外壁塗装は何年ごとがベスト?適切な頻度と外壁に現れる症状とは

住宅の大切な外装を守る外壁塗装は、適切なタイミングで実施する必要があります。
外壁塗装の頻度は、外壁材や塗料の種類、建物を取り巻く環境によって変わってきます。また、外壁の状態を確認することで、外壁塗装の必要性を見極めることが可能です。
ここでは、外壁塗装の適切なメンテナンス時期や、外壁に現れる症状などについて、詳しく解説します。安心して暮らせる住まいづくりのために、ぜひ参考にしてください。
外壁塗装は何年ごと?適切なメンテナンス頻度の目安
外壁塗装の適切な頻度は、外壁材の種類や使用する塗料によって異なります。ここでは、1回目と2回目以降の外壁塗装のタイミングの目安を、それぞれ紹介します。
1回目
1回目の外壁塗装を行うタイミングは、新築から約10年後が目安です。なお、外壁材の耐久年数は、以下のように種類によって異なります。
外壁材の種類 | 耐久年数の目安 |
木質系サイディング | 7~10年 |
窯業系サイディング | 7~8年 |
モルタル | 8~10年 |
ALCパネル | 8~10年 |
金属系サイディング | 10~20年 |
樹脂系サイディング | 10~20年 |
タイル | 10~20年 |
耐久年数はあくまでも目安であり、住宅を取り巻く環境によっても変動します。耐久年数を迎えていなくとも劣化症状が見られる場合があるため、日頃から外壁の状態に意識を向けておけるとよいでしょう。

タイルは、基本的に外壁塗装の必要はありません。ただし、タイルの継ぎ目となるコーキングなどのメンテナンスは必要となるため注意しましょう。
2回目以降
2回目以降の外壁塗装を実施するタイミングは、前回使用した外壁塗料の種類によって異なりますが、前回から10~20年後が目安です。
外壁塗料ごとの耐用年数は以下のとおりです。
外壁塗料の種類 | 耐用年数の目安 |
アクリル | 3~8年 |
ウレタン | 5~10年 |
シリコン | 10~13年 |
シリコン(ラジカル制御型) | 12~15年 |
フッ素 | 15~20年 |
無機 | 15~25年 |
住まいの状態や季節によっては、目安の年数を迎えたからといって、必ずしも焦って外壁塗装をする必要はありません。
例えば、一見外壁の状態が変わっているようにみえても、実際にはさほど劣化しておらず、外壁全体の塗装ではなく部分補修で対応できるケースもあります。
また、季節柄、外壁塗装に適さないタイミングもあります。雨の多い時期や雪が降る時期に外壁塗装をすると、塗料が乾きにくくなり、スムーズに作業を進められません。
工期が延びる原因になるので、別のタイミングを検討しましょう。
外壁塗装の塗料の種類はどう選ぶ?ポイントは耐用年数と費用バランス>>
外壁塗装のタイミングを見極める症状
外壁塗装の適切なタイミングを見極めるには、目安の年数とあわせて、外壁に現れる変化や状態をチェックすることが大切です。
ここでは、外壁の見た目に現れるいくつかの症状を紹介します。
チョーキング現象
チョーキング現象とは、外壁を指や手で触ったときに白い粉がつくことです。
白い粉は、雨や紫外線によって塗料の中の合成樹脂が分解され、一部の顔料が粉状になって表面に出てきてしまったものです。
チョーキング現象は、外壁材が劣化しているサインであり、雨や紫外線から住まいを守る役割が衰えている状態といえます。
色あせ
外壁に色あせが見られたときは、塗膜が劣化して防水機能が弱まっているサインといえます。とくに日当たりの良い南側・西側の壁面で顕著に現れやすいです。
塗料には、色を発色する働きのある顔料が含まれており、この顔料が紫外線によって分離すると色あせが起こります。
外壁の色が新築時や塗装した当初から変化したり、薄くなったりしていたら、外壁塗装を検討しましょう。
藻やコケ、カビの発生
藻やコケ、カビが発生している場合、劣化によって塗料の防水性が弱まっているサインといえます。水切れが悪くなっていたり、吸水して蒸発しにくくなっている状態です。
低い位置に狭い範囲で発生しているケースであれば、自身で対処できる可能性があります。ただし、むやみに薬剤を使用して洗うと、外壁にダメージがかかってしまいます。
外壁の高い位置や広い範囲に発生している場合など、自分での対処が難しいときは、メンテナンスや外壁塗装を依頼しましょう。
浮き・膨れ・剥がれ
浮き、膨れ、剥がれが見られたときは、すぐに外壁塗装を依頼しましょう。
外壁の塗膜が劣化すると、塗膜が下地から離れて空間ができてしまったり、水分や熱により膨張してしまったりすることで起こります。
放置すると下地が露出し、外壁に雨風や紫外線によるダメージが直接かかります。これにより、住まいの構造に悪影響を及ぼす可能性があります。
ひび割れ
幅0.3mm以上のひび割れが起こっている場合も、年数にかかわらず外壁塗装を依頼しましょう。塗料だけでなく下地や外壁材にも影響を及ぼす可能性があります。
ひび割れを放置すると、外壁材に雨水が侵入し、劣化するスピードが早まります。
さらに建物の構造部分まで雨水が侵入すれば、雨漏りやカビ、シロアリの原因になるでしょう。
鉄部分のサビ
建物の鉄部分のサビは、塗膜の劣化により水分や酸素が金属部分に接触することで発生します。
玄関ドア、窓格子、バルコニーの手すり、雨樋の固定金具など、住宅のさまざまな箇所に使用されている金属部分が影響を受けます。
サビは放置すると、建物の耐久性に影響を及ぼします。はじめは小さなサビでも、時間とともに周囲に広がっていき、次第に膨れも大きくなり、部材に穴が開くまでに悪化します。
とくに、金属製の外壁材や屋根材の場合は、雨漏りや躯体の腐食リスクにいっそう注意しなければなりません。バルコニーの手すりでは、破損による転落事故の危険性があります。
これらの理由から、サビを発見したら早期の補修や塗り替えが必要だといえます。
コーキング(シーリング)のひび割れ
コーキング(シーリング)は、外壁材の継ぎ目やサッシ周りの防水を担う重要な部材です。
コーキングは、紫外線などの影響で5〜10年程度で劣化が進行し、当初の柔軟性を失って硬化していきます。その結果、痩せ、ひび割れ、剥がれといった症状が現れ、防水機能が著しく低下します。
とくに雨水が集中する1階部分や窓周りでは注意が必要です。放置すると壁内部への雨水侵入を招き、カビの発生や下地材の腐食につながる可能性があります。
一般的に、外壁塗装の耐用年数よりコーキングの寿命の方が短いですが、コーキングの補修が必要な時期は、外壁塗装も必要になることが多いでしょう。足場の設置費用を節約できる点もあるため、同じタイミングで工事するのが理想です。

