押入れをクローゼット化するリフォーム方法や費用相場を紹介
押入れは、リフォームによってクローゼットにすることが可能です。
押入れが物置状態になっていたり、収納スペースとして使いづらかったりする場合、クローゼット化を検討するきっかけになるでしょう。また、クローゼットだけではなく、作業スペースやリビングの拡張などに利用することも可能です。
本記事では、押入をクローゼット化する方法や、クローゼット化以外の選択肢、リフォームに際して注意するべき点などについて解説します。
押入れをクローゼット化する方法
押し入れをクローゼット化する方法には、簡易的なものからスペースの拡張を要するものまで、いくつかの選択肢があります。リフォーム後のクローゼットをどのように使いたいのか、どんな機能を求めているのかによって、最適な方法は異なってきます。
ここでは、押入れのクローゼット化の代表的な方法を、3つ見ていきましょう。
簡易的なクローゼットにする
簡易的なクローゼットで十分な場合は、押入れの中棚を取り外して、ハンガーパイプを設置するだけというシンプルな工事で対応できます。費用は3~10万円前後でおさまるでしょう。
中棚をなくすことで、コートのような丈の長い洋服も収納できるようになります。襖の交換はしませんが、取り外してレースなどで目隠しすることも可能です。最もシンプルな施工方法なので、費用を抑えやすく、工期も短く済むことが特徴です。
一般的なクローゼットにする
押入れのリフォームで主流となっている方法が、一般的なクローゼットへの変更です。しっかりとクローゼットとして活用したい人に適した方法です。
具体的な施工内容は以下のとおりです。
・襖を引き戸や折れ戸に変更する
・中棚を取り外す
・ハンガーパイプを設置する
・壁や床の補強
簡易的なクローゼットと比較すると、工数が増える分、費用も少し高額になります。10~25万円が目安となるでしょう。また、必要に応じて高さ調整のできる棚を追加すると利便性が上がります。
鈴与ホームパルにご相談いただくお客様は、簡易的なクローゼットまたは一般的なクローゼットへのリフォームを実施するケースが多いです。
ウォークインクローゼットにする
押入れのスペースを拡張して、ウォークインクローゼットにリフォームする方法です。
ウォークインクローゼットとは、人が歩くスペースのある小部屋のようなクローゼットのことで、一般的なクローゼットよりも多くの衣類を収納できます。引き出しや棚、ハンガーパイプなども設置すれば、より利便性の高い収納スペースを作ることができるでしょう。
押入れの広さでは収納が足りない、使っていない和室のスペースを有効活用したい、便利な収納スペースが欲しいという人に適した方法です。
ウォークインクローゼットにする場合、工事にかかる費用の相場は30~50万円程度です。広さを確保するために間取りを変更する必要があるため、工事が大規模になり、費用も高額な傾向にあります。
押入れはクローゼット以外にもリフォームできる
押入れのリフォームは、クローゼットにする以外にも以下のような選択肢があります。
・テレワークなどの作業スペースにリフォームする
・押入れを撤去して部屋を広くする
それぞれ解説します。
テレワークなどの作業スペースにリフォームする
押入れならではの奥行きを活かして、テレワークなどの作業スペースにリフォームする方法もあります。近年のテレワークの普及を受けて増えたケースです。費用は20~50万円が目安となるでしょう。
工事の際には、中棚を撤去したうえで、押入れ内の床や壁を張り替えたり、作業台を設置したりします。パソコン作業や照明の設置を考慮し、電源を増設する場合もあります。
あえて扉を設置せず、開放的な空間にすることも可能です。テレワークや読書などに活用できる、小さな作業スペースが欲しい人におすすめの方法です。
押入れを撤去して部屋を広くする
住居内の収納スペースとして使う必要がなければ、押入れを撤去して部屋を広くするという選択肢もあります。費用相場は5~20万円です。
ただし、押入れの床は人が歩くように施工されていないことも多いので、床の補強工事が必要になる場合があります。また、押入れと部屋の空間をなじませるために、壁紙や床材を変える必要もあるでしょう。
状況によっては部屋全体の改修が必要になることも考えられるため、リフォーム会社と相談して進めるのがおすすめです。
お住まいの収納スペースが十分に足りている場合には、クローゼット以外のリフォームを検討してみるのもおすすめです。
押入れをリフォームする際の注意点
