【2024年版】給湯器の補助金制度|国と自治体の制度を4つ紹介
給湯器の寿命は一般的に10〜15年程度と言われ、寿命が近づくと少しずつ不具合が現れるものですが、ある日突然給湯がストップしてしまうことも…。完全に故障してしまう前に、交換を検討しておくと安心です。
2024年度も住宅の省エネを支援する補助金制度は充実し、給湯器も例外ではありません。給湯器をエコな製品に交換することで、補助金の対象になることがあります。今回は、2024年に利用できる給湯器に関する補助金制度をまとめてご紹介します!
※本記事の内容は、2024年1月時点の情報になります。補助金制度の利用を検討されている方は最新の情報のご確認をお願いいたします。
給湯器の購入・交換で使える補助金制度
給湯器の購入・交換で利用できる主な補助金制度をまとめました。制度ごとに要件や補助限度額が異なるため、自分に合った制度を選ぶのがポイントです。以降で、それぞれの詳細を見ていきましょう。
制度の実施者 | 制度名 | 補助額 |
国による補助金制度 | 住宅省エネ2024キャンペーン | 8~20万円 |
同上 | 長期優良住宅化リフォーム推進事業 | 合計の1/3 上限100~200万円(250万円) |
自治体独自の 補助金制度 | 【山梨県】 家庭用省エネ機器購入支援事業 | 30,000円相当のポイント |
同上 | 【長野県松本市】 住宅用温暖化対策設備設置補助金制度 | 4~20万円 |
住宅省エネ2024キャンペーン
住宅省エネ2024キャンペーンは、昨年打ち出された住宅省エネ2023キャンペーンの後継事業。2050年カーボンニュートラルの実現に向け、家庭部門の省エネを強化するために、国土交通省・経済産業省・環境省の3省連携によって実施されています。
住宅省エネ2024キャンペーンは4つの補助事業で構成され、そのうち給湯器に関するものは「給湯省エネ2024事業」と、賃貸住宅オーナー限定の「賃貸集合給湯省エネ2024」です。
まずは、「給湯省エネ2024事業」の詳細を見ていきましょう。
給湯省エネ2024事業
補助金額 | ◆ヒートポンプ給湯器(エコキュート) 8万円/台(性能に応じて最大13万円/台) ◆ハイブリッド給湯器 10万円/台(性能に応じて最大15万円/台) ◆家庭用燃料電池(エネファーム) 18万円/台(性能に応じて最大20万円/台) |
補助対象機器 | 高効率給湯器 (性能要件を満たし、補助対象製品として登録されたもの) ◆ヒートポンプ給湯機(エコキュート) ・「法律施行令(昭和54年政令第267号)第18条第26号」に掲げる電気温水機器 ・「平成25年3月1日経済産業省告示第38号」1(2)の表における、 区分ごとに応じた基準値以上の機器(※) ◆ハイブリッド給湯機 ・「一般社団法人日本ガス石油機器工業会」の規格(JGKAS A705) ・年間給湯効率が108.0%以上 ◆家庭用燃料電池(エネファーム) ・「一般社団法人燃料電池普及促進協会(FCA)」に登録されている機器 |
補助対象者 | 対象機器を設置する住宅の所有者等であること ・住宅を所有する個人または、その家族 ・賃貸人(アパート等を貸している個人または法人) ・賃借人(アパート等を借りて住んでいる人) ・共同住宅等の管理組合・管理組合法人 ※住宅を販売する事業者、買取業者は対象外 |
補助条件 | ・原則として、同一の補助対象の補助金制度を利用していないこと(併用不可) ・2023年11月2日以降の着工であること ・本事業に登録している施工業者と契約を締結し、 以下いずれかの方法によって対象機器を購入すること [1]新築時に購入・設置 [2]対象機器が設置済みの新築分譲住宅(戸建・共同住宅等)を購入 [3]リフォーム時に購入・設置 [4]既存給湯器から対象機器への交換を条件とする中古住宅を購入 |
申請期限 | 2024年3月中下旬~予算上限に達するまで (遅くとも2024年12月31日まで) |
公式HP | https://kyutou-shoene2024.meti.go.jp/ |
給湯省エネ事業は2023年度も行なわれましたが、昨年度との大きな違いは補助額がアップしていること。2023年度の補助額は、エコキュートとハイブリッド給湯器が5万円、エネファームは15万円でしたから、2024年度は3〜5万円引き上げられたことになります。さらに、性能に応じて加算額が設定されたのもポイントです。
なお、申請手続きは施工会社が行ない、工事完了後に施工会社が補助金の交付を受け、その後工事発注者(お客様)に還元される仕組みです。
給湯器の交換を見送っていた方は、今年が良い買い替えのタイミングと言えそうです!
