フローリングを張り替えるタイミングや費用、注意点を解説
フローリングは耐久性のある床材ですが、長年使ってくると見た目が劣化したり、きしみ音やへこみが発生することがあります。これらのサインが見られた際には、張り替えを検討しましょう。
ここでは、フローリングの張り替え時期の目安や費用、工法の違い、注意点などについて、詳しく解説します。フローリングの張り替えを検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
フローリングを張り替えるタイミング
一般的に、フローリングの張り替え時期は築15~20年といわれています。ただし、使用環境やお手入れの頻度などによっても違いが生まれるため、あくまでも目安として捉えましょう。とくに、以下のような劣化のサインが見られた場合は、張り替えの検討をおすすめします。
・歩くときしむ音がする
・床のへこみや沈みを感じる
・傷や汚れ、色褪せが目立つ
また、劣化のサインが見られなくても、以下のような理由でフローリングの張り替えを検討する方もいます。
・底冷えするので断熱性を高めたい
・ペットと暮らすために、滑りにくくキズや汚れに強い床に変えたい
・バリアフリーとして、滑りにくくクッション性のある床に変えたい
・内装の雰囲気を変えたい
・壁紙やキッチンなどのリフォームと合わせてキレイにしたい
鈴与ホームパルでフローリングの張り替えを検討される主な理由としては、歩く時の「きしみ音」など、長年の使用によって生じる劣化が挙げられます。このような場合、床そのものの劣化だけでなく、床下に問題が生じている可能性があります。フローリングの張り替えを検討する際は、床下の調査も一緒に依頼するのが理想的です。
フローリングの張り替えリフォームの方法
フローリングのリフォームといえば、既存の床を剥がして新しい床材を貼る大掛かりな「張り替え」工事を思い浮かべ、高額なイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
しかし、既存の床の上から新しい床材を貼る「重ね張り」であれば、工期やコストを抑えられます。
工法 | 張り替え | 重ね張り |
費用目安 | 4.5~35万円 | 4~20万円 |
工期 | 2~4日 | 半日~2日 |
張り替えと重ね張りの違いを押さえて、床の状態や予算に応じて適切なリフォームを選びましょう。以下で、それぞれのリフォーム内容やメリット・デメリットを解説します。
張り替え
張り替えは、既存の床を剥がして新しい床材を貼る方法です。既存の床を剥がすため、床下の状態を調査しやすくなります。
とくに、床のたわみやへこみが気になるときは、床下に問題がある可能性が考えられるので、こちらの方法で床下を調べつつリフォームすると良いでしょう。
また、床暖房の設置を検討している場合や冬場の床の冷えが気になる場合も、張り替えがおすすめです。既存の床を剥がすので、床下に床暖房を設置したり、断熱材を入れたりすることが可能です。
ただし、既存の床材を剥がす作業が必要になることから、重ね張りよりも高額になり、工期も長くかかってしまいます。
重ね張り
重ね張りは、既存の床を剥がさずに、既存の床の上に新しい床材を貼る方法です。床のきしみやへこみといった症状がなく、雰囲気や見た目、保護を目的とするのであれば、費用も工期も抑えられる重ね張りがおすすめです。
ただし、重ね張りは床材が2枚重ねになるので、以下のような点に注意しなければなりません。
・重ね張りでリフォームする部屋としない部屋があると段差ができてしまう
・収納扉や扉が開かなくなる場合がある
段差ができてしまうと、つまずいてケガをする危険があります。解決策として、見切り材を用いて傾斜を作り段差をなくす方法や、厚みの薄い床材を選ぶ方法があります。
鈴与ホームパルでは、Panasonicの「ウスイータ」という厚さ1.5mmの床材を取り扱っているため、段差が少なく意匠性の高いリフォームが可能です。この薄さでも車いすが使えるほどの強度を持ち、床暖房の上に貼れるタイプもあります。施工は約1日と、工期の短さも魅力です。
張り替える床材ごとの種類と特徴
フローリングからリフォームする場合、床材ごとの費用目安は以下のとおりです。
床材の種類 | 張り替え | 重ね張り |
無垢フローリング | 15~35万円 | 10~20万円 |
複合フローリング | 10~17万円 | 7~15万円 |
フロアタイル | 5~10万円 | 5~6.5万円 |
クッションフロア | 4.5~8万円 | 4~5.5万円 |
フローリング
フローリングは、無垢フローリングと複合フローリングに分けられます。
無垢フローリングは、100%天然木を使用したものです。複合フローリングは複数の合板を貼り合わせた基材の上に、薄くスライスした天然木や、木目のプリントシールなどを貼り付けて作られたものです。
天然木ならではの風合いを楽しみたいなら無垢フローリング、幅広いデザイン、お手入れの手軽さを選ぶなら複合フローリングがおすすめです。
それぞれの特徴と、張り替え費用の目安について、下表にまとめました。
無垢フローリング | 複合フローリング | |
費用(6畳) | 張り替え:12~20万円 重ね張り:10~15万円 | 張り替え:10~17万円 重ね張り:7~15万円 |
メリット | ・天然木ならではの風合いが楽しめる ・調湿・消臭効果に優れている | ・ 無垢フローリングと比べて安価 ・防音や防水といった機能が付いたものもある ・メンテナンスが簡単 ・デザインのバリエーションが豊富 |