押入れのリフォームを検討する際には、床の補強工事や湿気対策など、押入れならではの特性を理解した上で、リフォームを進めていく必要があるでしょう。ここでは、押入れをリフォームする際の注意点を5つ紹介します。
床の補強工事が必要になる場合がある
押入れの主な用途は布団の収納です。そのため押入の床は、人が歩くために必要な強度を備えていない可能性があります。
そのようなケースでウォークインクローゼットや作業スペースにリフォームするためには、床の補強工事が必要になるでしょう。費用をカットしようと補強工事を省くと、使っている際に床が抜けるといったトラブルが起こる恐れがあります。
また、リフォームをきっかけに、床下のシロアリ被害に気づくことも少なくありません。
床の補強工事や床下の調査が必要になるかは、築年数や床の状態によって異なるので、リフォーム会社に現地で見てもらうのがよいでしょう。
湿気や結露対策を行う
押入れには空気の通り道がないため、湿気や結露によるカビなどが発生し、傷んでいることがあります。カビが発生しやすい環境を放置すると、収納している物に付着するだけでなく、健康被害につながる恐れがあります。
クローゼットにリフォームした場合も閉めておくことが多くなるため、湿気対策が重要です。結露の対策として断熱材を入れたり、防カビ作用のある壁材や吸放湿性に優れた壁材を使ったりするのがおすすめです。
適切な扉タイプを選ぶ
押入れからクローゼットにする場合、扉の主な選択肢は下表の3つです。
扉タイプ | メリット | デメリット |
折れ戸 | 開口部が広い傾向があるので、大きな荷物の出し入れがしやすい | クローゼットの前に扉1枚分ほどのスペースが必要 |
引き戸 | スライドして開けるので、開閉にスペースがいらない | 扉の枚数によっては開口部が狭くなって、大きな荷物の出し入れが難しくなる |
開き戸 | 扉が大きく開くので、クローゼットの中が見えやすい | 他の扉タイプより、開閉に十分なスペースが必要 |
それぞれメリット・デメリットが異なるため、押入れのある部屋の特徴や用途に応じて適切なタイプを選ぶことが大切です。
コンセントの要・不要についても考える
リフォーム後のクローゼットにコンセントを増設すると、活用の幅が広がります。
例えばコードレス掃除機やロボット掃除機を収納する場合、コンセントを増設し、クローゼット内で充電できるようにしておくと便利です。
他にもプリンターなど「毎日使うわけではないが、必要なときにはすぐに使いたい」という電化製品がある場合も、コンセントが活躍するでしょう。
また、クローゼット内に照明をつけて使いやすくするケースも増えています。センサーライトを設置しておくと、扉を開けた時にすぐに点灯するため、使い勝手が向上するでしょう。
とはいえ、コンセントの増設には追加費用がかかります。使用用途によって、要・不要の判断をしてください。
ベニヤ板の特性を理解しておく
押入れの内側はベニヤ板が使用されていることが多いです。ベニヤ板の特性上、衣類をケースなどに入れずむき出しの状態で収納しておくと、衣類が変色するおそれがあります。
また、長年使用して湿気を含むと、ベニヤ板の表面が剥がれ、衣類を取りだす際に引っかかってしまう事態が想定されます。
大切な洋服を安心してしまっておけるよう、壁紙を張り替えるなど、内側のリフォームにも目を向けることが大切です。
押入れとクローゼットでは、つくりが異なります。そのため、クローゼットにリフォームするとスペースが狭くなるのが一般的ですが、使い勝手がよくなるため収納力は上がります。
まとめ
押入れをクローゼット化する際には、なぜリフォームしたいのか、リフォームしてからどのように使いたいのかを考えることが大切です。それにより、最適なリフォーム方法が変わってきます。
クローゼットにする場合、簡易的なものやウォークインクローゼットなど、いくつかの選択肢があります。また、押入れはクローゼットにする以外にも、テレワークなどの作業スペースにしたり、ただ撤去したりすることも可能です。
リフォームを進める上では、床の補強工事や湿気対策、扉のタイプ選び、コンセントの要・不要の検討、ベニヤ板の特性理解など、押入れならではの注意点があります。
鈴与ホームパルでは、経験と知識が豊富なアドバイザーがお客様にぴったりのプランをご提案します。押入れの活用にお悩みの場合は、ぜひ一度ご相談ください。
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