二重窓は防音効果なし?効果がないと考えられる理由とは
防音対策として二重窓を設置し、「非常に良かった」と満足されている方がいる一方で、「思ったより防音効果を感じられなかった」という方もいらっしゃいます。
二重窓は防音対策として有効ですが、防ぎたい音の種類、住まいの状態、選ぶ二重窓の種類などによって効果がないと感じることも…。
今回は、二重窓の防音効果が得られない理由について考察します。これから二重窓の設置を検討されている方も、参考にしてくださいね。
二重窓の防音効果がないと言われるのはなぜ?
二重窓の防音効果がないと言われる理由は、主に以下の6つが考えられます。
・二重窓では防げない音の可能性がある
・窓以外に音が出入りする場所がある
・サッシやガラスの種類が最適ではない
・外壁の種類や構造による影響がある
・DIYで施工した
・音の聞こえ方に個人差がある
それぞれ、詳しく解説していきます。
二重窓では防げない音の可能性がある
二重窓には「防げる音」と「防げない音」があるのをご存じでしょうか。二重窓は、空気を伝わってくる音(空気音)は防げますが、地面や壁を振動してくる音(固体音)は防ぐことができません。
マンションなどの集合住宅では、隣接する住戸から固体音が伝わってくることが多く、とくに上下階の床衝撃音に悩まされている方は少なくありません。
たとえば、小さなお子さんが走る音、重たいものを落としたときの音、引き戸の開閉音など。これらは天井・床を伝わってくる音なので、窓リフォームで対処することはできません。床や天井への防音対策が必要になります。
お隣の部屋の話し声などは空気音ですが、壁を通して伝わってくる音のため、二重窓で防音するのは難しいです。
窓以外に音が出入りする場所がある
壁や屋根よりも厚みのない窓は、住まいのなかで最も音が出入りする場所です。だからこそ、二重窓は防音対策として効果を発揮します。
しかし、音は窓以外からも入ってくるため、窓への対策だけでは足りないケースがあります。音の侵入経路として、意外と気付きにくいのが換気口。空気の通り道ということは、音の通り道にもなっています。
また、二重窓を設置していない部屋から音が入ってきている可能性も。騒音の大きさによっては、廊下や内壁を通り抜けて家全体に音が響くことがあります。
サッシやガラスの種類が最適ではない
二重窓の防音性能はサッシとガラスの種類によって変わります。そのため、騒音レベルに合ったタイプを選ばないと、期待する効果を得られないことがあります。
商品ごとに性能は異なりますが、それぞれの種類における特徴の傾向は以下のとおりです。
【サッシの種類】
オール樹脂製サッシ | ・防音・断熱性能に優れている ・価格は高め |
アルミ樹脂複合サッシ | ・オール樹脂製より防音・断熱性能は劣るが、 耐久性・デザイン性が高い ・オール樹脂製より安い |
【ガラスの種類】
単板ガラス | ・防音性能は中程度、断熱性能はあまり高くない ・3つの中で最も安価 |
複層ガラス(ペアガラスなど) | ・防音性能はあまり高くないが、断熱性能に優れている |
防音向きガラス | ・防音性能に優れているが、断熱性能はあまり高くない ・3つの中で最も高価 |
「オール樹脂製サッシ」+「複層ガラス」の二重窓が一般的ですが、目的に応じて組み合わせるのがポイントです!
外壁の種類や構造による影響がある
音の波は家全体にあたっているため、外壁の種類や家の形状によって、二重窓だけでは防音効果を得られないケースがあります。
たとえば、次のような特徴がある住まいは、防音面で建物の影響を受けやすくなります。
・外壁材が音を通しやすい素材(トタンなど)
・壁に断熱材が入っていない、あるいは少ない
・建物の形状が複雑
トタンは軽量で丈夫な外壁材ですが、音を通しやすいのが難点です。また、断熱材は吸音材の役割も果たしているため、断熱材が十分でない住宅も音を通しやすい環境になっています。
建物の形状がでこぼことしているマンションなどでは、音の反響が複雑になっている可能性も。これらのようなケースでは、窓だけでなく内外装への防音対策も一緒に検討するといいでしょう。
DIYで施工した
ホームセンターやネットショップでは二重窓のキットが販売されているため、DIYで取り付ける方もいらっしゃいます。
しかし、隙間ができてしまうなど正しく施工できないケースが多く、せっかくの二重窓の性能が発揮されないことも。
二重窓を取り付ける際は、採寸や傾き、隙間調整など細かい対応が必要なため、リフォーム会社など専門業者に依頼するのがおすすめです。
二重窓は気密性が取れないと、防音効果をはじめ、断熱効果も発揮されません。
音の聞こえ方に個人差がある
窓・サッシメーカーでも防音効果を謳っている二重窓ですが、完全に音のない状態にすることはできません。また、そもそも音の感じ方は人それぞれですから、どのくらい効果を感じ、満足するかは個人の感覚によります。
そのため、二重窓の設置を検討されたら、メーカーのショールームに訪れ、防音効果を確かめてみることをおすすめします。
以下の記事でも、二重窓の効果を感じられない理由についてご紹介しています。こちらも併せてチェックしてみてください。
二重窓は効果なしって本当?効果がないと考えられる理由と必要な対応とは >>
まとめ
視覚で効果を確認できない防音リフォームは、リフォーム会社の担当者とのコミュニケーションが大事なポイントになってきます。
リフォーム後に満足していただけるよう、鈴与ホームパルでは、お客様とイメージを共有することを大事にしています。不安な点や疑問に感じることがありましたら、いつでもお気軽にご相談ください。
二重窓の防音効果を高める方法や、失敗しないコツを紹介している記事もございます。二重窓の設置を具体的に進めていく際に、ぜひお役立てください。