海外製の食洗機の特徴を紹介!日本製との違いや主要メーカーについても解説
「ビルトイン食洗機を新しく導入したい」または「交換したい」という方の中で、海外製の食洗機を検討している方もいらっしゃるでしょう。海外製の食洗機と日本製の食洗機は、容量・洗浄力・乾燥機能などの点に違いがあります。
そこで今回は、海外製の食洗機の特徴や日本製の食洗機との違いを解説しつつ、日本で人気のある海外食洗機メーカーをご紹介します。ビルトイン食洗機のメーカーを選ぶ際の参考にしてみてください。
海外製の食洗機の特徴
まずは、海外製の食洗機の特徴を見ていきましょう。
日本製の食洗機と比較すると分かりやすくなるため、以下の表に、海外製食洗機と日本製食洗機の特徴をまとめました。以降の段落で、それぞれ詳しく解説します。
比較項目 | 海外製 | 日本製 |
幅 | 60cmが主流 | 45cmが主流 |
タイプ | フロントオープン式が主流 | スライドオープン式が主流 |
洗浄能力 | 強い(予洗いは不要) | 海外製よりもやさしい(予洗いが必要) |
乾燥方式 | 余熱 | ヒーター |
庫内の素材 | ステンレスが主流 | 樹脂が主流 |
リフォームにかかる費用 ※工事費を含む | 40~60万円程度 | 20~30万円程度 |
幅
ビルトイン食洗機の幅は、海外・日本ともに45cmと60cmの2パターンの展開です。
海外では1日分の食器をまとめて洗う習慣があるため、容量の大きい60cm幅が主流です。一方、日本は毎食後洗う習慣があるため、コンパクトな45cm幅の食洗機が普及しています。現在お使いの食洗機が45cm幅というご家庭も多いでしょう。
ビルトイン食洗機の場合、海外製・日本製を問わず、幅の違う食洗機への交換は原則としてできません。正確に言えば、システムキッチンを改造すれば組み込めますが、その分費用がかかります。
食洗機の幅を変えたい(容量を変えたい)ときは、システムキッチン自体を新しくするときに検討するといいでしょう。
ちなみに、食洗機の高さも海外製は高い傾向がありますが、国内で流通する海外製食洗機は日本仕様になっているため、組み込み可能なことがほとんどです。ただ、配管スペースの確保は必要になります。
タイプ
ビルトイン食洗機の扉のタイプには、「フロントオープン式」と「スライドオープン式」の2種類があります。
■フロントオープン式
■スライドオープン式
海外製はフロントオープン式が主流です。フロントオープン式は扉を手前に倒すように開けるタイプのことで、収納部分が上下2段になっており、大容量なのが特徴。1日分をまとめて洗う習慣に適した仕様といえます。
2段になっていることから食器を分類しやすく、鍋などの大きな調理器具もスムーズに収納できるのがメリットですが、下段に入れるときはかがむ必要が出てきます。
一方、日本ではスライドオープン式が大半です。引き出し式なのでかがまず食器を出し入れできますが、下から積み上げて収納するため、入れる順番に工夫が求められます。また、スライドさせるための枠が必要になる分、容量は小さくなります。
洗浄能力
洗浄力の高さは、海外製に軍配が上がります。日本製食洗機は予洗いを想定して設計されているため、海外製と比較するとやさしい洗浄力。一方、海外製食洗機は、こびりついた汚れも落とすほどパワフルな洗浄力を備えています。
これは、海外の家事時短のニーズと水道代の高さが影響していると考えられます。海外製食洗機はドイツ製が高いシェアを誇り、ドイツは日本に比べ共働き世帯が多く水道代も高め。そのため、いかに時間や水を使わず食器を洗うかを重視した設計になっているのです。
海外製は予洗いが不要な分、さらに家事の手間を省けます!
