【2025年版】窓のリフォームに活用できる補助金制度

窓のリフォームには、室内の断熱性を高め、冬は暖かく夏は涼しい快適な住環境を実現できるメリットがあります。
一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会の調査によると、室内外の熱の多くは窓などの開口部を通じて出入りしていることが分かっています。窓のリフォームで断熱性能を改善することで、光熱費の削減が期待できます。さらに、防音効果もあるため、住環境の向上を図ることも可能です。
このように多くのメリットがある窓のリフォームですが、費用の負担が大きな課題となることもあるでしょう。そのようなときに活用したいのが、国や自治体が提供する補助金制度です。
本記事では、2025年に利用できる最新の窓リフォーム補助金について詳しく解説します。
窓のリフォームに活用できる2025年度の補助金制度
窓のリフォームに活用できる2025年度の補助金制度として、国が実施する「先進的窓リノベ2025年事業」や「子育てグリーン住宅支援事業」、各自治体の補助金制度が挙げられます。
主な補助金制度の概要は、以下の通りです。
制度名 | 補助額 |
先進的窓リノベ2025年事業 (住宅省エネキャンペーン) | 上限200万円/戸 |
子育てグリーン住宅支援事業 (住宅省エネキャンペーン) | リフォーム内容に応じて上限40万円または60万円/戸 |
地方自治体独自の補助金制度 | 自治体による |
加えて、以下の「税の特例措置」を活用することで、所得税や固定資産税の減税も受けられるようになり、リフォームにかかる費用負担を軽減できます。
住宅のリフォームに係る税の特例措置 | <所得税> ■住宅ローン減税 ローン残高の0.7%を10年間控除(最大控除額140万円) ■リフォーム促進税制 定められた工事限度額の10%を1年間控除 (条件を満たすことで、超過分および、その他増改築に対しても5%控除) <固定資産税> リフォーム内容に応じて3分の1または3分の2の割合を1年間減額 |
ここでは、各補助金制度の詳細について見ていきましょう。
先進的窓リノベ2025年事業(住宅省エネキャンペーン)
「先進的窓リノベ2025年事業」は、国土交通省・経済産業省・環境省の3省が連携して実施する「住宅省エネキャンペーン」の一環として、窓のリフォームに特化した補助事業です。

高い断熱性能を持つ窓へのリフォームを対象に、1戸あたり200万円を上限に補助が受けられます。
ただし、補助額は単純に工事費の一部が支給されるわけではなく、以下の4つの基準に基づいて補助単価が決定されます。
・窓リフォームの方法
・住宅の種類(戸建て・集合住宅)
・窓のグレード
・窓のサイズ
これらの条件に応じて補助額が算出され、上限200万円まで補助される仕組みです。
補助単価は以下のように設定されています。

窓リフォームの方法ごとの特徴は、以下の通りです。
リフォーム方法 | 特徴 |
ガラス交換 | ![]() 引用:対象工事の詳細【ガラス交換】|先進的窓リノベ2025事業 既存のサッシを活用し、ガラスのみを交換する方法。窓の性能により断熱性能が向上する。 |
内窓設置 (50㎝以内の設置が条件) | ![]() 引用:対象工事の詳細【ガラス交換】|先進的窓リノベ2025事業 既存の窓の内側にもう1枚窓を設置する方法。断熱性・防音性が高い。窓が2重になるため、頻繁に開け閉めする箇所へ取り付ける場合は、よく検討する必要がある。 |
外窓交換 (カバー工法) | ![]() 引用:対象工事の詳細【ガラス交換】|先進的窓リノベ2025事業 既存の窓枠の上から新しい窓枠を設置する方法。窓の性能により断熱性能が向上するものの、商品によっては窓のサイズが小さくなることがある。 |
外窓交換 (はつり工法) | ![]() 引用:対象工事の詳細【ガラス交換】|先進的窓リノベ2025事業 既存の窓枠を外壁ごと取り外し、新しい窓枠を設置する方法。窓のサイズを変更できる点が特徴。 |
窓の断熱リフォームの種類と費用目安!断熱のポイントも解説>>
その他、先進的窓リノベ2025年事業を利用するにあたって知っておきたい主なポイントは、以下の通りです。
・戸建や共同住宅ともに補助の対象となる
・補助額が5万円未満の場合は申請不可
・補助対象のリフォーム会社と契約することが条件
・複数回に分けてのリフォームも、上限額の範囲内であれば申請可能
・窓のリフォームと同時に行うドアの交換も補助対象となる
・2024年(令和6年)11月22日以降に着手した工事が対象
・申請期限は2025年(令和7年)12月末まで(ただし予算に達し次第終了)
・申請は工事完了後に行う(着工後の予約申請により、補助額を一定期間確保できる)
・国費が充当されている他の補助金制度とは併用不可(自治体の補助金制度は国費が充当されていなければ併用可)

