カーポートの台風対策をしよう!実際に被害にあったときの対応も解説
雨や雪、紫外線などから車を守る役割をもつカーポート。実は、台風などで強風を受けたときには、屋根材だけが外れる構造になっているのをご存じですか?
カーポートがこのような構造になっているのは、風によってカーポート全体が持ち上がったり、支柱が倒れたりするのを防ぐため。
だからこそ、台風対策をしっかりしておかないと、飛んだパネルが自宅や車にぶつかって破損したり、近隣に被害をもたらしたりするリスクがあります。そこで今回は、台風シーズン前にやっておきたいカーポートの台風対策について解説します。
カーポートの台風対策3選
カーポートには、柱が片側だけに付いている「片側支持タイプ」、柱が後方だけに付いている「後方支持タイプ」、柱が両側に付いている「両側支持タイプ」があります。
「駐車スペースを広く取れる」「駐車しやすい」といった理由から、片側支持タイプ、あるいは後方支持タイプのカーポートを設置されているご家庭も多いと思いますが、両側支持タイプに比べると、風の影響を受けやすいといえます。
加えて、カーポートの屋根材の主流であるポリカーボネートは、下から吹き上げる風で飛んでしまう可能性があります。以下で紹介する台風対策を必ず講じるようにしましょう。
沿岸部や風を遮るものがない田園地域、風が強いエリアにお住まいの方もぜひチェックしてください!
既存のカーポートにおける対策
まずは、すでに設置してあるカーポートの台風対策について紹介します。対策法としては、以下の3つが考えられます。それぞれ確認していきましょう。
・屋根が飛ばないように補強する
・揺れを抑える補強する
・カーポート本体と周辺の確認
屋根が飛ばないように補強する
カーポートの屋根材は、一定以上の風を受けた際には飛ぶ構造となっています。しかし、以下のようなアイテムを追加することで、屋根材が飛ばないよう補強することができます。
・屋根材ホルダー
カーポートの屋根材の上から取り付けて、屋根材が浮いたり、飛んだりしないよう補強するための部材です。屋根材のガタつきも防げます。メーカーによっては、「パネル抜け防止材」という商品名になっています。
・屋根ふき材補強部品
丸い釘のような部品で、屋根材と母屋材を固定します。母屋材とは、カーポートの屋根の奥行き方向に渡されていて、屋根材を支えている部材のことです。
屋根材の補強は高所での作業になります。安全のため、メーカーや専門業者に依頼することをおすすめします。
揺れを抑える補強する
片持ちタイプのカーポートなら、台風前にサポート柱を追加するという方法もあります。サポート柱は、カーポートの柱の反対側に設置する補助的な柱です。必要に応じて取り外しできる「着脱タイプ」と、取り付けたまま使用する「固定タイプ」があります。
ただし、サポート柱を追加しただけでは風に対する強度は上がりにくいため、屋根材の補強とあわせて行うのがおすすめです。
カーポート本体と周辺を確認する
台風前には、カーポート本体と周辺について、次の点もチェックしておきましょう。
□経年劣化などにより屋根材が弱くなっていないか
□屋根材と母屋材などを固定しているビスがゆるんでいないか
□カーポート本体の柱や部材が腐食していないか
□柱や部材を固定しているボルトがゆるんだり、外れたりしていないか
□支柱が基礎にしっかり固定されているか
気になる箇所があれば専門業者などに相談し、対応してもらいましょう。カーポートの種類によってはパネルだけの交換も可能なため、これを機に交換を検討してもいいかもしれません。
あわせて、カーポート周辺に置いてあるものは、強風で飛んで自宅や近隣に被害がでないよう、室内や倉庫に入れておきましょう。
カーポートを新しくする場合の対策
カーポートを新しくする予定がある場合は、耐風圧強度が高いものを選ぶことをおすすめします。
耐風圧強度とは、その製品がどれくらいの風圧力に耐えられるのかを、最大風速で示したもの。一般的なカーポートの耐風圧強度は、38m/秒相当といわれています。
耐風圧強度が高いカーポートは、屋根材を留めるビスの数が多かったり、母屋材の中に鉄骨が入っていたりします。風が強い地域や台風が多い地域にお住まいの方は、38m/秒相当以上の製品を検討してみてください。
既存のカーポート対策で取り上げた、屋根材ホルダーや屋根ふき材補強部品、サポート柱の併用もあわせて検討してみてください。