外壁の剥がれ・ひび割れにおいては、家の中に雨水が侵入するリスクも考えられるため、できるだけ早めに相談することをおすすめします。チョーキング現象・色あせは、日当たり具合によっては3年程で発生することもあるため、気にかけておくようにしましょう。
外壁塗装の時期について気になること
ここでは、外壁塗装のタイミングに関する、よくある質問に回答していきます。
外壁塗装を20年以上していないとどうなる
外壁塗装のタイミングは、年数で判断するというより、外壁の状態に応じて検討することが大切です。
外壁塗装をせず20年以上経過していても、きれいな家もあります。一方で、外壁の状態の悪化が進み、下地や建物の構造部分まで劣化しているケースもあります。
最悪の場合は、以下のようなトラブルが起こることも考えられるでしょう。
・外壁材の腐食、剥がれ
・雨漏り
・シロアリ被害
・断熱性の低下
・外観の劣化
外壁塗装では対応できず、外壁の張り替えが必要になるケースでは、外壁塗装よりも高額な費用が発生してしまいます。メンテナンス費用を抑えるためにも、日頃から外壁の状態を確認しておき、気になることがあれば専門業者に相談しましょう。
外壁塗装をするタイミングによって費用が変わることはあるか
外壁塗装のタイミングが遅れると、最適な時期に行う時期よりも、メンテナンス費用が高くなることがあります。
塗料の劣化が進み、下地や外壁材、建物の構造部分にも悪影響が出ると、外壁塗装だけでは対応できず、メンテナンス費用が高額になります。
例えば、シロアリ被害が発生していれば、修理も必要になってしまうでしょう。不安な点があれば専門業者に相談するのがおすすめです。適切なタイミングを教えてもらえることはもちろん、費用面での疑問にも答えてもらえるはずです。
万が一、大規模なメンテナンスが必要になった場合は、以下のような方法で少しでも費用を抑えましょう。
・複数の業者から見積もりをとる
・補助金・助成金を利用する
・火災保険を利用する
・屋根塗装など他の工事も依頼する
・閑散期の夏や冬に依頼する
依頼する業者によって、メンテナンス頻度が変わることはあるか
依頼業者の選定は、耐用年数に影響します。
経験やノウハウがあまりない業者に依頼すると、施工不良によって10~20年もたない可能性があります。そうなれば、施工から数年でメンテナンスし直すことになりかねません。
適切な施工をしてもらうには、信頼できる業者に依頼することが大切です。複数の業者から見積もりをとって、以下の内容を中心に比較しましょう。
・見積内容が詳細でわかりやすいか
・懸念点や質問に対しての対応が適切か
・アフターフォローや補償内容がしっかりしているか
・施工実績は豊富にあるか
まとめ
外壁塗装の適切なメンテナンス時期は、使用する外壁材や塗料の種類によって異なります。
初回の外壁塗装を検討するタイミングは、新築から約10年後が目安です。2回目以降は使用する塗料の種類によって5年から25年までと幅があります。ただし、年数だけで判断するのではなく、建物の状態をよく見て判断することが大切です。
外壁の剥がれやひび割れなど、外壁に現れる変化を早期に発見し、適切な対処をすることで、建物を良い状態に保てるでしょう。
メンテナンスしないまま長期間放置すると、外壁材の腐食や雨漏り、シロアリ被害などの深刻な問題に発展する可能性があります。信頼できる業者に相談し、適切なタイミングでメンテナンスを実施してください。
鈴与ホームパルでは、経験と知識が豊富なアドバイザーがお客様にぴったりのプランをご提案します。外壁塗装について気になる点があったり、施工を検討したりしている場合は、ぜひ一度ご相談ください。
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