断熱性能や防音性能を高めるなら、部屋にある窓をすべてリフォームした方が効果的です。補助額が大きい今なら、お得にリフォームできるチャンスです!この機会にぜひ検討してみましょう。
子育てグリーン住宅支援事業(住宅省エネキャンペーン)
「子育てグリーン住宅支援事業」も、住宅省エネキャンペーンの一環として実施される補助制度。「子育て」という名前が付いていますが、子育て世代に限らず誰でも利用可能です。
リフォームの内容に応じて、上限40万円または60万円の補助を受けられます。リフォーム内容ごとに補助額が設定されており、その合計額が上限40万円または60万円まで補助されます。

また、本事業は窓単体のリフォームでは利用できません。
補助金の上限額は、行うリフォームの内容によって、次のように異なります。
<補助額の仕組み> | ||
---|---|---|
タイプ | 必須工事の数 | 上限補助額 |
Aタイプ | 2つの必須工事を実施 | 40万円 |
Sタイプ | 3つすべての必須工事を実施 | 60万円 |
必須工事の具体例は、以下の通りです。
<必須工事> | |
---|---|
工事内容 | 具体例 |
開口部の断熱改修 (窓・ドアのリフォーム) | ガラス交換、内窓設置、外窓交換、ドア交換 |
躯体の断熱改修 | 外壁、屋根・天井、床の断熱工事 |
エコ住宅設備の設置 | 太陽熱利用システム、節水型トイレ、高断熱浴槽など |
窓のリフォームにおける補助額は、工事内容によって以下のように異なります。
<窓のリフォームにおける補助額(開口部の断熱改修)> | |
---|---|
工事内容 | サイズ(大・中・小)ごとの補助額 |
ガラス交換 | 大:14,000円、中:10,000円、小:4,000円 |
内窓設置 | 大:17,000円、中:13,500円 、小:11,000円 |
外窓交換 | 大:34,000円、中:27,000円、小:22,000円 |
このうち、窓のリフォームは「開口部の断熱改修」に該当するため、補助の対象となるには「躯体の断熱改修」と「エコ住宅設備の設置」のいずれか、または両方のリフォームを同時に行う必要があります。
そのため、窓単体でのリフォームを考えている方は、補助額が高く、窓単体のリフォームで利用できる「先進的窓リノベ2025年事業」を活用する方が良いでしょう。

窓のリフォームだけでなく他の工事も検討している場合は、「先進的窓リノベ2025年事業」で窓のリフォームの補助を受け、「子育てグリーン住宅支援事業」を他のリフォームに活用する形がおすすめです。
理由として、「先進的窓リノベ2025年事業」で補助を受けると、「子育てグリーン住宅支援事業」では必須工事(開口部の断熱改修)が完了したものとして扱われるため、通常2~3つの必須工事のうち、1つまたは2つの実施で補助対象となるためです。これにより、コストを抑えてリフォームを進められます。
「子育てグリーン住宅支援事業」では、2つ以上の必須工事と併せて行う場合に限り、「任意工事」も補助対象となります。
この任意工事の中には、次のように窓のリフォームが含まれる場合があります。
窓のリフォームが対象となる任意工事 | 内容 |
子育て対応改修 | 防犯性向上を目的とした窓リフォーム |
子育て対応改修 | 生活騒音への配慮(遮音性向上) |
防災性向上改修 | 防災性能を高める改修 |
こちらは省エネ性能ではなく、防犯性能や遮音性能が基準となっています。
なお、必須工事と任意工事のなかで重複するリフォーム内容がある場合は、いずれか高い補助額のみが適用されます。

優先したいリフォームや、補助額の高さに応じて最適な組み合わせをリフォーム会社に相談しましょう。鈴与ホームパルでは、リフォームも補助金申請の豊富な実績があります。安心してお任せください。
その他、本事業を利用するにあたって知っておきたい主なポイントは、以下の通りです。
・補助の対象者は、「住宅を所有する者とその家族」「賃貸経営者」「賃貸で借りている人」「管理組合・法人」である
・補助額が5万円未満の場合は申請不可
・補助金対象のリフォーム会社との契約が必要
・複数回に分けたリフォームでも、上限額の範囲内であれば申請可能
・2024年(令和6年)11月22日以降に着手した工事が対象
・申請期限は2025年(令和7年)12月末まで(ただし予算に達し次第終了)
・申請は工事完了後に実施(着工後の予約申請で補助額を一定期間確保することも可能)
・国費が充当されている補助金制度とは併用不可(自治体独自の補助金とは併用可)
地方自治体独自の補助金制度
国が実施する補助金制度以外にも、自治体が独自に窓リフォームの補助金を提供している場合もあります。
例えば、長野県松本市が2024年度(令和6年)に実施していた「住宅居住者向けの補助金」では、開口部の断熱改修に対し最大20万円の補助金を交付していました。

