二重窓のリフォーム費用はどれくらい?費用を抑える方法も紹介
二重窓とは、今ある窓の内側にもう1つ窓を取り付け、窓を二重にすることをいいます。寒い季節になってくると、断熱効果のある二重窓の依頼が増え、その際によく聞かれるのがリフォーム費用についてです。予算の範囲であれば、すぐにでも設置したいという方が多くいらっしゃいます。
そこで今回は、二重窓のリフォーム費用の目安や費用にかかわる要素、費用を抑える方法についてご紹介します。断熱や結露、防音対策をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
二重窓のリフォーム費用の目安
二重窓のリフォーム費用の相場は、人の腰ぐらいの高さに設置された腰高窓(こしだかまど)で約5万円~10万円、床面まで開口部がある掃き出し窓(はきだしまど)は約9万円~20万円です。
費用に幅があるのは、窓の種類やサイズなどによって費用が異なるためです。リフォーム会社に現地調査に来てもらい、見積もりを出してもらうことで正確な費用を把握できます。
二重窓のリフォーム費用にかかわる要素
ここからは、二重窓のリフォーム費用を左右するポイントについて見ていきましょう。費用にかかわる要素は主に以下の3つです。
・ガラスの組み立て方
・設置箇所
・窓のサイズ・タイプ
ガラスの組み立て方
二重窓のガラスの構造にはいくつか種類があり、どれを選ぶかで機能や費用が変わります。そのため、どういった目的で二重窓を設置するかがポイントです。
ガラスの構造 (価格順) | 詳細 | 特徴 |
単板ガラス | 1枚のガラスで作られた 窓ガラス | ・1枚のガラスであり厚みもないため、 断熱性や防音性、結露防止などの効果は期待できない。 |
複層ガラス | 2枚のガラスの間に 空気層がある窓ガラス | ・ガラスとガラスの間にできる空気の層が 熱伝導を和らげるため、断熱や結露対策に優れる。 ・防音効果はあまり期待できない。 |
合わせガラス | 2枚のガラスの間に合成樹脂の 中間膜を挟み込んだ窓ガラス | ・ガラスとガラスの間に中間膜を入れることで、 モノがぶつかった際のガラスの飛散や貫通を防ぐ。 ・防犯・防災に役立つほか防音効果もある。 一方、断熱性能はあまり期待できない。 |
真空ガラス | 2枚のガラスの間が 真空になっている窓ガラス | ・複層ガラスに似ているが、真空は熱や音を伝えないため、 複層ガラスよりも断熱性が高く、結露対策にも優れている。 ・防音効果も高い。 |
熱や音に対する効果は真空ガラスが最も優れ、防犯・防災に特化するのなら合わせガラスが最適です。ただ、その分価格は高くなり、上記のガラスを価格の高い順に並べると、真空ガラス・合わせガラス→複層ガラス→単板ガラスとなります。
断熱対策や結露対策のために二重窓を設置する場合、寒さ・暑さが厳しいエリアでは真空ガラスが有力な選択肢となるでしょう。
一方、標準的なエリアでは複層ガラスが多く選ばれており、環境によっては単板ガラスが採用されることも。単板ガラス自体に断熱性能はないものの、窓が二重になることで得られる効果があるためです。
また、窓ガラスの機能性は構造のほか、ガラス自体の種類も大きく影響します。断熱性能の高いガラスに「Low-Eガラス」というものがあり、このガラスを選ぶことで、断熱や結露予防の効果がアップ。通常のガラスよりも価格は上がりますが、断熱を目的とした二重窓ではLow-Eガラスを選ばれる方が多いです。
目的別の窓リフォームの費用相場をまとめた記事もございます。こちらもチェックしてみてください。
窓リフォーム費用は?リフォーム内容別の相場と費用を抑えるためのコツをご紹介>>
ちなみに静岡エリアでは、Low-Eガラスの複層ガラスが最も人気が高いです。
設置箇所
二重窓を設置する数も、費用を左右するポイントです。たとえばリビングの窓だけ二重窓にするのと、家全体の窓を二重窓にするのとでは費用は大きく変わります。
また、断熱・結露・防音を意識して二重窓を設置する場合は、一部屋単位でリフォームを考えるのがおすすめです。熱や音の出入りがある窓が残っていると、期待する効果を得られないケースがあります。
窓のサイズ・タイプ
二重窓は既存の窓のサイズ・タイプに合わせて設置することが大半で、既存の窓の面積が広ければ、その分費用は高くなります。
既存の窓タイプは通常2枚建てであることが多いですが、3枚建てや4枚建ての窓もあります。たとえば4枚建ての窓に2枚建ての二重窓を取り付けることは可能ですが、鍵の位置が変わり施錠が困難になるため、あまりおすすめはできません。
以下に、二重窓の費用目安を、腰高窓と掃き出し窓に分けてまとめました。
【腰高窓(こしだかまど)】※窓1箇所あたりの製品価格(工事費は含みません)
ガラスの構造 | 2枚建て | 4枚建て |