デメリット | ・価格が高い傾向がある ・定期的なメンテナンスが必要 | ・天然木ならではの風合いは楽しめない |
フロアタイル
フロアタイルとは、PVC(ポリ塩化ビニル)素材で作られたタイル状の床材のことです。「塩ビタイル」と呼ばれることもあります。
木目調や大理石調などのデザインなどバリエーションの豊富さが特徴です。いずれも本物の素材に近い見た目や質感を再現しており、高級感を演出しやすいでしょう。耐久性、メンテナンス性に優れている点もポイントです。
フローリングからフロアタイルへリフォームする場合の費用目安は、張り替え工法では5~10万円、重ね張り工法では5~6.5万円です。フローリングよりは安価ですが、後述のクッションフロアよりはやや高価な傾向があります。
クッションフロア
クッションフロアは、塩化ビニール樹脂を原料とする床材です。
クッション性に優れ、転倒時のケガの防止に役立ちます。そのため、高齢者や小さい子どものいる家庭におすすめです。ただし、家具や重いものを置くとへこみが生じる可能性がある点がデメリットです。
また、耐水性に優れているため、洗面所やトイレ、キッチンなどの水回りの床部分にも適しています。表面には、木目調や大理石調といったデザインがプリントされており、バリエーションが豊富な点も魅力です。
フローリングからクッションフロアへリフォームする場合の費用目安は、張り替え工法では4.5~8万円、重ね張り工法では4~5.5万円となります。
フローリングの張り替えリフォームのポイント・注意点
ここからは、フローリングの張り替えリフォームを成功させるためのポイントや注意点を、いくつか紹介します。なかでもリフォームを依頼する業者選びは、成否を左右する重要なポイントです。
リフォーム業者に依頼する
床下の劣化を感じる場合や、仕上がりの綺麗さを求めるなら、リフォーム業者に依頼するのがおすすめです。とくに、床材を剥がして張り替え工事を実施する場合は、リフォーム業者への依頼が必須といえるでしょう。
既存のフローリングの上に新しい床材を貼る「重ね張り」ならDIYでも挑戦しやすいですが、技術的な問題から、隙間や段差ができてしまうことがあります。
プロのリフォーム業者に依頼すれば、隙間や段差のない美しい仕上がりが実現するだけでなく、部屋の雰囲気や用途に合った最適な床材を提案してもらえるでしょう。仕上がりの面で後悔をしたくない場合は、プロに任せるのが安心です。
段差は見た目の美しさだけでなく、安全性にも関わってきます。たとえ数ミリ、数センチの段差でも、高齢者やお子様にとってはつまずきやすく、思わぬケガの原因となることがあります。プロによる施工なら、こうしたリスクも無くすことができるでしょう。
あわせて床の段差解消も検討する
床の段差で気になっている箇所があれば、床の張り替えリフォームと同時に、段差の解消も検討しましょう。段差は転倒によるケガの原因になります。とくに高齢者がいるご家庭では、つまずきによる死亡事故(※)も実際に起きているので、検討したいポイントです。
また、床の張り替えと段差の解消を同時に依頼すると、別々に依頼するよりも手間や費用を抑えられるでしょう
鈴与ホームパルには、高齢者や障がいを持つ方が安心して暮らせる住環境を提案する「福祉住環境コーディネーター」が在籍しているので、バリアフリーの観点からの提案も可能です。
床だけでなく建物構造などにも詳しい会社を選ぶ
床の張り替えは見た目の美しさだけではなく、床下の劣化や家の傾き、床材の特性も考慮する必要があります。
例えば建物に傾きがある場合、特定の部屋の床だけを平らに仕上げると、ほかの部屋との段差が発生することがあります。
また、床下に劣化やシロアリ被害があった場合、表面の張り替えだけでは根本的な解決になりません。さらに、無垢材のような自然素材の床材は季節によって伸縮するため、その特性に合わせた施工技術が求められます。
これらの問題を把握・解決するには、建物全体の構造に関する専門的な知識が不可欠です。床だけでなく、構造部や素材の特性ごとに異なる施工方法を理解した会社を選ぶことで、長期的に安心して暮らせるリフォームを実現できるでしょう。
マンションの場合は管理規約をチェックする
マンションで床の張り替えをする際は、管理規約を守ってリフォームをすることが大切です。
管理規約の詳細はマンションによって異なるので、十分にチェックし、不明点があれば管理会社に相談してください。とくに多いのが、防音性のある床材を使用するように定められているケースです。
またリフォームを実施する際は騒音や振動が発生する可能性があるため、近隣住民に知らせることも忘れずに行いましょう。
まとめ
フローリングの張り替えは、劣化した床を美しく生まれ変わらせるリフォームです。張り替えの目安は築15~20年ですが、床のきしみやへこみなどの症状が現れたら、張り替えを検討しましょう。張り替えか重ね張りかは、床の状態や予算に合わせて選択してください。
フローリングの張り替えは、リフォーム業者に依頼するのがおすすめです。高い張り替え技術はもちろん、床の段差解消や、部屋の雰囲気に合った床材選びなど、プロの視点からアドバイスを受けられる点もメリットです。また、マンションの場合は管理規約のチェックも忘れずに行いましょう。
鈴与ホームパルでは、経験と知識が豊富なアドバイザーがお客様にぴったりのプランをご提案します。気になることやお悩みなどお気軽にご相談ください。
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