補助金の対象となる工事内容や窓の性能、申請期限などの条件は、自治体ごとに異なります。補助金制度の実施状況を含め、お住まいの地域の窓口やホームページで確認してみましょう。
住宅のリフォームに係る税の特例措置
窓のリフォームを行う際には、補助金制度の利用に加えて「減税制度」も活用することで、さらに費用負担を軽減できます。
適用条件を満たし、必要な申告を行うことで、所得税や固定資産税の減税を受けることが可能です。
税の種類 | 制度名(対象工事) | 減税内容 | 制度期間 |
所得税 | 住宅ローン減税 (省エネリフォーム) | ローン残高の0.7%を10年間控除(最大控除額140万円) | ~令和7年12月 |
リフォーム促進税制 (省エネリフォーム) | 工事費の10%を1年間控除(上限25万円) ※太陽光発電設備を設置する場合は上限35万円 ※超過分・その他増改築は5%控除(条件あり) | ~令和7年12月 | |
リフォーム促進税制 (長期優良住宅化リフォーム) | 工事費の10%を1年間控除(25万円または50万円) ※太陽光発電設備を設置する場合は上限35万円または60万円 ※超過分・その他増改築が5%控除(条件あり) | ~令和7年12月 | |
リフォーム促進税制 (子育て対応リフォーム) | 工事費の10%を1年間控除(上限25万円) ※超過分・その他増改築は5%控除(条件あり) | ~令和7年12月 | |
固定資産税 | リフォーム促進税制 (省エネリフォーム) | 固定資産税の3分の1を1年間減額 | ~令和8年3月 |
リフォーム促進税制 (長期優良住宅化リフォーム) | 3分の2を1年間減額 ※耐震または省エネリフォームが必須 | ~令和8年3月 |

補助金制度と併用する場合は、補助金を差し引いた後の工事費用が減税制度の適用条件を満たしている必要があります。補助金の利用によって減税制度の要件を満たさなくなるケースもあることに注意しましょう。
税の種類 | 制度名(対象工事) | 減税制度の適用条件(工事費用・税込) ※補助金を差し引いた後の金額 |
所得税 | 住宅ローン減税 (省エネリフォーム) | 100万円超 |
リフォーム促進税制 (省エネリフォーム) | 50万円超 | |
リフォーム促進税制 (長期優良住宅化リフォーム) | 50万円超 | |
リフォーム促進税制 (子育て対応リフォーム) | 50万円超 | |
固定資産税 | リフォーム促進税制 (省エネリフォーム) | 60万円超 |
リフォーム促進税制 (長期優良住宅化リフォーム) | ・耐震改修を行っている場合:50万円超 ・省エネ改修を行っている場合:60万円超 |
なお、所得税の減税制度と固定資産税の減税制度は併用可能です。要件を満たしていれば、所得税と固定資産税の両方で減税を受けられます。
詳細な条件や申請方法については、公式サイトをご確認ください。
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000249.html>>
窓のリフォームで補助金制度を活用する際に知っておきたいこと
窓のリフォームで補助金制度を確実に利用するためには、以下3つの点を押さえておくことが重要です。
・制度ごとに申請条件が異なる
・申請期間内であっても、予算上限に達すると受付が終了する
・制度によって申請のタイミングが異なる
補助の対象となる住宅や条件は制度ごとに異なり、1つでも要件を満たしていないと補助を受けることができません。そのため、事前によく確認することが大切です。
また、補助金には申請期間が設けられていますが、予算の上限に達した場合は期間内であっても受付が終了するため、早めの申請がおすすめです。
制度ごとに申請のタイミングが異なる点にも注意が必要で、工事前の事前申請が必要なものもあれば、工事完了後に申請するものもあるため、利用したい制度の要件を事前に確認しておきましょう。

補助金制度の条件は複雑で、どの制度が利用できるかを判断するのは容易ではありません。制度の詳細を調べるだけでも時間がかかるため、リフォーム会社のサポートを活用することをおすすめします。
鈴与ホームパルでは、補助金制度を活用したリフォームのサポートも行っております。ご不明点があれば、お気軽にご相談ください。
まとめ
本記事では、窓のリフォームに活用できる補助金制度について解説しました。
補助額や対象となる工事は制度によって異なるため、事前によく確認することが大切です。
特に人気のある補助金制度は、早期に予算上限に達する可能性があるため、できるだけ早めの情報収集と申請準備をおすすめします。
ただし、補助金の適用可否をご自身で判断するのは難しいケースもあるため、リフォーム会社のサポートを受けながら進めると安心でしょう。
鈴与ホームパルでは、窓や玄関ドアのリフォームを多数手掛けており、補助金活用の実績も豊富にあります。補助金の活用方法やリフォームについてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。経験豊富なリフォームアドバイザーが丁寧に対応いたします。
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