キッチンの天板はどれがおすすめ?8つの素材の特徴を比較しよう
キッチンの天板とは、シンクとコンロをつなげるカウンター面のことで、ワークトップとも呼びます。調理したり料理を盛り付けたりするときの作業台となるため、自分に合った素材を選びたいですよね。
そこで今回は、キッチンの天板の材質ごとの特徴、選ぶときのポイントをご紹介します。気になる素材が見つかったら、ショールームに行って実物をチェックしてみましょう!
キッチンの天板の素材は主に8種類
キッチンの天板に適した素材は主に8種類あり、それぞれ異なる特徴をもっています。
・ステンレス
・人工大理石
・クォーツストーン
・セラミック
・天然石
・タイル
・メラミン
・木材
キッチンメーカーで取り扱いのある素材と、造作キッチン向けの素材とに分けてご紹介します。
システムキッチン・メーカーで取り扱いのある素材
システムキッチン・メーカーで取り扱っている天板は、「ステンレス」「人工大理石」「クォーツストーン」「セラミック」が主流です。
このうち、特に人気なのがステンレスと人工大理石。当社では、9割の方がいずれかを選んでいます。
ステンレス
メリット | ・サビにくく汚れに強い ・耐熱性に優れている ・安価 |
デメリット | ・水アカが目立つ ・傷がつきやすい ・へこみやすい |
ステンレスは、「ステン=サビ・汚れ・シミ」が「レス=少ない」という意味を持つ金属のこと。飲食店の厨房などでも広く使用されており、天板として最もスタンダードな素材です。
サビや汚れ、熱に強いため、キッチンの天板の役目をしっかりと果たしてくれます。コストパフォーマンスに優れている点も人気の理由のひとつです。
一方、水アカが目立ちやすく、表面に傷がつきやすい点がデメリットです。きれいな状態を保ちたければ、掃除の仕方を工夫してみるといいかもしれません。
ただ、グレードの高いシステムキッチンの中には、水アカや傷がつきにくい加工が施されているものもあるため、選び方によって解消できます。
ステンレス自体は熱に強いものの、高温のものを置いた場合、天板の下の木材を傷めてしまうことがあります。
人工(人造)大理石
メリット | ・カラーやデザインのバリエーションが豊富 ・天然石のような風合いを楽しめる ・清掃性に優れている |
デメリット | ・黄色く変色することがある ・耐熱性がやや低い ・食器を落とすと割れることがある |
人工大理石とは、樹脂を着色し、大理石の模様を再現した人工素材のことです。
カラーやデザインの種類は他の素材と比べて圧倒的に豊富で、特にホワイト系や石目調のものが人気です。汚れがついてもさっと拭くだけできれいになるので、お手入れのしやすさ魅力のひとつ。
しかし、耐熱温度が200℃程度のため、それ以上の温度のものを置くと変色する可能性があります。たとえば熱いフライパンを直置きすると、黄色く変色してしまうため注意しましょう。
また、人工大理石は金属よりも硬度が高いため、食器などのガラス製品を落とすと割れてしまうことがあります。
明るい色合いのものを選べば、キッチンの雰囲気も明るくなります!
クォーツストーン
メリット | ・カラーやデザインのバリエーションが豊富 ・高級感がある ・汚れや水分が染み込みにくい ・清掃性に優れている |
デメリット | ・価格が高め ・取り扱いメーカーが少ない ・食器を落とすと割れることがある |
クォーツストーンも人工大理石の一種ですが、クォーツという天然石を約90%以上含んでいるため、より天然素材に近く、高級感のある素材です。
前述した人工大理石と同様、カラーやデザインの種類が豊富です。汚れや水分が染み込みにくい、清掃性に優れているなど、高い機能性を有しています。
一方、天然石の含有率が高いことから、価格はそれなりに高めです。取り扱いメーカーも限られています。
ただ、天然石よりは安いため、「天然石の天板に憧れるけど、高くて手が出ない」という方にはぴったりです。ショールームで実際に質感を確かめてみましょう。
見た目の美しさから、調度品やアクセサリーにも使われています。
セラミック
メリット | ・高級感がある ・熱に強い ・傷、シミがつきにくい ・清掃性に優れている |
デメリット | ・高価格 ・人工大理石などに比べてデザインのバリエーションが少ない |
セラミックとは、金属ではない無機物を成形し、高温で焼いて仕上げたものをいいます。天板として使われるもののなかでは比較的新しい素材です。
焼き物に分類されるセラミックは、凸凹とした質感や自然な色合いが大きな魅力。加工の際に高温で焼き上げているため当然熱に強く、熱したフライパンを置いても変色しません。
また、まな板なしで包丁を使っても傷がつきにくく、調味料や洗剤の染み込みがないため、お手入れも簡単です。
デメリットがあるとすれば、価格が高いこと。値段を気にせず機能性・意匠性の高いキッチンにしたい方に向いているでしょう。
セラミックは、天板の素材としては高級ラインに位置します。
造作キッチン向けの素材
続いて、造作キッチン向けの天板の素材を見ていきましょう。メーカータイプよりも費用が高くなりやすかったり、機能性の違いが大きかったりすることがありますが、こだわりを取り入れやすい点が魅力です。
天然石
メリット | ・高級感がある ・耐久性、耐水性、耐熱性が高い ・清掃性に優れている |
デメリット | ・高価格 ・種類によって水分を吸収しやすい |
天板として使われるのは、主に御影石や大理石です。石柄はどれとして同じものはなく、その風合いやデザイン性は唯一無二といえます。
特に、墓石や外壁としても使われる御影石は、非常に耐久性の高い素材です。直射日光を浴びても、めったなことで劣化しません。磨くと艶が出るため、使うたびに愛着が湧くでしょう。
