高齢者向けにお風呂をリフォーム!主なリフォーム内容や費用をご紹介
お風呂は1日の疲れを癒やすリラックスできる空間ですが、高齢者にとっては事故の発生しやすい危険な場所ともいえます。
床や浴槽ですべったり、小さな段差につまずいてしまったりすると大きなケガにつながる恐れがあります。毎日使うものだからこそ、こういった危険を解消し、高齢者の方が安心してお風呂に入れるようにしたいものです。
今回は高齢者向けのお風呂リフォームについて解説します。大まかな費用感も記載していますので、ぜひ参考にしてください。
高齢者が使いやすくなる浴室のリフォーム
お風呂を高齢者にとって使いやすくするためには、浴室内のバリアフリー化につながるようなリフォームが必要になります。具体的な施工内容としては、以下のようなものが挙げられます。
施工内容 | 費用相場(工事費込み) |
出入口の段差解消リフォーム | 30万円~ |
床材を変えるリフォーム | 10万円~ |
手すりの設置 | 2万円~ |
浴槽のリフォーム | 40万円~ |
ドアのリフォーム(浴室ドア) | 8万円~ |
断熱性向上のリフォーム (浴室暖房乾燥機の設置) | 10万円~ |
ここからはそれぞれのリフォーム内容と、どんな危険が解消されるのかを詳しく解説します。
出入口の段差解消リフォーム
まずは浴室の出入口の段差を解消するリフォームです。段差をなくすことで、つまずきによる転倒事故を防げます。
ただし、段差をフラットにすることで脱衣所が濡れてしまう可能性があるため、水はけのよい床材や勾配のついた床材への変更も併せて対応できると良いでしょう。
段差解消時には、水漏れ対策もあわせて検討することが大切です!
床材を変えるリフォーム
表面がつやつやとしたタイル張りの床のように滑りやすい床の場合、水に濡れると滑りやすくなります。タイルのような硬い素材だと、転倒時に重大なケガにつながりかねないため、滑りにくい床材への変更を検討しましょう。
また、床材を変更するにあたって、クッション性のある床材を選ぶと、万が一転倒してしまっても、衝撃を和らげる効果が期待できます。膝をついても痛くないので、介護する方の負担軽減になります。
手すりの設置
お風呂に入る際には、「座る」「立ち上がる」「浴槽へまたぐ」といった動作が必要になります。高齢になると筋力が低下し、一つひとつの動作が大変になり、転倒のリスクも増えます。こういった動作をサポートできるよう、手すりを設置しましょう。
主な手すり設置箇所は、浴槽付近や出入り口です。浴室の空間が広くない場合、腕や頭などをぶつけてしまう可能性があるので、普段の入浴時の動作を考慮して設置箇所を決めるようにしましょう。
高齢者向けだけではなく、浴室リフォームの際に手すりを設置する方は当社でも多い印象です。
浴槽のリフォーム
一般的な浴槽の深さは60cmであり、高齢者の方にとってはまたぐのが大変です。またぐ際に足が引っ掛かって転倒してしまうリスクを防ぐためにも、浴槽の高さを変更するといいでしょう。
浴槽の高さを変更する場合、以下のような方法が考えられます。
・40cm程度の浅い浴槽にする
・埋め込み式の浴槽にする(またぎやすくする)
ただし、浴槽のまたぎやすさは利用する人の体格によって異なります。ひざ下の高さを考慮して考えられると良いでしょう。
簡易的な対策にはなりますが、浴槽の外側にステップを置くのも効果的です。
ドアのリフォーム
お風呂のドアは開き戸が一般的ですが、引き戸や折れ戸にすることも高齢者向けの浴室リフォームになります。開き戸は戸を開ける際に身体を後退させる必要がありますが、引き戸や折れ戸だとその必要がありません。必要な動作がなくなると、転倒リスクも減らすことができます。
また、 引き戸にする場合、脱衣所・浴室内のスペースを広く有効に使えるようになるため、介護が必要な方でも使いやすくなります。
断熱性向上のリフォーム