乾燥方式
日本製の食洗機は、洗浄後にヒーターで温風をつくり、庫内に行き渡らせることで食器を乾燥させる仕組みです。一方、海外製の食洗機は余熱乾燥が一般的。
余熱乾燥とは、高温のお湯で洗浄し、その余熱で乾かす仕組みのことです。洗浄後に自動で扉が開き、水蒸気を逃す機能が付いているものもあります。
海外は湿気が少ない気候であることから、洗浄後に扉を開ければ食器が乾く環境ですが、日本では季節によって完全に乾かないこともあります。ただ、食洗機利用後にすぐ食器を仕舞うケースは少ないことから、この点がデメリットになることは少ないでしょう。
むしろ温風をつくらない分、電気代を節約できます。海外製はエコを重視している点も特徴です。
庫内の素材
日本製食洗機は庫内の素材が樹脂製のものが多いですが、海外製食洗機はステンレスが大半です。
庫内の素材 | メリット | デメリット |
樹脂製 | ・水アカが目立ちにくい ・洗浄中の音が響きにくい ・軽いため開けやすい | ・色素沈着をする ・ヌメリが付きやすい |
ステンレス製 | ・耐久性がある ・色素沈着をしない | ・水アカが目立つ ・小さな傷が付きやすい ・洗浄音が響きやすい |
樹脂製にもステンレス製にもメリットとデメリットがあるため、一概にどちらがいいとは言えません。それぞれの特徴を挙げるとすれば、樹脂製は洗浄音が響きにくい、開け閉めしやすいなど操作性があるため、使う人にやさしいといえます。
一方、ステンレス製は耐久性があり汚れに強いため、長期にわたりキレイを保つことができます。扉にも厚みがあり、重厚感・高級感があるのが特徴です。
リフォームにかかる費用
海外製の食洗機は日本製と比べて高額な傾向にあります。また、海外製は日本製と配管の仕様が異なるため、工事費用も高くなりがちです。
メーカーや機種によって差がありますが、海外製食洗機のリフォーム費用(本体価格+工事費)は、日本製の約2倍です。
ただし、耐用年数は海外製のほうが長めです。日本製食洗機の耐用年数は10年程度ですが、海外製食洗機の耐用年数は15~20年程度。そのため、海外製食洗機を20年使えば、結果として同じ程度のコスト負担になるでしょう。
単純に費用だけで比較するのではなく、どういった機能が欲しいか、性能と予算を照らし合わせて決めていきましょう。
食洗機の交換費用や寿命については、以下の記事も参考にしてみてください。
システムキッチンの食洗機を交換したい!目安や工事について解説>>
海外製のおすすめのビルトイン食洗機
ここからは、日本で人気のある海外食洗機メーカーを4つご紹介します。いずれもドイツのメーカーで、機能性とデザイン性の両方を兼ね備えています。
メーカー名 | 特徴 |
Miele(ミーレ) | ・日本でトップシェアを誇る海外製の食洗機 ・製品のラインナップが多い ・耐久性が高い |
BOSCH(ボッシュ) | ・世界での販売台数がNo.1 ・乾燥能力に優れている ・価格帯が低め |
GAGGENAU(ガゲナウ) | ・ドイツでは高級ブランドして認知 ・乾燥能力に優れている ・細部までこだわったデザイン・機能性 |
AEG(アーエーゲー) | ・ドイツの老舗家電メーカー ・「コンフォートリフト」で食器の出し入れがラク ・価格帯が低め |
Miele(ミーレ)
【特徴】
・日本で高いシェアを誇る海外製の食洗機
・製品のラインナップが多い
・耐久性が高い
ミーレは日本でのシェアが高く、「海外製食洗機といえばミーレ」というほど知名度のある家電メーカーです。取り扱い会社も多いため、取り付け工事においても安心感があります。
また、ほかの海外製と比べて製品のバリエーションが多いのも特徴です。扉材や操作パネルのデザインの種類が豊富なので、お使いのキッチンと雰囲気を合わせやすいでしょう。
お値段はやや高めですが、耐久性が高いため、長く安心して使いたい方に好まれています。
ミーレの食洗機は当社でも取り扱っています!
