COLUMNリフォーム豆知識
耐震 2022.06.17

木造住宅の耐震補強工事は住みながらできる?注意点も確認しておこう

木造住宅の耐震補強工事は住みながらできる?注意点も確認しておこう

木造住宅を耐震補強する際、「住みながら工事はできるの?」と気になっている方はいませんか。仮住まいに引っ越すとなればその分の費用や手間がかかるため、できれば住みながら行いたいという方は少なくありません。

結論から言うと、住みながら問題なく行える場合と、仮住まいが必要な場合とがあります。この記事では、 木造住宅で住みながら行える耐震補強工事の内容と、工事を進めるときの注意点について解説します

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住みながら行なった場合の暮らしをイメージしながら見ていきましょう。

耐震補強工事は住みながらできる?

耐震補強工事を住みながらできるかは、工事をする箇所と規模によって決まります。実際に住みながら行なった方の中には満足される方がいる一方で、「仮住まいに引っ越せば良かった…」と後悔される方も。

可否の判断目安を以下にまとめましたので、参考にしてみてください。

工事内容住みながらできるかどうか
基礎の補修・補強工事
※軽度な補修であれば○
壁・構造の補強
屋根の軽量化
他リフォームと併せて行う耐震補強
※他リフォームの内容によっては×

部分的な改修なら住みながらできる

耐震補強が部分的な工事で済む場合は、基本的に住みながら行えます。

壁・構造の補強工事では床や天井の一部を解体することがありますが、一部屋ずつ工事を進めていくやり方を選べば、居住スペースは守れます。比較的大きな工事となる屋根の軽量化も、屋外作業になるため住みながらの工事が可能です。

基礎の耐震補修については、コンクリート基礎のひび割れの補修など軽度な工事であれば、住みながら問題なく進められます。

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ただし、住みながら行う場合も、工事をする部屋から荷物を移動させる手間はかかります。

大規模な工事になる場合は仮住まいという選択も

大規模な基礎の補修・補強や、他の室内リフォームと併せて行う場合は、居住しながらの工事が困難なケースが多いです。

大規模な基礎の補修・補強とは、広い面積にわたって床を剥がす必要のある工事のこと。たとえば以下のような工事では、単純に居住スペースがなくなったり、ケガをしたりするリスクがあります。

【仮住まいが向いているケース①】
・無筋のコンクリートに鉄筋を入れて、鉄筋コンクリートにする
・土台の木材が湿気やシロアリ被害を受け、全面的に部材を差し替える

また、他のリフォームと一緒に耐震補強を行う場合は、どんなリフォームかにもよりますが、生活はかなり不便なものに。以下のようなリフォームと世帯構成の場合は、仮住まいをおすすめします。

【仮住まいが向いているケース②】
・キッチン、トイレ、お風呂などの水回りのリフォームを一緒に行う
・高齢者や小さなお子さんがいる世帯

とくに食事が制限されると、高齢の方や小さなお子さんは体調を崩してしまうことがあるので注意しましょう。

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大掛かりな工事の場合、工期は2ヶ月におよぶことも。その間のストレスは大きなものです。

木造住宅に住みながらできる耐震補強工事

住みながらできる耐震リフォームとはどんなものか、具体的に見ていきます。ただし、工事箇所が多い場合は、仮住まいをしたほうが安心かつ楽なケースもあるので、ケースバイケースで考えていきましょう。

壁や構造のリフォーム

耐震補強工事においてメインとなるのが、壁や構造の改修。主に以下のような方法で行います。

【リフォーム方法】
・既存の壁に筋交いや構造板を入れ、「壁の強度を上げる」
・新しい壁を取り付け、「壁の数を増やし、壁の配置のバランスを良くする」
・補強金物で構造部材の「接合部を堅固にする」

壁の内側から施工するのか、壁の外側から施工するのかは、建物の構造や外壁の状況によって異なります。外壁材が古いトタンなどで劣化が進んでいる場合は外側からアプローチし、外壁の張り替えも検討してみるといいかもしれません。

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工事タイミングを合わせたほうが費用を抑えられます!

