押入れをクローゼットにリフォーム!【収納の在り方を考えるvol.1】
布団の収納に活躍する押し入れ。使い勝手が制限されてしまうことから、クローゼットにする方も増えています。またテレワークの普及に伴い、書斎やワークスペースへのリフォームを検討する方も。
整理収納アドバイザーの藤野ことさんに、「収納の在り方」をテーマにお話いただくこの企画。今回は「押入れのリフォーム」をテーマにお話を伺いました。
押入れをクローゼットにリフォーム
押し入れをクローゼットにする理由としては、和風から洋風、または家族の構成といったライフスタイルの変化が影響しています。
ライフスタイルの変化と押入れ収納の相性
普段ベッドで寝ており、布団を使う機会が少ないご家庭では、クローゼットにリフォームするメリットが大きいです。
— 押し入れからクローゼットへのリフォームされる方はどの程度いらっしゃいますか?
具体的な人数は分からないのですが、「押入れをクローゼットにリフォームしたい」とおっしゃる方は増えてきていますね。
押入れは二段ある分、収納できるモノが限られてしまうので、クローゼットにリフォームすることで収納がしやすくなりますね。
押入れをクローゼットにしたいというご相談は、築年数が古い一軒家のお客様からいただくことがほとんど。
時間の経過とともに、家の雰囲気が和風から洋風に変わっていることも影響していると思います。
いまお住まいの住宅を洋風化して収納の利便性を高めたいことから、押入れをクローゼットにリフォームする方が多い理由になります。
ファミリークローゼットへのリフォーム
ファミリークローゼットへのリフォームは、家事の時短にもつながります。
— 最近では、ファミリークローゼットの需要も高まっているんですよね。
ファミリークローゼットの一番の魅力は、家事動線が短縮できること。洗濯物を各部屋へ置きに行く必要がないので、時短にもつながります。また、衣装ケースだと必要になる衣替えの手間も省けるのも嬉しいポイントです。
「(反抗期など)子どもが大きくなったときに大丈夫?」と不安な方もいると思いますが、ファミリークローゼットを利用する生活に慣れてしまえば、お子さんが大きくなっても心配は要りません。
せっかく押入れをクローゼットにリフォームするなら、家事動線を改善できるファミリークローゼットも1つの選択肢です。
家族構成によって必要なスペースが異なりますので、リフォーム可能かどうか、担当者の方に相談してみてくださいね。
布団を収納するなら押入れはあり
押入れをクローゼットにリフォームするメリットを紹介しましたが、そのまま残しておくメリットもあります。
— 押入れをそのまま残しておくことについて、メリットはあまりないのでしょうか?
ベッドで寝る人は増えていますが、布団を敷いて寝る人もいると思います。
クローゼットに布団をしまう場合、布団圧縮袋や布団収納グッズなどを使って収納する必要があるのでかえって手間になってしまいます。
押入れは布団をしまうのに適した収納スペースだと話す藤野さん。
ご高齢の方と一緒にお住まいだったり“和室を残したい”というお気持ちがあったりする場合、押入れを無理にリフォームする必要はないと思います。
利便性も大切ですが、居心地の良さも家という空間で大切にしたいポイントです。
押入れからクローゼットへのリフォーム費用
押入れのリフォームにかかる費用は、押入れの形状や広さによって異なります。
— 実際、押入れをリフォームにするときの工事費用はどの程度になるのでしょうか?
押入れスペースの形状や広さにもよるのですが、基本的には以下のような工事が必要になります。
【工事項目】
・押入れを解体、撤去する
・壁、床を補強する
・扉材本体や取り付け工事
・棚板やパイプの設置
・その他養生など
広さによって予算感は異なるので、一概に考えるのは難しいのですが、10万円でできる場合もあります。
— 確かに収納スペースの広さによって変わってきますよね。「なるべく費用を抑えたい…」という方も多いと思うのですが、そういった部分も相談できるのでしょうか?
やはり費用はお客様にとって気になるポイントです。
当社ではリフォームにあたって、工事内容・お見積りをご提案させていただいてから最終的なプラン確定までは、だいたい3回ほどお打ち合わせをさせていただいております。
1回のお打ち合わせで1時間~2時間ほどお時間をいただくので、工事内容・予算ともにお客様が納得したうえでリフォームを進めることを大切にしています。
— リフォームの相談に時間をかけて親身に聞いていただけるのは嬉しいですね。
収納スペースを広げるすべてのリフォームに共通しますが、鈴与ホームパルではご相談いただいたお客様に対して「必要なモノ・不要なモノ」の整理からお手伝いします。お見積りの前に本当に必要な収納スペースの広さをお客様と一緒に考えます。
どう収納するかも大切ですが、収納の基本は、必要なモノと不要なモノを整理することから始まりますね。
収納スペースを増やしたとしても、モノが減らなければスペースがすぐに埋まってしまいます。
ストックを置きすぎていないか、使用期限が過ぎたものがないかなど、収納しているアイテムの必要の有無を確認しましょう。
押入れを書斎にリフォーム
押入れをクローゼット以外の用途としてリフォームしたい方も。
これはテレワークの推進によって、ワークスペースの確保したい方も増えてきているからだと、考えられています。
— 書斎やワークスペースなど、クローゼット以外の用途としてリフォームしたい方はいますか?
押入れを書斎にしたいといったご相談は、当社の事例としてまだありません。ただ、在宅勤務やテレワークが増えているので、今後は押入れを書斎にしたい人は増えそうですね。
押入れってワークスペースにちょうどいいスペースなんです。ちょっとした作業なら気にならないのですが、リビング・ダイニングでオンライン会議したり、本格的に仕事したりするのは難しいですよね。
— ホームパルさんでは書斎へのリフォームもできますか?
工事はまったく問題ありません。押入れの建具や障子をすべて取っ払ってスペースを確保したり、本棚などの造作家具を作ったりすることもできます。
今後もテレワークが普及していき、押入れを書斎・ワークスペースにする方も増えることが想定されます。
鈴与ホームパルでは、どういった場所にしたいか、お客様のご要望を丁寧にヒアリングさせていただきます。
まとめ
自宅の押入れの収納に不満を抱えているときは、クローゼットへのリフォームがおすすめです。
お子さまが小さく、一緒に暮らす期間が長いご家庭なら、ファミリークローゼットを候補に入れてみてはいかがでしょうか?動線を考えてリフォームすることで、日々の家事も効率よく進められます。
「押入れをリフォームして、収納スペースを広げたい」と考えている方は、モノが溢れていないか、不要なモノがないかを確認してみましょう。
この記事のポイント | ・押入れをリフォームするならファミリークローゼットがおすすめ ・布団で寝る習慣があるご家庭なら押入れ収納はあり ・書斎へのリフォームはトレンドになりうる |
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【この記事を監修した人】
藤野こと
整理収納アドバイザー・住宅収納スペシャリスト・ライター。モノの多すぎる家を改善するために整理収納アドバイザーの資格を取得。片付けの資格と主婦歴20年以上の経験を活かしたライフハック、片付けや家事に関する記事を多数執筆。“家事は素早くラクに!”をモットーとした収納を提案しています。
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