単板ガラス | 48,000円~ | 66,000円 |
複層ガラス | 64,000円~ | 86,000円~ |
合わせガラス | 86,000円~ | 1,010,000円~ |
真空ガラス | 記載なし | 記載なし |
※一般的なサイズ:(幅)180cm×(高さ)90~120cmで算出
【掃き出し窓(はきだしまど)】※窓1箇所あたりの製品価格(工事費は含みません)
ガラスの構造 | 2枚建て | 4枚建て |
単板ガラス | 107,000円~ | 168,000円~ |
複層ガラス | 160,000円~ | 206,000円~ |
合わせガラス | 209,000円~ | 264,000円~ |
真空ガラス | 記載なし | 記載なし |
※一般的なサイズ:(幅)170~180cm×(高さ)220~220cmで算出
上記はいずれもLIXILの「インプラス」の価格です。前述したように、単板ガラス、複層ガラス、合わせガラスの順に、1.3倍から1.5倍程度価格が上がることが分かります。
真空ガラスの価格は合わせガラスと同等と考えて問題ありません。
二重窓のリフォーム費用についてよくある質問
ここからは、二重窓のリフォームでよくいただく質問についてまとめました。費用をできるだけ抑えたい方、マンションにお住まいの方などは、ぜひ参考にしてみてください。
費用を抑える方法はある?
これまでご紹介したとおり、二重窓のリフォーム費用を構成する要素はさまざまです。ガラスをシンプルなものにしたり、設置枚数を減らしたりすることで費用を抑えることは可能です。ただし、予算ばかりを重視すると期待する効果は得にくくなります。予算を考慮しながらも、目的に合ったプランを採用することが大事です。
費用を抑えたいときは、補助金の活用がおすすめです。省エネ対策に有効な二重窓は、国も促進したいリフォームの一つ。自治体が独自に行う補助金制度もあります。国のサイトやお住まいの自治体のホームページを確認してみましょう。
補助金の活用もあり、窓メーカーの二重窓の受注数は前年比で6倍ほどに増えています。二重窓のニーズが高まっていることがわかりますね。
二重窓で利用できる補助金については、こちらのページで詳しく解説しています。
【2023年版】二重窓のリフォームで活用できる補助金をチェックしよう!>>
マンションに設置する場合も費用は変わらない?
リフォームでは戸建てとマンションとで費用が変わるケースがありますが、二重窓の場合はそれほど大きな違いはありません。
ただ、エレベーターのないマンションや出入り口に駐車スペースがないマンションは、搬入のための人件費や駐車料金が追加でかかることも。見積もりにこれらの記載があるかもチェックしておきましょう。
マンションでは結露対策で二重窓を設置される方が多い印象です。
マンションの窓を二重窓にするときのポイントや費用目安は、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
二重窓はマンションでも取り付け可能!気になるポイントを徹底解説>>
費用に見合った効果は得られる?
断熱性能や防音性能などは見た目で判断がつきにくいため、本当に効果があるのか気になることがありますよね。
二重窓にすると、以下のような効果が期待できます。
・断熱効果(≒電気代の削減効果)
・結露の軽減効果
・防音効果
・防犯効果
二重窓はどの効果を得たいかで、ガラスの種類や設置枚数が決まります。目的に合った方法を選択しなければ、期待する効果は得られません。
また、メリットの多い二重窓ですが、「窓が重くなり開閉に手間がかかる」「室内が少し狭くなる」などのデメリットもあります。これらも知ったうえで設置を検討すると後悔が少ないでしょう。
お客様が納得してリフォームができるよう、当社ではデメリットも必ずお伝えしています。
二重窓にして後悔した理由や二重窓のデメリットをまとめた記事もございます。こちらも参考にしてください。
二重窓を設置して後悔することはある?リフォームを失敗しないためのコツとは>>
二重窓のリフォーム費用まとめ
二重窓のリフォーム費用について解説しました。2023年に続き、2024年度も補助金制度の継続が期待できます。補助金の対象になれば、通常の予算の半額程度でリフォームを行えることもあるため、リフォーム検討時には必ずチェックしましょう。
二重窓は断熱・結露・防音・防犯の面で多くのメリットがありますが、その効果は設置方法によって変わります。そのため、提案・工事において信頼のおけるリフォーム会社を選ぶことも大切です。
鈴与ホームパルでは、二重窓のリフォームを数多く手掛けています。お客様の目的に応じてより良いご提案をさせていただきますので、まずはどんなことにお困りか、お気軽にご相談ください。