断熱リフォームの費用相場はどのくらい?効果や費用を抑えるコツもご紹介
家の寒さが気になるこの季節、断熱リフォームを検討される方も多いかもしれません。しかし、施工方法が幅広い断熱リフォームは、どのくらいの金額がかかるのか分かりにくい面があります。
そこで今回は、断熱リフォームの費用相場や工事方法、費用を抑える方法などをご紹介します。相場感をつかんで、リフォーム計画を立てる際の参考にしてみてください。
断熱リフォームを考えている方は必見です!
種類別・断熱リフォームの費用相場
工事内容 | 費用相場 | 工期 |
天井の断熱リフォーム | 15~25万円 | 2~4日 |
壁の断熱リフォーム | 30~40万円 | 4日程度~1週間 |
床の断熱リフォーム | 30~80万円 | 4日程度〜1週間 |
窓の断熱リフォーム(1ヶ所) | 5~20万円 | 3時間~半日 |
断熱リフォームをする部位は、大きく分けて「天井」「壁」「床」「窓」の4つです。断熱材の性能や家の状態、戸建て・マンションなど物件によって値段や工事方法は変わりますが、相場感を身につけるのに役立ちます。
以下で、それぞれの工事の特徴を見ていきましょう。
天井の断熱リフォーム
天井の断熱リフォームの方法は、「充填断熱工法」と「吹込み工法」の2種類です。充填断熱工法は「敷き込み工法」と呼ぶこともあります。
充填断熱工法 | 綿状に成形した繊維系の断熱材を敷き詰める方法 |
吹込み工法 | 発泡プラスチック系の断熱材を機械で吹きつける方法 |
吹込み工法は、障害物があると隅々まで吹き込むのが難しいため、天井に限らずリフォームでは充填断熱工法を採用することが多いです。
6畳1部屋の天井裏に、充填断熱工法で断熱材を敷設したときの費用相場は15万円程度。断熱材+防湿フィルムの施工で25万円程度が目安です。
天井裏に入って施工できるかで工事方法が変わるため、事前の調査がポイントです。
壁の断熱リフォーム
壁の断熱リフォームの方法は、「充填断熱工法(敷込み工法)」と「断熱パネルの設置」の2つが主流になります。
充填断熱工法 | 壁を剥がして断熱材を敷き詰める方法 |
断熱パネルの設置 | 壁を剥がさず、既存の壁の上に高断熱性のパネルを張る方法 |
断熱性能は断熱パネルのほうが優れていますが、断熱パネル自体が高いため、リフォーム費用も高くなる傾向です。
6畳間の壁を断熱する場合、充填断熱工法なら30万円程度、断熱パネルを設置する場合は40円程度が相場です。
ただし、補助金を活用できれば、断熱パネルでも充填断熱工法と同じくらいの金額でできることがあります!
床の断熱リフォーム
床の断熱リフォームは「充填断熱工法」と「吹込み工法」がありますが、吹込み工法はシロアリ対策が困難なため、あまりおすすめしていません。
充填断熱工法 | 床材(フローリング)を剥がして断熱材を敷き込む |
吹込み工法 | 床下に、発泡プラスチック系の断熱材を吹きつける方法 |
充填断熱工法の場合は、6畳間であれば30万円程度から可能です。ただ、家の状態や断熱材の厚みによって、大引きという床下の構造材を下げる必要があるケースも。その場合は70万円程度かかることもあります。
また、肌に触れることの多い床は、床材の材質によっても体感が変わります。無垢材やコルクなどの床材にする場合はプラス10万円程度かかりますが、建材よりも温かみがあるため、断熱効果を得やすいです。
窓の断熱リフォーム
窓の断熱リフォームの方法は、「内窓の設置」「ガラスの交換」「窓の交換」の3種類です。
内窓の設置 | 既存の窓の内側に、もう1つ窓を取り付ける方法 インナーサッシ、二重窓とも呼びます |
ガラス交換 | 既存の窓のシングルガラスをペアガラスなどに交換する方法 |
窓交換 | 窓をサッシごと交換する方法 |
このうち、断熱性能が高く、かつ費用を抑えやすいのが「内窓の設置」です。窓が二重になることで気密性が高まり、窓と窓の間に空気の層ができることで断熱性を発揮します。施工も3時間程度でできるため、工事の手間がかかりません。
「窓交換」も断熱効果が高いですが、費用は内窓を設置する場合の2〜3倍かかります。ただ、内窓は窓が二重になるため、開け閉めが面倒に感じる方は窓交換が有力な選択肢になるでしょう。