BOSCH(ボッシュ)
【特徴】
・世界での販売台数がNo.1(※1)
・乾燥能力に優れている
・価格帯が低め
※1:ユーロモニター調査2022年販売実績にて
ボッシュは、食洗機において世界トップシェアを誇るメーカーです。食洗機だけではなく、自動車機器や電動工具でも世界を席巻しています。
機能面における最大の特徴は、ボッシュが独自開発した「ゼオライト・ドライ」という乾燥機能。ゼオライトとは、湿気を吸着すると熱を放出する鉱物のこと。洗浄時は庫内の温度を高め、乾燥時は湿気を吸収して乾燥を促します。電力などのエネルギーを使わず乾かす技術が魅力です。
また、今回紹介する食洗機メーカーの中で、価格が比較的リーズナブルなのもうれしいポイントです。
GAGGENAU(ガゲナウ)
【特徴】
・ドイツでは高級ブランドとして認知
・乾燥能力に優れている
・細部までこだわったデザイン・機能性
ガゲナウはビルトインキッチン機器の老舗メーカーで、ドイツでは高級家電ブランドとして認知されています。2008年にボッシュ社の子会社になったため、ボッシュの製品と機能面で似たところがあるのが特徴。たとえばガゲナウにも、ゼオライト・ドライ機能が搭載されています。
価格は高めですが、その分デザイン性と機能性に妥協がありません。好みはあるものの、シンプルながら洗練されたデザインは多くの人を魅了します。
また、庫内のバスケットはレール式で操作性が良いのもポイント。奥への出し入れもスムーズに行えるよう、完全に引き出せる仕様になっているのもガゲナウならではの特徴です。
ボッシュ社の中でガゲナウが高級ライン、ボッシュがスタンダードラインという位置付けです。
AEG(アーエーゲー)
【特徴】
・ドイツの老舗家電メーカー
・「コンフォートリフト」で食器の出し入れがラク
・価格帯が低め
アーエーゲーもドイツの老舗家電メーカーで、世界有数の家電メーカーであるスウェーデンのエレクトロラックス社のグループです。
アーエーゲーの食洗機の大きな特徴は「コンフォートリフト」です。これは、下段のバスケットを片手で上段のバスケットの高さまで引き上げられる機能のこと。立ったまま食器の出し入れができるため、腰や膝にやさしい仕様です。また、仕分けがしやすいよう、カトラリー専用のトレーがあるのも特徴です。
機能性や省エネ性は高いレベルをキープしつつ、価格はミーレやガゲナウより安価な点が魅力。コストパフォーマンスに優れたメーカーといえます。
引用:https://www.aeg-jp.com/appliances/dishwashers/fsk93817p/
海外製と日本製、どちらの食洗機がおすすめ?
これまでの内容を踏まえ、あらためて海外製と日本製の食洗機の特徴をまとめてみました。
海外製 | ・容量が大きめ ・洗浄能力が高い ・省エネ性が高い ・耐久性がありキレイを保ちやすい (ステンレス製の場合) ・日本製と比べてリフォーム費用が高い ・日本のキッチンとの互換性に乏しい |
日本製 | ・海外製に比べ容量が小さめ ・乾燥能力が高い ・軽くて開けやすい(樹脂製の場合) ・運転音が気になりにくい(樹脂製の場合) ・海外製と比べてリフォーム費用が安い ・日本のキッチンを基準としているため、互換性がある |
海外製も日本製もそれぞれに特徴があるため、どういった目的で食洗機を使いたいかで選ぶことが大事です。
日本のキッチンとの互換性については、給排水配管の位置が関係しています。日本製食洗機は、食洗機の下に給排水配管を配置する構造ですが、海外製は容量を確保するために左右に配置する構造です。また、日本製は給水・給湯配管が一般的ですが、海外製は給水配管が基本となっています。
そのため、日本製食洗機から海外製食洗機に交換する際は、配管の接続工事が複雑に。単純に、食洗機を交換する工事だけでは済まないことが多いです。
また、海外製食洗機を取り扱う店舗は限定されているため、リフォーム会社選びもポイントになってきます。
当社では海外製の食洗機を取り扱っていますが、認知度や費用面、配管の関係から日本製の食洗機を選ばれる方が多い傾向です。ご自宅のキッチンとの兼ね合いを見て検討されるといいでしょう。
海外製の食洗機まとめ
海外製の食洗機について詳しく解説しました。日本よりも食洗機の普及率が高い欧米諸国の食洗機は、機能の高さに目を見張るものがあります。一方、価格やサイズ、工事の面から見れば、日本製のほうが検討しやすく、機能的にも相性がいい場合があります。
それぞれ一長一短ですから、気になる場合は両者を見比べてみるのがおすすめです。鈴与ホームパルでは日本製の食洗機はもちろん、一部のショールームでミーレの食洗機を取り扱っております。
実物を見て確かめたい方は、どうぞお気軽にお越しください。食洗機に求めるものやご自宅のキッチンの仕様に合わせて、適切な食洗機をご提案させていただきます。