高齢者向けの浴室リフォームでは、浴室暖房機の設置といった断熱性の向上も重要です。厚生労働省の調査によると、高齢者のヒートショックによる「不慮の溺死および溺水」は、交通事故による死亡者数よりも多いという統計がでています。
ヒートショックとは、急激な温度変化によって、血圧が大きく変動することを繰り返し、身体に負荷がかかることです。
引用:冬こそ入浴時に気をつけよう!「ヒートショック」と「浴室内熱中症」 | アフターサポート|ノーリツ
ヒートショックを防ぐためは、入浴前に脱衣所や浴室内を暖めておくことが大切です。浴室暖房機の設置のほか、浴室内の窓を改修して断熱性能をアップさせるのも良いでしょう。
冒頭でこれらの浴室リフォームにかかる費用を取り上げていますが、全体の概算が気になる方は、こちらのページも併せて確認してみてください。
お風呂リフォームの費用はどれくらい?内容ごとの費用や変動する要因を解説>>
高齢者向けのお風呂リフォームの事例
具体的なリフォーム内容について把握できたところで、実際の事例について確認していきましょう。
■after
ご依頼の経緯・理由 | ・けがをして以来、湯船に浸かることが困難になってしまった ・タイル張りのお風呂の寒さも気になっていた |
提案内容(施工内容) | タイル張りのお風呂からユニットバスへリフォーム |
リフォームのポイント | 手すりやサポートバーの設置や、ベンチになる洗い場など、 お客様の動きや姿勢に柔軟に対応できる使いやすいお風呂を心がけました。 |
費用 | 300万円 |
施工期間 | 2週間 |
■before
■after
ご依頼の経緯・理由 | 認知症のお母様が安心して入れるお風呂にしたい |
提案内容(施工内容) | 在来浴室からバリアフリーのユニットバスにリフォーム |
リフォームのポイント | 手すりの設置や段差の解消、タイルから柔らかいホッカラリ床に変更など、 使いやすく怪我をしにくいお風呂にしました。 脱衣所の入り口を引き戸に変えたことで、 リビングから入浴するお母様を確認できるようになりました。 |
費用 | 150万(内介護保険利用18万) |
施工期間 | 5日間 |
手すりや段差解消といったリフォームを行うことで、安心して利用できる空間になります。
利用者様の状況によっては介護保険等の利用も可能なので、担当者に相談してみてくださいね。
高齢者向けの浴室リフォームにあたって活用できる補助金
高齢者向けのお風呂リフォームについて、条件を満たすことができれば補助金を活用することができます。主に浴室をバリアフリー化するにあたって活用できる補助金としては、下記のようなものが挙げられます。
・介護保険の住宅改修支援制度(手すりの取付け、段差の解消など)
・長期優良住宅化リフォーム推進事業(暖冷房設備の設置など)
・自治体独自の制度
例えば、「介護保険の住宅改修支援制度」は条件に該当すれば、自己負担額1~3割で上限20万円までの補助が受けられます。また、所得税や固定資産税の税負担を抑えられる特例措置などもあります。
お風呂リフォームの補助金制度についてはこちらのページで詳しく解説しています。
お風呂のリフォームに補助金は使える?対象となる制度について解説>>
高齢者向けのお風呂リフォームまとめ
今回は高齢者向けのお風呂リフォームについて紹介しました。お風呂のリフォームは思わぬ事故の予防になるため、心配な方はなるべく早めにリフォームできると良いでしょう。
鈴与ホームパルでは、一人ひとりのお客様に寄り添いリフォームをご提案いたします。現地調査をしっかり行い、ご要望を踏まえてどういったリフォームが必要になるかを説明させていただきます。
リフォームを進めるにあたって気になる点や不安な点があれば、お気軽にお申し付けください。
また、浴室リフォームの時期としては20年前後が一つの目安になります。経年劣化や寒さが気になるといった理由からご相談いただくケースが多い印象です。
リフォームの時期についてはこちらのページで解説していますので、気になる方はチェックしてみてくださいね。