバリアフリーにしたいと考えているのであれば、床材の張り替えと段差解消を同時に行うことで、工事の期間が短縮され、費用も抑えられる場合があります。
DIYの可否
トイレで使われる4つの床材(クッションフロア・フローリング・パネル材・タイル)のうち、クッションフロアであればDIYの対応も可能です。
■クッションフロアを貼る手順
1. トイレの床をキレイに掃除する
2. トイレの床のサイズよりも大きめにクッションフロアをカットする
3. 新聞紙などの紙を床に敷き詰めてテープで繋げ、床の形を型取りする
4. 型取りした紙に合わせてクッションフロアをカットする
5. サイズが合っているかを確認し、両面テープで床に張り付ける
6. つなぎ目に処理(目地を埋めるための目地材)を施して完成
DIYの注意点としては、クッションフロアと床のサイズが正確にぴったりでないと、すき間ができて不衛生になってしまうことです。すき間があると湿気が溜まったり、水分が入り込んだりしてしまい、汚れや悪臭の原因にもなります。
クッションフロアのDIYは比較的簡単な作業ですが、床面の状態や技術的な要素を考慮すると、業者に依頼したほうが安全かつ満足のいく仕上がりになる場合が多いでしょう。
業者の選び方
リフォーム会社はどこも同じように見えますが、各社ごとに得意分野や強みが異なります。
例えば、「トイレやキッチンなど特定の部分だけをリフォームするのが得意な会社」もあれば、「家全体のリフォームや大規模なリノベーションを得意とする会社」も存在します。
また、デザインや取り扱うトイレのメーカーなどもリフォーム会社によって異なります。最適なリフォーム会社を見つけるためには、複数のリフォーム会社の施工事例や提案内容を比較することが重要です。業者を比較検討する際には、以下の情報もチェックするといいでしょう。
・評判と口コミ
・実績と経験
・アフターサービス
・対応力
トイレの床材の張り替えまとめ
トイレの床材を張り替える際は、掃除のしやすさ、機能性、デザインなどを考慮し、ご自宅のトイレに最適な床材を選びましょう。
床材によっては、ドアの改修や段差解消などの追加工事が必要になる場合もあるため、事前に確認することが大切になります。DIYで張り替えることも可能ですが、専門業者に依頼したほうが安全で安心です。
トイレ本体のリフォームと合わせて、床材などの内装のリフォームをご検討中の方は、鈴与ホームパルにお気軽にご相談ください。リフォームアドバイザーが予算や希望のトイレ空間をヒアリングし、適切なご提案をさせていただきます。
\お近くの店舗で相談予約/