「ガラス交換」はもっとも安価ですが、断熱効果はそれほど高くありません。また、ペアガラスは重量があるため、既存のレールが耐えられないケースも。それぞれのメリットとデメリットを理解したうえで選んでいきましょう。
開口部という点では「玄関ドアの交換」もおすすめです。断熱性のある玄関ドアに換えたら、夜間トイレに行く際、廊下が寒くなくて快適とおっしゃるお客様もいらっしゃいました。
断熱リフォームの価格を抑える方法
リフォームを検討するときは、できるだけ費用を抑えたいと思う方は少なくありません。ここではそんな方に向けて、断熱リフォームをする際に押さえておきたいポイントをご紹介します。
補助金を活用する
省エネにつながる断熱リフォームは、補助金を活用できるケースが多いです。要件を満たせば、対象経費の1/3あるいは1/2が補助金として支給されるため、積極的に活用しましょう。
断熱リフォームを対象とする制度は、主に以下の5つです。
・こどもエコすまい支援事業
・次世代省エネ建材の実証支援事業
・長期優良住宅化リフォーム推進事業
・既存住宅における断熱リフォーム支援事業(旧呼称「断熱リノベ」)
・地方自治体独自の補助金・助成金制度
制度によって要件が異なるため、検討している断熱リフォームが当てはまるか、事前に担当者に確認することをおすすめします。
補助金制度の特徴と、活用する際の注意点については、こちらの記事で詳しく解説しています。
断熱リフォームに活用できる補助金は?既存住宅における断熱リフォーム支援事業を解説>>
リフォームで解決したい目的をはっきりさせる
断熱リフォームとひと口に言っても、アプローチ方法はさまざま。リフォームで叶えたいことを明確にし、それを担当者に伝えることが大事です。最適な提案を受けられ、費用を抑えることにもつながります。
当社で実際にあった例として、リフォームせずにお困りごとを解決できたケースがあります。「洗面所が寒いから暖房機をつけたい」というご相談を受け、ご自宅を訪れたところ、浴室に暖房機がついているお宅でした。お金をかけて新たに暖房機を設置せずとも、浴室の扉を開ければ十分に洗面所を暖めることができました。
リフォームのご依頼の際は、ぜひ「何に困っているか」を教えてください。
断熱リフォームの失敗例や成功のコツをまとめた記事もあるので、こちらもチェックしてみてください。
断熱リフォームを失敗することはある?成功させるためのコツとは>>
費用だけでリフォームを考えない
断熱リフォームは費用を抑えることを意識しすぎると、結果的に期待する断熱効果を得られず、後悔してしまうことがあります。
当社で実際にあった事例では、1部屋のうち、掃き出し窓には内窓を設置し、腰窓は費用を抑えるためにペアガラスで対応したケースがありました。しかしリフォーム後、内窓の部分とペアガラスの部分に断熱性の違いがあらわれ、後日あらためて内窓を設置することに。
この場合、再工事になるため費用が余分にかかってしまいます。費用対効果を考え、適切な工事を選ぶことが大切です。
断熱リフォームの費用まとめ
断熱リフォームは家の状態やお困りごとによって適切な方法が異なり、費用にも違いが生まれます。リフォーム会社の担当者とコミュニケーションをとり、最適な方法を見つけることが成功のカギです。
また、断熱リフォームは、見た目の変化ではなく体感で効果を感じるリフォームのため、工事をしてみないと効果のほどが分からないことも。当社では、実際に施工して担当者が感じたこと・お客様の感想などをもとにリフォームプランを考えます。
戸建てでは築25年くらいの住宅に住まわれている方、マンションでは外気の影響を受けやすい角部屋や屋上直下の部屋に住まわれている方からのご依頼が多いです。寒さ・暑さでお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
この記事のポイント | ・断熱リフォームする場所は「天井」「壁」「床」「窓」の4つ ・工事としては断熱材を敷き詰める「充填断熱工法」が主流 ・費用だけで考えず、 リフォームで解決にしたい悩みを明確にすることが大切 |