筋交いの役割や重要性については、以下の記事で詳しくご紹介しています。

<内部リンク|「耐震補強 木造 筋交い」>

屋根の軽量化のリフォーム

建物は頭部分が重いと地震の揺れの影響を強く受けてしまうもの。そのため、屋根を軽くすることでも耐震性を上げることができます。屋根(屋根材)の軽量化は、昔ながらの和瓦のお宅で行うことが多いです。

軽量な屋根材には以下のようものがあります。

化粧スレート屋根屋根材として最もシェアが高い
軽量瓦瓦の趣を残せる、和瓦からの施工がスムーズ
金属屋根ガルバニウム鋼板など。屋根材として最も軽量
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和瓦だからといって必ずしも屋根改修が必要とは限りません。

木造住宅の耐震補強の方法や流れを詳しく知りたい方は、こちらのページもチェックしてみてください。

木造住宅の耐震補強方法は?補強の流れも確認しておこう>>

住みながら耐震補強をする際の注意点

住みながら耐震補強工事を行うときは、いくつか事前に知っておいていただきたいことがあります。仮住まいにかかる手間や費用と比較しながら見ていきましょう。

荷物の移動が必要になる

工事をする部屋は、作業スペースの確保や家財の損傷を避けるために、基本的に荷物をなくして空室にする必要があります。荷物を収納できる部屋がない場合は、生活スペースに荷物を置くことになるため、部屋が片付かずストレスに感じることも

また、工事箇所が複数あり、部屋ごと順番に工事を進める場合は、工事の進捗に合わせて荷物の移動があります。慌ただしく感じ、家にいても落ち着かないという方も少なくありません。

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荷物が多いご家庭はとくに注意しましょう。

暮らしのスペースが変わる

荷物の移動に伴い、暮らしのスペースも移動します。たとえば、日中過ごす場所が限られてきたり、寝室が変わったり。

とくに、日中家で過ごされる方がいる場合は、いつも過ごす場所に居られないというストレスは大きいもの。職人の出入りや工事音も気になるでしょう。また、寝る場所が変わるとうまく眠れない、という方もいらっしゃいます。

そのほか、トイレ改修を一緒に行う場合、トイレが1つのご家庭の場合は屋外に仮設トイレを設置しますが、夜間の利用が大変だったという声を聞くこともあります。

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工事中の過ごし方をイメージして「負担が大きい」と感じたら、仮住まいを検討するのがいいでしょう。

工事内容を確認しておく

どの場所を工事するかを確認し、荷物の移動がどのくらいあるか、暮らしがどのように変わるかを、事前にイメージしておくことが大事です。

耐震補強工事は、「1.現地調査」→「2.耐震診断」→「3.耐震補強案作成」→「4.耐震補強工事」の順で行います。耐震補強案ができたタイミングで、家族間で話し合っておきましょう。

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補強案の段階で、だいたいの費用感も見えてきます!

事前におおよその費用目安を知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。

耐震補強工事の費用は150万円前後が目安!相場について詳しく解説>>

木造住宅で住みながらできる耐震補強工事まとめ

住みながら耐震補強工事ができるかは工事内容によって決まるものの、当社の実績としては住みながら行ったお客様のほうが多い印象です。

しかし、家を空にしたほうが工事の効率が上がり、結果的に費用を抑えられることもあります。また、工事によって生活習慣、とくに食生活が変わる場合は、家族の健康管理に注意が必要です。

鈴与ホームパルでは、これらのことを考慮しながら耐震補強案を作成します。費用面や工事中の暮らしについて不安に感じることがありましたら、何でもお気軽にご相談くださいね。

この記事のポイント・耐震補強工事は住みながらできるケースがある
・大規模な改修など工事内容によっては仮住まいをおすすめすることも
・住みながら工事を進める場合は、
 荷物の移動や暮らしのスペースが変わることを確認しておく
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