カーポートが台風の被害にあってしまったときの対応
対策をしっかりとしていても、カーポートが台風の被害に合ってしまうことはあります。そのような場合、どのように対処すればいいのでしょうか?くわしく見ていきましょう。
破損した部品を回収する
台風被害でまず考えられるのが、カーポートの屋根材の破損です。飛ばされたり、破損したりした屋根材は可能な限り回収しましょう。
回収したら、再び飛ばされないように室内に入れるか、風が当たらない場所にまとめておきます。
近隣への被害がないかを確認
外れた屋根材やカーポートの部材が、ご近所の家の窓や壁などを破損していないか確認しましょう。
自然災害で生じた被害は基本的に「不可抗力」と見なされ、万が一破損があった場合も弁償の義務は生じません。しかし、ご近所さんとは良好な関係を維持しておきたいもの。納得のいく対応を双方で相談するといいでしょう。
ただし、屋根材パネルのビスがゆるんでいるのを知りながら放置していたような場合、弁償の義務が発生するケースもありえます。カーポートが劣化している場合は、はやめに修理にお願いしましょう。
火災保険が適応できるか確認する
カーポートが建物と同一敷地内にあれば、火災保険の補償の対象となる可能性があります。
ただし、「損害額が20万円以上」など、一定の条件を満たす必要があります。したがって火災保険に加入している方は、カーポートの修理をする前に、以下の2点を保険会社に確認しておきましょう。
・カーポートが補償の対象となっているか
・補償の対象となる損害額はいくらか
あわせて、保険を申請するときの資料として、片づける前に被害状況を撮影しておくことも大切です。
カーポートが台風で破損した場合は、ホームパルでも修理の手配が可能です。ぜひお問い合わせください。
カーポートの台風対策で気を付けたいこと
最後に、カーポートの台風対策をするうえで気をつけたいポイントを3つ紹介します。
・価格だけを重視しない
・(防風)ネットの取り付けは避ける
・メーカーの補償対象外になる場合もある
住まいと同様、カーポートも基礎工事が大切です。しかし時折、基礎工事が不十分なカーポートを見かけることがあります。
最近は、カーポート本体を低価格で購入できるインターネットサイトがありますが、価格だけを重視して選んでしまうと、あとあと後悔する可能性も。カーポートの設置工事やリフォームは、信頼できる業者に依頼しましょう。
屋根材の飛散を防ぐために、カーポートをネットで覆っているご家庭もあるようです。しかし、ネットで覆うと本体にかかる風圧が高くなり、カーポート本体が倒壊するおそれがあります。片側支持タイプや後方支持タイプのカーポートはとくに注意しましょう。
また、雨やほこり、砂、雪などの吹き込みや吹きだまりを軽減するための防風ネットを使用するなら、屋根材がポリカーボネートのカーポートではなく、スチール折半のカーポートのほうが向いています。
ただし、防風ネットのようなカーポートに対して自分で何かしらの補強・保護等を行い、それが台風などで破損した場合、メーカーの補償対象外になる可能性があるため注意です。
インターネットなどで、「台風前にカーポートの屋根材をあらかじめ外しておく」という方法が紹介されていることがあります。
実際に取り外せるカーポートもあるようですが、外し方を間違えて屋根材などを破損するおそれがありますので、あまりおすすめしません。
カーポートの台風対策まとめ
当記事では、カーポートの台風対策についてご紹介しました。カーポートの台風対策はご自分でできるものもありますが、高所での作業も多く危険がともないます。
また、「劣化したビスを交換しようとホームセンターで新しいビスを買ったら、サイズや種類が違った」「ビスを自分で締め直そうとしたら、屋根材が割れてしまった」という話も聞きます。専門業者に頼んだほうが安全・安心といえるでしょう。
メーカーにもよりますが、ホームパルでは屋根材だけの修理・交換も請け負っています。カーポートの強度や耐久性が心配な方は、台風シーズンが来る前に、ホームパルにぜひ一度ご相談ください。
この記事のポイント | ・カーポートはもともと屋根材だけ飛ぶ構造になっている ・台風対策としてはカーポートの屋根材や柱を補強するほか、 本体のボルトがゆるんでいないか確認する |