キッチンの床材で使われるタイルの特徴とは?ポイントを押さえてキッチンに取り入れよう
高級感があり、防水性の高いタイルは、キッチンの床材に適した素材です。デザイン性も優れているため、憧れを持っている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、はじめて取り入れる場合は、具体的にどんな性質を持つ素材なのか、ほかの床材とどう違うのかなど、いろいろと気になることがあるものです。
そこで今回は、床材としてのタイルの特長や注意点などを詳しく解説します。自分に合う床材かどうか、イメージしながら読み進めてみてくださいね。
キッチンの床材のタイルの特長
床材に使われるタイルには、「陶磁器製のタイル」と「フロアタイル」の2つがあります。後者は塩化ビニール製のためタイル風の床材ともいえますが、両者は似たような特長を持っています。
まずは、タイルが床材としてどのような機能を発揮するのかを見ていきましょう。主な特長は以下の3つです。
・耐水性に優れ、お手入れがしやすい
・耐久性に優れ、衝撃に強い
・デザインの種類が豊富
耐水性に優れ、お手入れがしやすい
タイルは耐水性の高い素材のため、水分や油汚れは表面をさっと拭くだけで取り除くことが可能です。とくに陶磁器のタイルは、シミが付いたり変色したりすることが滅多にないため、経年変化を感じにくい素材といえます。
また、フローリングのようにワックスがけの必要がなく、メンテナンスの手間や費用もかかりません。日常的なお手入れだけで、きれいな状態を保てる点は大きなメリットです。
タイルは掃除が楽な床材を求めている方にピッタリです。
耐久性に優れ、衝撃に強い
タイルは硬く、耐久性の高い素材のため、重いモノや鋭利なモノを落としてもダメージが少ないのも特長です。
たとえばフローリングやクッションフロアなどでは、重たい調理器具や包丁を落とすと、凹んだり傷が付いたり、破れてしまうこともあります。見た目を損なうだけでなく、傷に汚れや水が入るとカビの原因になってしまうことも。
タイルではこういった心配が少ないため、安心して使うことができます。キャスター付きのワゴンもストレスなく動かせるでしょう。
とくに陶磁器製のタイルは耐久性が高く、長寿命な素材です。
デザインの種類が豊富
タイルはデザインのバリエーションが豊富です。とくにフロアタイルは、テラコッタ調、ファブリック調、セメント調、大理石調など多数の種類が展開されています。
カラーもグレーやベージュ、ホワイトといったナチュラルな色合いから、ダークグレーや黒といったモダンなカラーまでさまざま。組み合わせ方は無限にあるため、空間に合ったタイルが必ず見つかるでしょう。
タイルはインテリアの一部になります!
キッチンの床材をタイルにする場合の注意点と対策
キッチンの床材として優秀なタイルですが、デメリットも存在します。注意点と対策を見ていきましょう。
・足元が冷えやすい
・目地に汚れが溜まる
・素材によっては滑りやすい
・リビングやダイニングと調和が取れないことがある
・モノを落とすと割れてしまう可能性がある
・価格が高価
足元が冷えやすい
夏はヒンヤリとして気持ちのいいタイルですが、冬は冷たさが際立ち、キッチンに立つのが辛く感じることがあります。とくに陶磁器製のタイルは冷えやすいため、何らかの寒さ対策が欠かせません。
■対策
・厚手のスリッパを利用する
・キッチンマットを敷く
・暖房器具を置く
・床暖房対応のタイルを選び、床暖房を設置する
寒さ対策としては、スリッパやキッチンマットなどでタイルの冷たさを足に伝えない方法と、暖房機器で足元やタイル自体を暖める方法があります。
床材をタイルにする場合は、床暖房を同時に導入することも少なくありません。トータルの予算を考慮して検討しましょう。
ショールームなどで質感を確かめると、どのくらい冷えるのかイメージしやすくなります。
目地に汚れが溜まる
冒頭でご紹介したとおり、タイル自体は汚れに強い素材です。しかし、目地や境目が汚れやすいといったデメリットがあります。放置するとカビが発生することもあり、せっかくのデザイン性が損なわれてしまいます。
■対策
・防カビ・防汚機能のある目地材を選択する
・汚れが目立たない色の目地材を選択する
・サイズが少し大きいものを選び、すき間を減らす
・定期的に掃除を行う
まずは、目地材の選び方を工夫しましょう。目地の汚れは多くの人の悩みのタネですから、メーカーでもそれに応じた製品を展開しています。目地材の色は、ダークグレーやブラックを選ぶと汚れが目立ちにくいでしょう。
また、フロアタイルの場合は、タイルのサイズを大きくして、すき間そのものを少なくする方法も有効です。
