キッチンの背面収納を後付け!種類別のメリット・選び方を詳しく解説
キッチンの収納スペースを増やしたいとき、背面収納の後付けは有効な方法です。しかし、背面収納はさまざまなところで購入できるため、どこで、どんなタイプの背面収納を選べばいいのか迷ってしまうことも少なくありません。
そこで今回は、背面収納の購入・依頼先をはじめ、種類別のメリットとデメリット、選ぶときのポイントを詳しくご紹介します。後悔のないキッチン収納を実現するためのヒントにしてください。
キッチンの背面収納を後付けしたい!どこで購入する?
背面収納の購入・依頼先の選択肢は、主に以下の3つです。それぞれに特徴があるので、以下で詳しく見ていきましょう。
・家具・インテリアショップで購入する
・キッチンメーカー品を選ぶ
・造作家具(オーダーメイド)を依頼する
家具・インテリアショップで購入する
まずは、家具店やインテリアショップなどで既製品を購入し、自分で設置する方法です。3つの購入・依頼先の中で、最も安価に背面収納を導入できます。
ただ、希望するサイズや色、雰囲気に合うものと必ずしも出会えるとは限りません。妥協しなければならないケースもあるでしょう。
また、既製品のため、基本的には床に置くだけの据え置き型です。天井との間に隙間が生まれるため、自分で転倒防止対策をする必要があります。
オンラインストアがあれば、店舗に行かずとも気軽に購入できる点もメリットです。
キッチンメーカー品を選ぶ
キッチンメーカー、あるいはリフォーム会社を経由してメーカー品を選び、取り付けてもらう方法です。今お使いのキッチンと同じメーカーの背面収納を選べば、キッチン空間に統一感が生まれます。
豊富な選択肢の中から、好みのパーツを組み合わせていくのが一般的なスタイルです。高さ・幅の調整もできるので、デッドスペースが生まれにくい点もメリット。また、設置の際は、床・壁に固定するので安定感もあります。
ただ、今お使いのキッチン本体が古い型番の場合、型が変わっていたり同じカラーがなかったりすることも。キッチンメーカーやリフォーム会社の担当者と相談しながら進めていきましょう。
自分好みの背面収納にカスタムできるため、セミオーダーのようなイメージです!
造作家具(オーダーメイド)を依頼する
オーダー家具専門店や、リフォーム会社などに依頼して、造作家具をつくってもらう方法です。ご自宅のキッチン状況に合わせて、ぴったりのサイズで仕上げてくれるため、空間を最大限活用できます。
サイズはもちろん、素材やカラー、デザインにおいても、使う人の要望がそのまま反映されるため、使い勝手は抜群。床・壁への固定も可能です。
ただしオーダーメイドのため、費用は3つの中で最も高くなります。製作期間も必要ですから、余裕をもって発注しましょう。
【キッチンの背面収納】後付けできる4つのパターン
ここからは、後付けできる背面収納の種類を見ていきましょう。種類ごとのメリット・デメリットを知ることで、どのような背面収納が適しているのかが分かってきます。
背面収納は大きく分けて、以下の4つに分類できます。
・カウンタータイプ
・カウンター+収納棚(Ⅱ型・コの字型)
・大型タイプ
・見せる収納・オープン棚
カウンタータイプ
商品名 | A 片面家電・カウンタープラン 1A・1B 間口1200mm |
費用 | 271,600円~ |
施工日数 | 半日~1日ほど |
腰高のカウンターの下がキャビネットになっているタイプです。吊り戸棚が付いていないタイプ、付いているタイプの両方があります。
カウンタータイプは、カウンターが作業台にもなるため、収納と同時にワークスペースも確保できます。ただ、他と比べて収納スペースは少ないため、収納力を最優先したい人には向いていないでしょう。
メリット | ・作業スペースが増える ・電子レンジなどの調理家電を余裕をもって置ける |
デメリット | ・他のタイプよりサイズが小さいため、収納スペースが少なくなる |
こんな人におすすめ(向いている) | ・収納する物がそれほど多くない人 ・キッチン本体以外で作業スペースがほしい人 |
もう少し収納量がほしいときは、吊り戸棚を検討するといいでしょう。
カウンター+収納棚(Ⅱ型・コの字型)
商品名 | スライドストッカープラン(グループ1・180cm) |
費用 | 344,000円~ |
施工日数 | 半日~1日ほど |
カウンタータイプと収納棚を組み合わせたタイプです。左右どちらかに収納棚を付けるタイプや、吊り戸棚も組み合わせたコの字型のタイプなど、組み合わせ方法の幅が広いのも特徴。
目線の高さに収納棚があるため、食器類や小物の出し入れもスムーズに行えます。また、家電置き場や配膳スペースになるカウンターもあるため、総じてバランスのいい背面収納といえます。
メリット | ・目線の高さに収納棚があるため、出し入れがスムーズ ・電子レンジなどの調理家電もある程度置ける |
デメリット | ・高さがあることから、圧迫感を感じることがある |
こんな人におすすめ(向いている) | ・オープン収納とクローズド収納の両方がほしい人 |
大型タイプ
商品名 | 2ウェイクローゼット(グループ1・180cm) |
費用 | 506,000円~ |
施工日数 | 半日~1日ほど |
壁一面を収納にする大型タイプです。3つの中で最も収納力が高く、食器をはじめ、調理小物やストック食材なども余裕をもって収納できるでしょう。デッドスペースが生まれにくいため、キッチンスペースを有効活用できます。