賃貸集合給湯省エネ2024事業
補助金額 | エコジョーズ/エコフィール 追い焚き機能なし:5万円/台 追い焚き機能あり:7万円/台 いずれも1住戸1台まで |
補助対象機器 | エコジョーズ/エコフィール (性能要件を満たし、補助対象製品として登録されたもの) |
補助対象者 | 賃貸集合住宅のオーナー等(※)で、 給湯器の設置工事(またはリース利用)の発注者 ※詳細条件あり |
補助条件 | 対象となる既存賃貸集合住宅の1棟あたり 賃貸住戸2戸以上(※)の住戸について、 従来型給湯器を補助対象である エコジョーズまたはエコフィールに 交換する工事であること(リースの利用を含む) ※賃貸住戸数が10戸未満の賃貸集合住宅は1戸以上 |
申請期限 | 2024年3月中下旬~予算上限に達するまで (遅くとも2024年12月31日まで) |
公式HP | https://chintai-shoene2024.meti.go.jp/ |
賃貸集合給湯省エネ2024事業は、エコキュートやエネファームなどの大型給湯器の設置が難しい賃貸アパートなどでも省エネ化を促進させる目的で、新たに創設された補助金事業です。対象者は賃貸集合住宅のオーナー等で、対象機器は小型給湯器(エコジョーズ・エコフィール)となります。
ポイントは、従来型給湯器からエコジョーズあるいはエコフィールに交換する工事に限られる点です。新規設置は対象外となるため注意しましょう。
申請手続きの流れは、給湯省エネ2024事業と同様です。
長期優良住宅化リフォーム推進事業
長期優良住宅化リフォーム推進事業は、国土交通省が管轄する補助金制度。住宅の長寿命化・省エネ化につながるリフォームや、子育てしやすい住環境の整備を図ることを目的としています。
2024年度については未発表のため、以下に2023年度の情報をまとめました。
【2023年度の情報】
補助金額 | 補助対象となる工事費等の合計の1/3 <上限> 評価基準型:100万円/戸(150万円) 認定長期優良住宅型(※):200万円/戸(250万円) ()内の補助額は、本事業指定の工事をした場合の上限 ※リフォーム後の住宅性能が長期優良住宅の認定基準を満たす場合 |
補助対象機器 | 高効率給湯器など (本事業が定める評価基準を満たすもの) |
補助対象者 | リフォーム内容によって異なる |
補助条件 | ・インスペクション(建物状況調査)を行うこと ・リフォーム履歴と維持保全計画を作成すること ・リフォーム後の住宅が一定基準を満たしていること |
申請期限 | 2024年2月19日 |
公式HP | https://r05.choki-reform.com/summary/document.html |
この補助金制度は対象工事の範囲が広いのが特徴。工事の区分は大きく分けて「性能向上リフォーム工事」「三世代同居対応改修工事」「子育て世帯向け改修工事」「防災性・レジリエンス性の向上改修」の4つです。
いずれの工事区分においても高効率の給湯器は補助金の対象となり、例えば以下のようなケースが考えられます。
■例
・性能向上リフォーム工事/省エネルギー対策として高効率給湯器に交換する
・三世代同居対応改修工事/浴室の増設に伴い、高効率給湯器を取付ける
・子育て世帯向け改修工事/家事負担軽減のため、現状より容量の大きい給湯器に交換する
・防災性・レジリエンス性の向上改修/非常用水を確保するため、貯湯タンクを有する給湯器を設置する
ただし、リフォーム後に所定の住宅性能基準をクリアすること、複数の工事を行なうことを要件とする工事区分があることなどから、給湯器の取付けのみでは補助対象とならない可能性が高いです。
給湯器の交換のみを希望する方ではなく、比較的大規模なリフォームを検討している方に向いている補助金制度です。
自治体独自の補助金・助成金制度
給湯器の補助金制度は国が行なうもののほか、自治体が独自で取り組むものもあります。制度の実施可否や補助対象、補助額、申請条件などは自治体ごとに異なるため、詳しくはお住まいの地域のホームページなどでご確認ください。
ここでは参考として、山梨県と長野県松本市が行なっている補助金制度をご紹介します。
【山梨県】家庭用省エネ機器購入支援事業
光熱費高騰による家庭のエネルギーコストの負担の軽減を目的に、省エネ性能の高い機器の導入を支援する補助金制度。対象の省エネ機器を購入すると、キャッシュレスポイントが交付される仕組みです。
補助金額 | 30,000円相当のポイント/台 |
