キッチンの収納扉だけを交換したい!素材の特徴や注意点などを解説
「キッチンの収納扉の表面がはがれてきた」「金物(蝶つがい)の不具合でドアが閉まりにくい」「取っ手が外れてしまった」などの症状でお困りの方はいらっしゃいませんか?
結論からいうと、キッチンの収納扉だけの交換は可能です。扉の劣化は見た目や使い勝手を悪くするだけでなく、状態によってはケガにつながることも…。できる限り早めに対処することをおすすめします。
今回は、キッチンの収納扉を交換するときの費用、素材の種類、交換時の注意点などをご紹介します。
キッチン扉の交換費用の目安
業者に依頼してキッチン扉を交換するときの費用は、工事費を含めて1枚あたり3万円が一つの目安となります。すべて交換した場合は20万円前後が目安となりますが、選ぶ材質や枚数、サイズによって30万円近くになることも(※)。
※キッチンの扉の枚数を6~10枚ほどで想定した場合の費用感になります
思ったより高いと感じる方もいらっしゃるかもしれません。高額になる理由は、キッチンメーカーで扉の在庫を持っているとは限らず、オーダーメイドになりやすいことが挙げられます。
そのため、ケースによってはキッチン自体を交換したほうが効率的なことも。これについては、「キッチン扉を交換する際の注意点」の段落で詳しく解説します。
部分的な交換か、全体の交換かは、重要な検討ポイントです!
交換できるキッチン扉の素材
キッチン自体を新しくするか、扉のみを交換するかを判断するときに知っておきたいのが、扉の素材(面材)の種類です。選ぶ素材によって、交換費用、見た目、機能性が変わります。
キッチン扉の素材の種類は、主に次の6つです。
・化粧シート
・木材
・メラミン化粧板
・ステンラス
・ホーロー
・塗装
化粧シート(オレフィンシート・DAPシートなど)
化粧シートとは、色・柄を印刷した樹脂製のシートのこと。材質によって、オレフィンシート、DAPシート、FFシートなどに分かれます。
キッチン扉の面材として最もポピュラーで、現在のキッチン扉の面材が化粧シートという方も多いかもしれません。化粧シートのメリット・デメリットは以下のとおりです。
<メリット>
・防水加工により水に強い
・汚れを拭き取りやすい
・価格が安い
・デザインの選択肢が豊富
<デメリット>
・種類によって熱に弱い
・つなぎ目から水が入るとはがれやすい
値段、デザイン、清掃性に優れている一方で、防水加工がされていないつなぎ目などに水分が入ると、シートがはがれたり膨れたりしてしまうのが難点です。
安価な反面、定期的な交換が必要な素材といえるかもしれません。
木材
無垢材、あるいは合板でできた扉材です。一般的に、ウレタン塗装などで防水性を高めて使用します。木材のメリット・デメリットは以下のとおりです。
<メリット>
・木の温かみを感じられる
・経年変化を楽しめる
<デメリット>
・シミや傷がつきやすい
・お手入れが欠かせない
・天然木の場合は高価
木材の扉の魅力は、やはり自然素材ならではの趣。シミや傷はつきやすいですが、それを味わいとして楽しめる方に向いています。
メラミン化粧板
メラミン化粧板とは、樹脂を浸透させた紙を幾層にも重ねてつくった薄い板のこと。色や柄の印刷が可能で、表面が非常に硬質なため、キッチンの天板やテーブル、家具などにも広く採用されています。
メラミン化粧板のメリット・デメリットは以下のとおりです。
<メリット>
・耐久性・耐水性に優れている
・汚れを拭き取りやすい
・デザインの選択肢が豊富
<デメリット>
・経年劣化ではがれることがある
・化粧シートより価格が高い
化粧シートと似ていますが、機能性はメラニン化粧板に軍配が上がります。しかしその分、化粧シートより価格は高めです。
最近では、本物の木のような見た目のものも登場しています。
ステンレス
サビにくく熱にも強いステンレスは、キッチンの天板やシンク、調理器具などさまざまなものに使われています。機能性や耐久性が重視される厨房などでは、オールステンレスキッチンが主流です。
ステンレスのメリット・デメリットは以下のとおりです。
<メリット>
・水や熱に強い
・清掃性に優れ衛生的
・耐久性が高い
<デメリット>
・色はシルバーのみ
・細かい傷や凹みがつきやすい
・化粧シートや化粧板より高めの傾向
水まわりの素材として抜群の機能を発揮するステンレス。色はシルバー一択に限定されますが、そのスタイリッシュな質感に惹かれて選ばれる方が多い傾向です。
キッチンメーカーは、ステンレスキッチンを得意とするクリナップが有力です。
ホーロー
ホーローは、鉄などの金属にガラス質の釉薬(ゆうやく)を焼きつけた素材です。汚れを簡単に落とせたり、ニオイがつきにくかったりすることから、清潔に保ちたい場所で重宝されています。