ただ、高さがある分圧迫感が出やすく、高所の物を取りにくいといったデメリットがあります。また、窓があるキッチンの場合、配置する場所によっては光を遮ってしまう可能性も。設置後のイメージを十分にもって選ぶことが大切です。
メリット | ・収納スペースが格段に増える ・デッドスペースが生まれにくい |
デメリット | ・壁一面が収納になるため、圧迫感が出やすい ・高い位置に収納した物の出し入れがしにくい |
こんな人におすすめ(向いている) | ・収納する物がたくさんある人 ・キッチンにデッドスペースをつくりたくない人 |
当社では、大型タイプを選ばれる方が多いです。
見せる収納・オープン棚
商品名 | トールタイプ 基本プラン(間口183cm・グループ1) |
費用 | 289,000円~ |
施工日数 | 半日~1日ほど |
オープン棚でつくる「見せる収納」です。写真のように、収納下部をキャビネットにするタイプもあります。収納力をあまり求めていない、キッチンのデザイン性を重視したいという方に好まれています。
たとえば、調理家電や小物をインテリアのようにディスプレイしたい、キッチンに絵を飾りたい、といった方におすすめです。
機能面のメリットは、どこに何があるかが一目で分かり、物をスムーズに出し入れできる点です。一方デメリットは、遮るものがないため汚れやすく、整理が追いつかないと散らかっているように見えてしまう点です。
メリット | ・出し入れがスムーズ ・お気に入りのアイテムを並べられる |
デメリット | ・扉がないため油ハネやホコリが気になる ・掃除や整理の手間がかかる |
こんな人におすすめ(向いている) | ・収納力はあまり求めていない人 ・キッチンの雰囲気やデザイン性が気になる人 |
背面収納の費用について詳しく知りたい方は、こちらの記事をチェックしてください。
キッチンの背面収納のリフォーム費用はどれくらい?事例も紹介 >>
キッチンの背面収納を後付けするときのポイント
キッチンの背面収納を後付けするときには、いくつか気をつけたいポイントがあります。扉タイプ、奥行きの長さ、通路幅の広さ、周辺環境の順に見ていきましょう。
扉のタイプ
背面収納は選ぶ扉のタイプによって、収納する物や使い勝手が変わります。
扉のタイプは、大きく分けて「開き戸」「引き戸」「引き出し」の3タイプ。それぞれの特徴は以下のとおりです。
扉のタイプ | 特徴 |
開き戸(観音開き) | ・全開できるため、大きい物の収納や取り出しが可能 ・開けっ放しにすると扉が邪魔になる |
引き戸(スライド) | ・通路をふさがずに物を取り出せる、開けっ放しでも邪魔にならない ・開けるときに戸が2枚重なるため、その分、収納棚の奥行きが狭くなる |
引き出し | ・奥行きのある物の収納や取り出しが可能 ・開けっ放しにすると戸が邪魔になる ・高所の収納には不向き |
キッチンと背面収納の間のスペースや動線を考えて、最適な扉を選びましょう。
奥行きの長さ
背面収納の奥行きは、置きたい物の奥行きで決まります。収納したい物をあらかじめ採寸してから、背面収納のサイズを選ぶと失敗が少ないです。
【奥行きをチェックしたいもの】
・オーブンレンジ
・電子レンジ
・炊飯器
・ホットプレート
・大皿 など
また、背面収納の奥行きは、通路の幅(キッチンと背面収納の間のスペース)にも影響します。必要な通路幅を確保できるか、といった点も考慮して決めていきましょう。
通路の幅
前述したように、通路幅の確保も大事なポイントです。必要な通路幅は、キッチンの使用人数で考えることができます。
【使用人数に応じた通路幅の目安】
・1人で使用する場合は80~90cm以上
・2人以上で使用する場合は100~120cm以上
体格にもよりますが、1人で使用することが多ければ、80〜90cm確保できれば問題ないでしょう。一方、2人以上で使用するときは、すれ違うことも考えて、プラス20〜30cmはほしいところです。
複数人で使用する場合、実際にキッチンですれ違ってみて、必要なスペースを測ってみるのもおすすめです。
ただし、選ぶ扉のタイプによっては、もう少し幅が必要な場合もあるので注意しましょう。
キッチンの通路幅について詳しくご紹介している記事もあります。こちらも参考にしてみてください。
キッチンの通路幅は何センチが最適?よくあるお悩みと決めるときのポイント>>
周辺環境の確認
背面収納を後付けするときは、コンセント(電源)の位置も重要です。
背面収納のサイズや置き場所によって、コンセントがどこに必要かも異なります。既存のものを利用できるのか、それとも新しく増設する必要があるのかを確認しましょう。
また、キッチンの後ろ側に窓がある場合は、窓をふさがないよう配置することも大事です。背面収納で窓が隠れてしまうと、採光がなくなり暗くなるばかりでなく、法律に抵触する可能性も。
建築基準法では、最低限必要な採光面積が定められており、規定を満たせないと居室として認められません。
コンセントの位置とともに、配線の見え方にも配慮すると、スッキリまとまります!
キッチン背面収納の後付けまとめ
背面収納には種類があり、何をどんなふうに収納したいかによって、最適な収納は異なります。それぞれのメリットデメリットや、選ぶポイントを理解したうえで、日々の暮らしに合う背面収納を選んでいきましょう。
鈴与ホームパルでは、お客様のお悩みを解決するためのご提案を心がけています。具体的な収納タイプが決まっていなくても、会話を通じてイメージを共有させていただきますので、ご相談からお気軽にどうぞ。
また、キッチンの収納を増やす方法は、背面収納を後付けする以外にもございます。こちらの記事もぜひチェックしてみてください。リフォーム事例もご紹介しています。