玄関ドアの一般的なサイズ・寸法は?種類別にドアの大きさを紹介
玄関ドアの劣化が気になったり、施錠や開閉に不具合が感じられたりするようになったら、それは玄関のリフォームが必要なサイン。まずは、リフォーム会社に問い合わせてみましょう。
ただ、問い合わせ前に、自宅の玄関ドアのサイズ・寸法や種類などについて調べておくと、リフォーム会社との打ち合わせがスムーズに進むのでおすすめです。
そこでこの記事では、玄関ドアの一般的なサイズ・寸法から、サイズの見方、種類別の標準サイズまで、詳しく説明します。
玄関ドアのサイズの考え方
10年ほど前まで、玄関ドアのサイズに関しての規格はありませんでした。そのため、サイズの設定や呼称はメーカーによってさまざまでした。
現在は、一般社団法人 日本サッシ協会が設定した「標準規格寸法」が普及しつつあり、呼称と寸法の同一化が進んでいますが、独自の呼称や寸法を使っているメーカーもあるようです。
したがって、玄関ドアのサイズについて調べる際には、カタログなどに書かれている数字をしっかり確認することをおすすめします。
あわせて、玄関ドアのサイズ表記は、“玄関枠込み”のサイズで書かれている場合と、玄関枠を含まない“実際に出入りできる間口の広さ”で書かれている場合があります(併記されている場合もあります)。
後者の“実際に出入りできる間口の広さ”を、「有効間口」(ほかに有効開口幅、有効内寸法など)といいます。実際に出入りできる間口の広さを確認したいときは、有効間口をチェックしましょう。
ドア枠の測り方
専門業者にリフォームを依頼する際には、玄関ドアのサイズを事前に測っておくと、やりとりがスムーズです。
この際、気をつけたいのが玄関ドアの測り方です。玄関ドアは、外壁と接する「玄関枠(ドア枠)」と、「ドア(扉)」で構成されています。
玄関ドアのリフォームでは玄関枠の施工も行うため、玄関枠のサイズも重要です。したがって、サイズを計測する際は、玄関枠も含めて測るようにしましょう。あわせて、有効間口も計測しておけばバッチリです。
玄関ドア単体ではなく玄関ホールも考慮する
玄関ドアのリフォームは、ドアそのものサイズや間口の広さだけでなく、玄関ホールの状況や使い勝手も考慮に入れてプランを立てるようにしましょう。
たとえば、既存の玄関ドアはらんまが付いているタイプで、ドアのすぐ近くの天井に照明が設置されていたとしましょう。このような状況で、らんまなしの背の高い玄関ドアに変えたらどうなるでしょうか? ドアを開けると照明にぶつかってしまいますよね。
また玄関リフォームによって、ベビーカーやスポーツグッズなど、玄関に置いておきたいもののスペースがなくなったり、収納のしやすさが損なわれたりするかもしれません。こうしたトラブルを防ぐには、玄関ホール全体を視野に入れてプランを立てることが大切なのです。
玄関ドアのリフォームは、玄関ホール周辺にも配慮したプランを提案してくれる業者に依頼することをおすすめします。
【種類別】玄関ドアの幅・大きさ
玄関ドアにはさまざまな種類があり、種類によってドアの幅や高さが違ってきます。
そこでこの項目では、鈴与ホームパルへのご依頼・ご相談が多い「片開きタイプドア」「親子ドア・片袖付きドア」「両開きドア」「引き戸」について、それぞれのサイズと特徴について説明していきます。
玄関ドアの種類 | 横幅 | 高さ |
片開きタイプドア(3尺系) | 740mm | 2300mm |
親子ドア・片袖付きドア(4.5尺系) | 1190mm | 2300mm |
両開きドア(6尺系) | 1650mm | 2300mm |
引き戸(6尺系) | 1650mm | 2200mm |
数値引用元:住宅サッシ/住宅出入り口商品 「標準規格寸法」寸法設定と標準規格について
片開きドア
扉が1枚で、左右のどちらかに開閉できる片開きドアは、もっともベーシックなタイプ。色や素材、デザイン、機能などが豊富で、選択肢の幅が広いのが魅力です。また、玄関スペースがそれほど広くないお住まいにも設置が可能です。
幅は740mmが一般的ですが、740mm以上のものもあります。なお、バリアフリー対応の片開きドアは幅840mmが目安になります。