一方、大理石は水分を吸収しやすい性質があるため、表面をコーティングするなどの処理が必要です。
また、天然石は重量があることから、運搬費や施工費が追加でかかることがあります。そのため、費用は高額になることが多いです。
化学物質を含まない点も魅力です。
タイル
メリット | ・耐熱性や耐水性に優れている ・傷や汚れに強い ・カラーバリエーションが豊富 |
デメリット | ・掃除がしにくい ・目地部分にカビや黒ずみが発生する ・重いものを落とすと割れる可能性がある |
タイルは熱、火、水に強く、機能性に優れた素材です。お風呂の壁や床、外壁にも広く用いられています。色のバリエーションが豊富で、組み合わせの自由度も高いことから、オリジナリティのあるキッチンにしたい方に好まれています。
タイル自体が劣化することは少ないですが、目地部分にカビや黒ずみが発生しやすく、お手入れに手間がかかる点はデメリットです。また、重いたいものを落とすと割れてしまうことがあります。
職人が一枚一枚張っていくため工期は長くなりますが、手作りの良さを味わえます。
メラミン
メリット | ・無地や木目調などデザインのバリエーションが豊富 ・費用もあまり高くない |
デメリット | ・耐熱性がない ・経年劣化しやすい ・木材に比べると自然な素材感が劣る |
メラミンは、耐久性のある樹脂の一種です。天板では、紙と樹脂でできたメラミン化粧板というものを板に接着してつくられます。家具の装飾としては一般的な素材であるため、馴染みのある方も多いでしょう。
メラミン化粧板の柄は印刷が可能なため、多彩なデザインを楽しめ、まるで本物の木のような木目の柄も存在します。価格も安いため、費用を抑えたいときには有力な選択肢となるでしょう。
日々のお手入れも簡単で使い勝手のよい素材ですが、経年劣化による剥がれや、熱による変色が起こりやすい点がデメリットです。
「お手頃価格で木の雰囲気を取り入れたい」というときに便利な素材です。
木材
メリット | ・自然ならではの美しい風合いを楽しめる ・自分で加工、メンテナンスができる |
デメリット | ・機能面で優れていない ・腐食する可能性がある |
最後は、木材の天板です。1本の木から切り出した一枚板と、複数の板を接着した集成材の2種類があり、それぞれ趣が異なります。
木材の魅力は何といっても、美しい木目と温かみのある質感です。木のやさしい香りにも癒されます。
ただ、水を吸収する、火に弱い、湿気で変形・腐食することがあるなど、キッチンの天板としては取り扱いが難しい素材でもあります。
しかし、自分で加工やメンテナンスができるため、お手入れが苦にならない方であれば、長く愛着をもって使うことができるでしょう。
経年変化を楽しめる方に向いています。
キッチンの天板を選ぶときのポイント
どの素材にもメリット・デメリットがあるため、どれが自分に合っているのか迷ってしまうことは少なくありません。ここでは、素材選びをスムーズに行うためのポイントをご紹介します。
何を重視したいか
キッチンの天板は「何を重視したいか」を考えることで選びやすくなります。
たとえば、「費用は抑えたいけどデザイン性も重視したい」という場合は、メラミンやステンレスが候補に挙がるでしょう。「費用は気にせず機能性を最優先したい」のであれば、セラミックや天然石が向いているのかもしれません。
そのほか、「汚れが目立ちにくいものがいい」「高級感のあるデザインにしたい」など、人によってさまざまな思いがあるはずです。何を重視したいかを考えてみると、素材だけでなく色も決まってくるものです。
インテリアやキッチンシンクとの相性
天板は見える範囲が多いことから、「キッチンの顔」といってもいいほど、キッチンの印象を左右します。特に対面キッチンの場合は、キッチンのデザインが空間全体に影響してくるものです。
そのため、リビングなどのインテリアや内装との親和性を考えることも大切です。「インテリアと相性のいい素材はどれか」「壁紙と調和する色はどれか」といった視点で選ぶと、スムーズに決まることがあります。
また、キッチンシンクの素材との相性をベースに考えるのもおすすめです。たとえば同一素材にすれば、キッチンに一体感が生まれます。加えて、天板とシンクの継ぎ目がなくなるため、掃除もしやすくなります。
リフォーム会社の担当者と相談しながらコーディネートしていきましょう。
キッチンシンクの素材選びについては、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
キッチンシンクの素材選びに悩んでいる方必見!素材ごとの特徴や選ぶときの考え方をご紹介 >>
お手入れ・汚れの目立ちにくさ
耐久性や耐熱性といった性能のほか、キッチンは毎日使う場所だからこそ、お手入れのしやすさ・汚れの目立ちにくさも重視したいポイントです。
キッチンリフォームの相談に来られた方に、どんなキッチンがいいか尋ねると、「お手入れがしやすいキッチン」と答える方は多いです。
ショールームで実物に触れて、傷や汚れが目立ちにくいか、掃除がしやすいかといった点を確認しましょう。その際、お手入れ方法や薬剤に対する耐久性なども確認できると安心です。
キッチンの天板まとめ
キッチンの天板の素材ごとの特徴、選ぶときのポイントをご紹介しました。天板の素材によって、キッチン空間の印象や使い勝手は大きく変わるものです。
天板は素材の種類はもちろん、色の選択肢も多いため、重視したいポイントをまとめても迷うことがあると思います。そんなときは、遠慮なく当社のリフォームアドバイザーにご相談ください。キッチンのリフォーム事例や、リフォームされた方の感想などもお伝えしながら、より良い選択ができるようサポートさせていただきます。