補助対象機器 | 統一省エネラベル(省エネ性能)の星3つ以上のガス温水機器 ⇒「対象製品検索」 ※以下機器は、国の補助金制度を活用できるため対象外 ・ヒートポンプ給湯機(エコキュート) ・ハイブリッド給湯機 |
補助対象者 | 山梨県内に住んでいる方 |
補助条件 | 期間中に、対象店舗にて対象機器を購入すること |
申請期限 | 2024年2月16日 |
公式HP | https://www.pref.yamanashi.jp/kankyo-ene/syoene-saiene-shien/syoene-saiene-shien.html |
ガス温水機器のほか、エアコンや電気便座、LED照明器具などもラインナップされています。
【長野県松本市】住宅用温暖化対策設備設置補助金制度
温暖化対策の取り組みとして、住宅に特定の省エネ設備を導入する方を支援する補助金制度です。高効率給湯器をはじめ、太陽熱や地中熱を利用した設備までを対象としています。
そのほか、二重窓の設置や窓ガラス交換、玄関ドア交換など、人気のリフォームも補助対象です。幅広い方が利用しやすい魅力的な補助金制度となっています。
補助金額 | ・エコジョーズ:4万円/台 ・エコフィール:5万円/台 ・エネファーム:20万円/台 ・エコキュート:10万円/台 ・ハイブリッド給湯器:8万円/台 ・太陽熱利用設備(自然循環型):4万円/台 ・太陽熱利用設備(強制循環型):8万円/台 ・地中熱利用設備:20万円/台 |
補助対象機器 | 高効率給湯器等 |
補助対象者 | 以下項目にすべて該当する方 ・申請者の居住するための住宅であり、築1年以上の市内の既存住宅に設置する ・実績報告時点でその住宅に住んでおり、その所在地が住民票に記載されている ・市内に所在を有する事業者に設置を依頼する ・申請日の年度内の受付期間内に必要書類を提出できる ・暴力団員や、その関係者でない ・市税の滞納をしていない |
補助条件 | 本制度による基準を有する機器であること |
申請期限 | 要問合せ |
公式HP | https://www.city.matsumoto.nagano.jp/soshiki/85/4406.html |
給湯器の補助金を利用する際の注意点
国と自治体が取り組む給湯器の補助金制度をご紹介しました。実際に利用する際には、申請手続きなどの面でいつくか押さえておきたい注意点やポイントがあります。
・申請期限・タイミングを確認する
・制度によっては単体では使えない場合がある
・お風呂やトイレなどのリフォームと一緒に行なうとお得
申請期限・タイミングを確認する
補助金制度には申請期限が設けられているため、公式HPなどで必ず期限を確認しましょう。ただし、予算に達した場合は申請期限内であっても打ち切られてしまうことも。申請期限までに余裕があっても、なるべく早めに準備を始めることをおすすめします。
また、申請のタイミングにも注意が必要です。多くの場合、着工前の申請が求められ、着工後に申請しても受理されません。リフォーム会社と情報を共有して進めていきましょう。
補助金利用の実績が豊富なリフォーム会社を選ぶのもポイントです。
制度によっては単体では使えない場合がある
家庭のエネルギー消費において多くの割合を占める給湯器は、補助金対象になりやすい住宅設備の一つです。しかし制度によっては、給湯器単体では補助対象にならないことも。この場合は、他のリフォームと組み合わせることで、給湯器の交換が可能になることがあります。
各制度の要件を十分に確認しましょう。
お風呂やトイレなどのリフォームと一緒に行なうとお得
上述のとおり、給湯器の交換は他のリフォームと一緒に行なうことで補助対象となることがあります。そのため、給湯以外のリフォームを考えている方は、そちらと合わせて給湯器の交換するのがおすすめです。
たとえば、給湯器を必要とするお風呂や温水洗浄機能のあるトイレのリフォームなどが挙げられます。
当社では、お風呂やトイレリフォームをきかっけに給湯器を交換される方も多いです。
給湯器の補助金・助成金制度まとめ
家庭でのエネルギー消費の約3分の1が給湯と言われるなか、高効率給湯器は家計を助けると同時に、国を挙げて進めていきたい住宅設備でもあります。住宅省エネ2024キャンペーンでは給湯器単体の交換が可能で、補助額が引き上げられていることからもうかがえますね。
ただ、実際に給湯器の補助金制度を利用するとなると、要件や申請方法の複雑さに二の足を踏むことがあるかもしれません。そんなときは、ぜひ当社のリフォームアドバイザーにご相談ください。分かりやすく丁寧にサポートさせていただきます。