ホーローのメリット・デメリットは以下のとおりです。
<メリット>
・水・熱・汚れに強い
・清掃性に優れている
・独特の光沢がある
<デメリット>
・表面のガラスが割れると、そこからサビてしまう
・価格は高めの傾向
油汚れにも強いホーローはキッチンに適した素材です。ただし、表面がガラス質であることから、衝撃にやや弱い素材であることは押さえておきましょう。
扉単体をホーロー素材に交換する場合は、費用が高くなりやすい傾向にあります。
塗装
天然木や集成材などの基材に塗装をほどこして仕上げる扉です。ウレタン塗装や、紫外線を照射して塗料を硬化させるUV塗装などがあります。
塗装のメリット・デメリットは以下のとおりです。
<メリット>
・光沢があり高級感がある
・硬くて傷がつきにくい(とくにUV塗装)
・色のバリエーションが豊富
<デメリット>
・加工に時間がかかる
・価格は高めの傾向
UV塗料では、ピアノのようなツヤを出すことも可能です。ただ、仕上げに時間がかかるため、長納期、高価格になりやすい素材でもあります。
マット仕上げなどもあり、いろいろな表情を楽しめるのも特徴です。
キッチン扉を交換する際の注意点
キッチン扉は、キッチン空間の印象を決める重要なパーツです。それだけに、交換時には注意したいポイントがいくつかあります。主な注意点を3つ見ていきましょう。
キッチン扉のみの交換は割高になる
キッチン扉のみの交換はオーダーメイドになりやすいことから、割高になる点に注意しましょう。
メーカーのなかには交換用のキッチン扉シリーズを展開しているところもありますが、今お使いのキッチンに対応する扉がラインナップされているとは限りません。経験上、廃盤になっていることのほうが多いです。
また、「オーダーメイドで割高であっても、不具合のある扉1〜2枚だけの交換であれば予算を抑えられるのでは」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
この場合、たしかに予算は抑えられますが、古い扉の劣化が目立ったり色のトーンが合わなかったりと、ちぐはぐな印象になってしまう可能性が高いです。結果として満足度が低いため、交換するのならすべての扉を交換することをおすすめします。
部分的に交換すると、新品の扉が浮いて見えてしまいます。
キッチン本体の交換も検討する
キッチン扉の表面や蝶つがいなどに不具合が起きているということは、キッチン本体も劣化している可能性があります。
見えないところでは、配管の劣化やレンジフードのモーターの劣化、ビルトイン食洗機やコンロの寿命が近づいていることもあるでしょう。あるいは、天板やシンクの汚れが落ちにくくなっていて、日々のお手入れにストレスを抱えている方もいらっしゃるかもしれません。
キッチン本体の使用感で気になる部分があるのであれば、扉の部分的交換より、キッチン本体を交換したほうが費用対効果が高いでしょう。
ちなみに、システムキッチンそのものを交換するときの費用は、シンプルなものであれば50〜60万円程度から可能です。
キッチン本体を新しくすると、収納力などもアップします!
キッチンリフォームの費用相場については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
キッチンリフォームの費用相場はいくら?価格帯別のリフォームもご紹介>>
施工は業者に依頼する
キッチン扉は、自分で塗装をしたりリメイクシートを貼ったりと、DIYで対応することも可能です。
しかし、水を頻繁に使うキッチンでは、仕上がりのきれいさが耐久性に直結します。きちんと施工できていない場合はすき間から水が入り、カビが発生したり扉の基材が傷んでしまったりすることも。シートを貼ってもすぐにはがれてしまうこともあるでしょう。
仕上がりや耐久性、施工の手間を総合的に考えると、専門業者へ依頼するのがおすすめです。
水まわりのリフォームが得意な会社に相談できると安心です。
キッチンの扉交換まとめ
キッチン扉が変わると、キッチン空間の印象はガラリと変わります。鈴与ホームパルでも扉交換に対応しているので、お気軽にご相談ください。
また、ご紹介したように、扉が劣化しているということは、キッチン自体が交換時期を迎えているケースが少なくありません。実際にキッチン本体を交換したお客様からは、「キッチンのお手入れが格段に楽になった」「デッドスペースがなくなり作業スペースが広くなった」などの声をいただいています。
現況調査をしたうえで、適切なリフォーム方法をご提案させていただきます。一緒に素敵なキッチンに仕上げていきましょう。