親子ドア
大きい扉(親扉)と、小さい扉(子扉)を組み合わせた玄関ドアを「親子ドア」といいます。ふだんは大きい扉だけを使いますが、車椅子やベビーカーを出し入れしたり、大型家具を搬入したりする際には、小さい扉も開けることで間口を広く活用できます。
横幅の寸法は1190mmからが一般的です。なお、上記の表にある「片袖付きドア」とは、片開きドアの左右のどちらかの袖に、採光のためのガラス窓が付いているタイプをいいます。袖部分は固定となるため、「片袖FIX」などともいいます。
近年は親子ドアを選ばれる方が増えています。
両開き
同じ大きさの扉2枚で構成され、左右対称に開閉できるタイプです。横幅は1650mm~が目安となっており、ベビーカー・車椅子の出し入れはもちろん、大型家具の搬入にも困りません。
ただ、両開きドアは、扉2枚を同時に開けられるだけのスペースが必要です。そのため、片開きドアや親子ドアから両開きドアへリフォームする場合には、外壁を壊すなどの大がかりな工事が発生します。
引き戸
引き戸とは、戸を左右にスライドさせて開け閉めするタイプのドアのことです。近年は「スライディングドア」とも呼ばれます。
和風住宅で一般的ですが、車椅子に乗ったままの状態でも開閉が簡単なことから、バリアフリーを目的に採用する洋風住宅も増えています。引き戸のサイズは、両開きドア同様に横幅1650mm~が目安となっています。
玄関ドアのサイズを変更する場合のリフォーム内容
「玄関ドアを今のものより背の高いタイプに変えたい」「開口部の間口を広くしたい」など、リフォームで玄関ドアのサイズそのものを変更したい場合もあるでしょう。
そこでこの項目では、玄関ドアのサイズを変更する場合に、どのようなリフォームが必要なのかを説明していきます。
らんまを詰める
昔ながらの住宅の玄関ドアには、ドア本体の上にらんまが設けられていることがあります。ドア上のらんまは、明るさや通風を確保する役目があり、日本の伝統的な建築手法といえるでしょう。
既存のドアよりも背の高いドアを設置したい場合は、このらんまを詰める(なくす)という方法があります。らんまを詰める場合は、玄関ホールの明るさや通風をキープするために、採光機能や採風機能が付いたドアを選ぶことをおすすめします。
ドアの高さが高くなると、ドアを開けた際に既存の照明などにぶつかってしまうこともあります。注意してください。
間口を広げる
リフォームにより、玄関ドアの開口部の間口(通行幅)を広くすることも可能です。たとえば、片袖付きドアを親子ドアにすれば、それまで固定されていた袖の分だけ、開口部の間口が広くなります。
また、引き戸も間口を広げることができます。引き戸にはいくつか種類がありますが、もっとも一般的なのは「引き違い戸」です。引き違い戸の開口部は戸1枚分だけですが、これを3枚の戸のうち2枚が連動して引き込まれる「2枚連動引き戸」に変えれば、開口部はそれまでの2分の1から3分の2となり、広い間口を確保できるのです。
なお、玄関ドアの開口部の間口を広くする場合は、一般的に、玄関枠そのものから変える施工が必要となります。既存の玄関枠を活かす工法よりは、費用および期間もかかりますので、その点は念頭に置いておきましょう。
玄関ドアの寸法・サイズまとめ
玄関ドアにはさまざまなタイプがあり、メーカーによって呼称や寸法が違うこともあります。さらに、玄関枠込みの寸法のほかに、実際に通行できる幅を示した有効間口寸法もあり、一般の人にとってはちょっとわかりにくいかもしれません。「わが家にはどのサイズ・タイプの玄関ドアが合うの?」と悩んでしまう方もいるでしょう。
そんな方はぜひ、鈴与ホームパルにご相談ください。玄関ドアのリフォームによって、住まわれる方の暮らしがより便利に、いっそう豊かになるプランをご提案させていただきます。
この記事のポイント | ・玄関ドアの種類によって目安となる寸法、サイズは異なる ・ドアのサイズを考えるときは、 ドアの測り方や玄関ドアホールの状況を考慮する ・ドアのサイズを大きくするには、 らんまを詰めたり間口を広げたりといったリフォームがある |