COLUMNリフォーム豆知識
外壁・屋根 2024.04.01

屋根リフォームのカバー工法におけるデメリットとメリットとは?

屋根リフォームのカバー工法におけるデメリットとメリットとは?

屋根のカバー工法とは、今ある屋根材の上に新しい屋根材をかぶせる工事方法のこと。

古い屋根材を剥がして屋根材を新設する葺き替え工事と比べ、工期と費用を抑えられるメリットがある一方で、事前に知っておきたい注意点もあります。

今回は、 屋根のリフォームをカバー工法で行おうとしている方に向けて、カバー工法のデメリット・メリットを詳しく解説します

カバー工法に向いている例・向いていない例もまとめているので、ご自身のケースにあてはめて読み進めてくださいね。

屋根のカバー工法のデメリット

カバー工法にはメリットもありますが、同時にデメリットもあります。まずは、カバー工法のデメリットと注意点を見ていきましょう。

・屋根の総重量が増す
・対応可能な屋根が限定される
・部分的な施工が難しく高額になる
・屋根の劣化が改善するわけではない
・施工できる職人が限定される可能性がある

屋根の総重量が増す

カバー工法では、既存の屋根の上に新しい屋根材をかぶせるため、屋根の重さが増します。屋根の総重量が増えたときに注意したいのが、建物の耐震性です。

一般的に、建物は重心が低いほうが耐震性は高くなります。カバー工法で屋根が重くなると重心が高くなり、住まいの耐震性が低下してしまう可能性があるのです。

そのため、 カバー工法で採用する屋根材は軽量なものに限られます。結果、耐震性への影響は軽微ですが、選べる屋根材の選択肢が狭まってしまう点はデメリットといえるでしょう。

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同じ理由で、屋根に太陽光パネルを設置するのも難しくなります。

対応可能な屋根が限定される

前項で、カバー工法で用いる新しい屋根材の種類は限定されると説明しました。同様に、既存の屋根材も限定されます。

カバー工法では、和瓦やセメント瓦のように重さがあり、表面が平らではない屋根への施工はできません。

また、屋根材の下地の劣化が進んでいる場合も不向きです。新しい屋根材がきちんと固定されず、風で屋根材が飛ばされてしまう危険性があります。

カバー工法に適している屋根は、軽量でフラットな形状をしているスレート屋根です。実際、当社でカバー工法を行なう際も、ほとんどがスレート屋根のお客様となっています。

部分的な施工が難しく高額になる

前提として、カバー工法は部分的な施工が難しいため、全面施工が基本となります。

これは、 部分的に屋根が二重になると、既存の屋根材と新しい屋根材の間にすき間が生まれ、雨漏りの要因をつくってしまうためです。

雨の侵入を防ぐための処理が必要になり、結果として費用は割高になってしまいます。

また、カバー工法で使用する新しい屋根材はガルバリウム鋼板が主流となり、この場合、屋根材同士を連結させる「かん合式」や「ハゼ式」という手法を用います。

屋根材を一枚の面になるように施工することから、一部分だけを剥がすことができなくなります。

屋根の劣化が改善するわけではない

屋根材の下には野地板(のじいた)という下地があり、カバー工法では既存の野地板を再利用します。そのため、野地板が劣化している場合は根本改善にはなりません

仮に野地板が傷んでいる状態でカバー工法を行なった場合、屋根の耐久性に問題が生じる可能性も。野地板の状態は非常に重要といえます。

野地板を確実な状態にしたい場合は、野地板を目視できる葺き替え工事が適しています。屋根の状態に応じた提案をしてくれるリフォーム業者を選ぶことがポイントになってくるでしょう。

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当社では、葺き替えや部分的な修繕も行なえるため、柔軟な対応が可能です。

施工できる職人が限定される可能性がある

先述したように、カバー工法で用いる屋根材は主にガルバリウム鋼板(金属屋根)です。

金属屋根の施工では板金職人の技術が必要となりますが、近年、板金職人の慢性的な人材不足が続いています。

住宅市場ではガルバリウム鋼板の需要が高まっており、屋根をはじめ、外壁にガルバリウム鋼板を採用している住宅を見かけることも多いでしょう。

そのため、場合によっては板金職人さんを確保できるまで工事を待つケースもあるようです。

当社では今のところ安定して板金工事を進められていますが、 リフォーム業者によっては着工が遅れることもあるでしょう

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特に地震や台風が起きた際は、職人が不足しやすくなります。

屋根のカバー工法のメリット

続いて、カバー工法のメリットを見ていきましょう。主に葺き替え工事と比較したとき、次のようなメリットがあります。

・(葺き替え工事よりも)コストを抑えられる
・(葺き替え工事よりも)工期が短い
・ 住宅の性能が向上する
・(葺き替え工事よりも)アスベストが飛散する可能性が低い

