二重窓は防犯対策になる?効果を解説
「二重窓は防犯対策にもなる」と聞いたことのある方はいらっしゃいませんか?戸建て住宅において、空き巣の侵入口として最も狙われやすいのが「窓」。そのため、住まいの防犯性を高めたいときは「侵入しにくい窓」にすることがポイントになります。
今回は、二重窓の設置が防犯対策として有効な理由や、二重窓以外の防犯対策との違いについて解説します。断熱、結露、防音対策として二重窓を検討している方も、プラスアルファの利点として防犯面に注目してみましょう。
二重窓が防犯対策として有効な理由
二重窓とは、既存の窓の内側にもう1つ窓を取り付け、文字どおり窓を二重にすること。警視庁が公開している「侵入窃盗の防犯対策」では、二重窓による対策は取り上げられていないものの、空き巣の実態を考えると、二重窓は空き巣が嫌がる窓だと考えられます。
二重窓が防犯対策として有効な理由は、主に次の2つです。
・窓からの侵入に時間がかかる
・視覚的な抑止力にもつながる
以下で詳しく見ていきます。
窓からの侵入に時間がかかる
警察庁の調査によると、戸建ての侵入犯罪の侵入口として最も多いのが「窓」。侵入手口の1位は「無締り」、2位は「ガラス破り」となっています。
■犯人の侵入手段
1位:無締り(46.4%)
2位:ガラス破り(37.7%)
3位:その他(4.3%)
■犯人の侵入口(令和4年度・総数12,071件)
無締りは気を付けるほかありませんが、ガラス破りについては対策を講じれば防ぐことが可能です。警視庁の調査によると、侵入に5分かかると約7割の侵入者が侵入を諦めるとされています。
二重窓の場合、2枚のガラスを割らなければ侵入できないため、空き巣にとってよくない状況をつくることができるのです。
また、開口部の防犯対策では「1ドア2ロック」がポイントに。1つのドアや窓に2つ以上の鍵を設置し、解錠に時間がかかる状況にすることで、空き巣が犯行を諦めるきっかけをつくります。
「侵入するのに時間がかかる窓」にすることが重要です!
視覚的な抑止力にもつながる
二重窓には視覚的な抑止効果も期待できます。
空き巣は住んでいる人の生活パターンを時間をかけて監視し、狙いを定めて犯行に及びます。下見をするポイントとして必ず含まれるのが、「住宅への入りやすさ」。
空き巣は簡単に侵入できる住宅を狙い、侵入に時間がかかりそうな家は対象から外します。二重窓は、侵入するまでに2枚の窓を割る必要があることが見ただけでわかるため、空き巣の対象から外れやすくなるのです。
二重窓以外の窓の防犯対策との違いは?
二重窓以外にも、窓の防犯性を高める方法はあります。主な方法は、次の5つです。
・面格子の取付け
・シャッターの設置
・防犯ガラスへの交換・防犯フィルムの貼り付け
・クレセント錠の交換・補助錠の取付け
・防犯カメラ・センサーライトの設置
ここでは、二重窓による防犯対策と、二重窓以外の窓の防犯対策との違いについて見ていきましょう。
面格子の取付け
面格子とは、窓の外に取り付ける格子のこと。戸建ての場合、キッチンや浴室、トイレなどの小窓に設置されるケースが多いです。
二重窓と同様、視覚的にも防犯効果がある点が特徴です。面格子は遠くからでも認識できる分、二重窓より視覚的抑止力があるといえるでしょう。
一方デメリットは、住人の出入りや室内からの景観に制限が生まれる点です。面格子は固定されているため、津波や火災などの避難時に脱出経路として使えません。また、外の景色も見えづらくなります。
二重窓は避難時の避難経路にもなり、外の景観も損なわれない点が面格子との大きな違いです。
面格子は採風用の小窓に向いています。
シャッターの設置
窓の防犯対策として、真っ先にシャッターを思い浮かべる方も多いかもしれません。シャッターは視覚的な防犯効果が高いほか、侵入にも相当な時間を要します。
とくに電動シャッターの場合、外から簡単に開けられない仕組みになっているため、手でこじ開けるのは困難です。また、開口部全体を覆うため、台風対策や遮光対策にもなります。
二重窓との大きな違いは、採光性です。シャッターは閉じると採光がなくなります。昼間の在宅中の防犯対策としては使いにくい傾向があります。
最近は採光や通風を確保できるシャッターも登場しています。
防犯ガラスへの交換・防犯フィルムの貼り付け
防犯ガラスは、ガラスとガラスの間にフィルムを挟んだガラスのこと。防犯フィルムは、既存の窓に貼り付ける防犯性の高いフィルムのこと。いずれも、景観や採光を確保できる点は二重窓と同じです。
防犯ガラスや防犯フィルムを選ぶときは、「CPマーク」が付いたものを選ぶといいでしょう。CPマークとは、防犯性能試験において侵入攻撃に5分以上耐えられたものだけに与えられるマークのことです。
また、防犯ガラスやフィルムは台風などの自然災害時に、外からの飛散物による窓ガラスの破損を防ぐ効果もあります。しかし、逆を返せば、ガラスを破って避難できないといった難点も。何を重視するかがポイントになるでしょう。
防犯ガラスやフィルムのご依頼をいただいたときは、断熱や結露などのお悩みの有無によって、二重窓をご提案させていただくこともあります。
クレセント錠の交換・補助錠の取付け
クレセント錠
補助錠
クレセント錠とは、一般的な引き違い窓に取り付けられている三日月の形をした鍵のこと。これは本来、ガラスとサッシを留めてすき間を無くすためのものであるため、実は防犯性は高くなく、ガラスを割ればすぐに解錠できてしまいます。
そのため、一般的なクレセント鍵を防犯性のあるクレセント鍵に交換することで、空き巣による解錠を防ぐことができます。
また、補助錠の取付けも空き巣対策として有効です。価格が安く簡単に設置できるため、手間をかけずに「1ドア2ロック」を実現できます。
防犯性のあるクレセント錠と補助錠はいずれも高い防犯効果があり、二重窓よりも手軽に取り付けが行える点がメリットです。ただ、断熱や結露など他にも解決したい悩みがある場合は、二重窓の設置が適しているでしょう。
「錠」は防犯効果は高いものの、防犯以外の効果は期待できません。
これらは、玄関など家の外側に設置するもののため、二重窓と合わせて取り入れるのもいいでしょう。防犯対策に力を入れていることを空き巣にアピールできます。
二重窓の防犯効果まとめ
二重窓において、防犯はあくまで付加価値としての性能ではあるものの、二重窓を設置することで「侵入しにくい窓」になることは確かです。二重窓には断熱や結露、防音対策に役立つ機能があるため、当社でもご依頼件数の多いリフォームの一つになっています。
また、二重窓の設置は補助金制度の対象になることが多く、お得にリフォームできる点もメリットです。鈴与ホームパルでは施工事例も踏まえ、目的に応じた二重窓の取り付け方法をご提案しております。疑問や不安に感じることがありましたら、いつでもお気軽にお声がけください。
なお、二重窓の特徴や効果については、こちらの記事でも取り上げています。ご検討の際、ぜひ参考にしてみてください。