タイルの床材にリフォームするときは、目地のお手入れ方法も一緒に教えてもらいましょう。
素材によっては滑りやすい
表面がつるっとしたタイルは、ほかの床材より滑りやすいというデメリットがあります。水分や油が付着していると、さらに滑りやすくなるため注意が必要です。硬質なタイルの上で転倒すれば、大きなケガにつながることもあります。
■対策
・滑りにくいタイルを選択する
・キッチンマットを敷く
・水をこぼしてしまった際にはすぐに拭く
・油を使う料理をした際はアルコールなどで拭く
フロアタイルの場合、表面がざらざらしたものを選ぶと滑りやすさを回避しやすくなります。また、よく歩く部分にキッチンマットを敷くだけでも、滑り防止になるはずです。
基本的なことですが、水がこぼれたり油がはねたりしたときは、すぐに拭き取ることも大事です。タイルの床材を選んだ場合は、こまめに拭く習慣を身につけるといいでしょう。
リビングやダイニングと調和が取れないことがある
リビングやダイニングはフローリングであることが多いため、キッチンに異素材であるタイルを取り入れると、ミスマッチに感じてしまうことがあります。調和が取れない要因は2つあり、1つは色や柄の選び方、もう1つは段差ができてしまうことです。
■対策
・見切り材を取り入れる
・リビングと同じ素材にする、あるいは色や柄をそろえる
タイルとフローリングでは素材の厚みが異なるため、フローリングとの接触部分はどうしても段差が生まれてしまいます。この段差を解消するのが「見切り材」という部材です。木工事などで床の厚みを調整するよりも費用を抑えられておすすめです。
リビングやダイニングとの一体感を求めるのであれば、リビングの床材とそろえる、色や柄を同一系統にするなどの工夫が必要です。
どんな空間にしたいか、リフォーム会社の担当者に伝えることも大事です。
モノを落とすと割れてしまう可能性がある
タイルは硬く耐久性がある点がメリットですが、ガラスや陶器などの食器類を落とすと割れてしまうことが多いです。破片が飛び散ることもあり、小さなお子さんがいるご家庭はとくに注意していただきたいポイントです。
■対策
・キッチンマットを敷く
・別の床材も視野に入れる
キッチン空間がコンパクトであれば、家事動線に緩衝材となるキッチンマットを敷くことで、ある程度軽減することは可能です。破片によるケガが心配という方は、タイル以外の床材も検討したほうがいいでしょう。
選択肢としては、フローリングやクッションフロア、コルクタイルなどがあります。
価格が高価
施工する面積やタイルのグレードによって異なりますが、キッチンの床材をタイルにするときの費用は、30万円~100万円程度が目安です。とくに陶磁器製のタイルは施工に手間がかかることから、高額になる傾向があります。
■対策
・費用対効果やトータルコストで考える
タイルは初期費用こそ高めですが、メンテナンス費用がほとんどかかりません。また、陶磁器製のタイルは耐用年数が長いため、ほかの床材よりもトータルのリフォーム費用は少なくて済むでしょう。高いか安いかは、費用対効果や相対的なコストで考えることが大事です。
費用が高いと感じるときは、一部分にだけアクセントとして取り入れるのもアリです。
キッチンの床材をタイルにする際は業者に依頼する
タイルの雰囲気を出しつつ、できるだけ価格を抑えたい場合は、フロアタイルがおすすめです。なかでも裏面がシール状になったタイルシートを選べば、より安価に導入できます。
ただし、フロアタイルであってもDIYできれいに仕上げるのは難しいものです。既存の床の上にタイルを貼る場合でも、歪んだりすき間ができてしまうことが少なくありません。すき間から水が侵入すれば、床下地の腐食やカビの発生にもつながります。
キッチンの床材のリフォームは、リフォーム会社に依頼するのがおすすめです。
タイルやフロアタイルのメリット・デメリットや、キッチンに適したタイル以外の床材を紹介している記事もございます。こちらも参考にしてみてください。
キッチンの床材は何がいい?おすすめの素材や選ぶときのポイントとは >>
キッチンの床材・タイルのまとめ
タイルは丈夫で清掃性に優れた素材であるともに、色や柄のバリエーションが豊富です。キッチン本体や壁の色とも合わせやすく、デザイン性に富んだキッチン空間をつくることができます。
そのためタイルの床材は、高級感のある仕上がりを求めている方、デザイン性を重視したい方に向いています。実際にタイルの床材にリフォームされたお客様からは、お喜びの声をいただいています。
鈴与ホームパルでは、お客様のご希望やご要望に丁寧に向き合うことを大事にしています。どんなささいなことでも構いません。お困りごとがありましたら、お気軽にお声がけください。