(葺き替え工事よりも)コストを抑えられる

まず挙げられるのが、費用面です。 カバー工法は既存の屋根を残したまま工事をするため、古い屋根材の撤去費用や処分費用がかかりません

屋根の形や角度、屋根材の種類などによりますが、一般的な広さの戸建てに施工した場合の費用相場は次のとおりです。

■費用相場(屋根面積80〜100㎡の場合)

カバー工法約150万〜200万円
葺き替え工事300万円〜

このように、カバー工法は葺き替え工事の半分程度の費用で行なうことが可能です。屋根リフォームには少なくない費用がかかるため、費用を抑えられるのは大きなメリットとなるでしょう。

カバー工法と葺き替え工事それぞれの費用相場は、こちらの記事で詳しく解説しています。

屋根カバー工法にかかる費用は?変動する要素・葺き替え工事との比較を紹介 >>

屋根の葺き替え工事の費用相場はどれくらい?費用の抑え方も紹介 >>

(葺き替え工事よりも)工期が短い

古い屋根材の撤去がないということは、工期の短縮にもつながります。一般的な広さの戸建てにおけるそれぞれの工期の目安は次のとおりです。

■工期目安(屋根面積80〜100㎡の場合)

カバー工法10日〜2週間
葺き替え工事2週間〜3週間

屋根リフォームでは、どうしても工事の音が周辺に響いてしまうもの。工期を短縮できれば、近隣住民への負担も減らせます。

ご近所への影響を少しでも減らしたいという方は、特にメリットに感じる部分かもしれません。

住宅の性能が向上する

屋根材が二重になることで、屋根の断熱性・防水性・防音性の向上が期待できます。2階の暑さを和らげたいという方は、カバー工法で得られるメリットは大きいといえるでしょう。

ただし、 音に関しては選ぶ屋根材の種類によって効果が異なります

スレート屋根の上にスレート屋根をかぶせる場合は防音効果が期待できますが、スレート屋根の上にガルバリウム鋼板など金属の屋根材をかぶせるケースでは、雨音が大きく感じたり、金属の熱伸縮による音が気になったりすることも。

金属屋根の中には断熱材がセットになっている製品もあるため、断熱性、防音性を考慮して選択することが大切です

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屋根材を選ぶときは、その後の暮らしに与える影響も考慮しましょう。

アスベストが飛散する可能性が低い

古いスレート屋根の場合、材料にアスベストが含まれているケースがあります。

葺き替え工事では、古い屋根材の解体・撤去が必要になるため、近隣にアスベストが飛散してしまうリスクが高まります。

しかし、解体と撤去が不要なカバー工法であれば、粉塵飛散のリスクはほとんどありません。

アスベスト入りの屋根材は撤去費用・処分費用ともに高くなるため、この点も踏まえてリフォーム方法を検討するといいでしょう

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アスベストが入った屋根材は、置いてあるだけなら特に大きな問題は生じません。

屋根のカバー工法に向いている例・向いていない例

これまでご紹介したことを踏まえ、屋根のカバー工法が向いているケースと、そうでないケースを以下にまとめた。

向いているケース・下地が劣化していない場合
・コストを抑えたい場合
・コストや工期を抑えて住宅の性能を上げたい場合
向いていないケース・瓦屋根の場合
・下地の劣化が激しい場合
・一度カバー工法を行なっている場合
・太陽光発電を設置したい場合(※)
※依頼する業者によっては可能な場合もあるため、相談・確認をお願いします

下地の劣化がなく、瓦屋根以外の屋根であれば、問題なくカバー工法を選ぶことができるでしょう。新しい屋根材の素材は限定されますが、満足されるお客様がほとんどです。

ただし、一度カバー工法を行なっている場合は、再度カバー工法を選択することはできません

すでに屋根材が二重になっている状態ですから、そこにさらに屋根材を追加すれば屋根が重くなり、住宅への負担が大きくなってしまいます。

カバー工法のメリット・デメリットまとめ

カバー工法は葺き替えよりも費用や工期を抑えられ、ご近所にも迷惑をかけにくいといったメリットがあります。

ただ、下地が傷んでいる場合は不向きのため、状態に応じて判断することが大切です。

また、 屋根のリフォームは適切に行なわないと、住まいの耐震性を損なったり雨漏りを引き起こしたりと、大きなダメージを受けてしまいます。そのため、リフォーム業者選びも重要です。

鈴与ホームパルでもカバー工法による屋根リフォームに対応しており、安全に施工できるか、リフォーム後の暮らしに不便はないかといった点も踏まえたご提案をしております。

屋根リフォームを検討されている方は、ぜひ一度お問い合せください。リフォームアドバイザーが丁寧に対応させていただきます。

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