ガス乾燥機はマンションでは設置できない?理由について解説
「洗濯にかかる手間や時間を減らしたい」というときは、ガス乾燥機がおすすめです。ただ利用の際には、ガス設備や湿気を外に出すためのダクトが必要になることから、どこにでも置けるというわけではありません。
そのため、分譲・賃貸問わずマンションにお住まいの方のなかには、「ガス乾燥機に興味があるけれど、我が家に設置できるのかわからず困っている…」という方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、マンションにガス乾燥機を設置できるのか、設置条件などをもとにして解説していきます。
ガス乾燥機をマンションに設置するのは難しい可能性が高い
結論から言うと、マンションにガス乾燥機を設置するのは難しいケースが多いです。
家庭用のガス乾燥機はリンナイが製造する「乾太くん」という商品を指しますが、メーカー公式サイトの診断ページでも、「マンションへの設置は分譲・賃貸ともに難しい」とされています。
なぜマンションでの設置が難しいのか、設置に必要な条件などから見ていきましょう。
ガスを使うことから、オール電化のマンションには設置できません。
排湿管の設置が難しい
ガス乾燥機は1回の使用で3リットルくらいの湿気を放出します。そのため室内に乾燥機を設置するときは、湿気を外に出すための排湿管が欠かせません。マンションの場合、建物の構造や管理規約などによって、この排湿管の新設が難しいケースが多いです。以下で詳しく見ていきましょう。
外壁に穴を開けることができないため
排湿管は、屋外に面する壁に穴を開けて取り付けます。
鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)であることが多いマンションは、外壁に穴を開けると建物の強度が落ちる(鉄筋を切断してしまう)可能性があります。そのため、管理規約によって穴開け工事を禁止していることがほとんどです。
壁に穴を開けずに、窓を利用して排気する方法もあります。窓を少し開け、そこに排気口がついた専用パネルをはめこみ、排湿ホースで乾燥機とつないで排気する方法です。
パネルによって窓の隙間はふさがれるものの、窓はずっと空いている状態ですから、これを許可してくれるマンションばかりではありません。
エアコン用のスリーブは使えない?
マンションのなかで、外に貫通している場所のひとつに「エアコン用のスリーブ(穴)」があります。使っていないスリーブに排湿管をつなげられれば、乾燥機の排気口として代用できる可能性はゼロではありません。
スリーブを利用できる条件として、まず排湿管の径とスリーブの径が合う必要があります。また排湿管は機能上、乾燥機本体より上に取り付ける必要があるため、スリーブの位置が乾燥機より低い場合は利用できません。
これらをクリアできても、そもそもエアコン用のスリーブは居室についていることが多いもの。居室にガス乾燥機を設置するのは、使い勝手や住み心地の面から考えてあまり現実的ではありません。家事時短を図るのなら、洗濯機に近い脱衣所などがおすすめです。
使っていない居室をランドリールームのようにするのはありですね!
ベランダでの設置にも条件がある
ガス乾燥機は室外設置も可能です。マンションであれば、ベランダが候補に挙がりますね。
室外であれば排湿管は必要ないため、排気面の問題はクリアしやすくなります。ガスに関しても、ベランダに給湯器があれば、ガスコードで分岐できる可能性が高いです。
一方、ベランダに給湯器がない場合は、違う場所からガスを引っ張ってくる必要がありますが、ガスコードの長さや間取りの面から難しいことが多いです。
排気やガスの条件をクリアできたら、ベランダの使用規則を確認しましょう。ベランダは避難経路に指定されていることが多いため、避難経路をさえぎるような設置はNGです。ある程度のスペースを確保する必要があります。
また、ガス乾燥機は運転時に振動音が出るため、騒音の観点からNGになることもあります。
ベランダは共用部分になるため、必ず管理組合や管理会社の許可が必要です。
マンションにガス乾燥機を設置したい場合はどうしたらいい?
これまでご紹介したとおり、 マンションでガス乾燥機を設置するには、いくつもの条件をクリアする必要があります。逆を言えば、すべての条件をクリアできれば設置できるということでもあります。
たとえば、以下のようなケースであれば設置できる可能性が高いです。
・(前提条件)マンションの管理組合や管理会社の許可を得ている
・ベランダに給湯器がある(ガス管がある)
・既存のガス栓の近くに使っていない部屋があり、かつガス乾燥機用の排気口がある
数は少ないですが、マンションのなかにはガス乾燥機の設置に対応した物件も。また、リノベーションをするのであれば、ガス乾燥機を置きやすいガス栓の配置、間取りが可能になります。
マンションでのガス乾燥機の設置まとめ
わずか1時間足らずで衣類をスピード乾燥させるガス乾燥機。非常に魅力的な機器ですが、マンションでは設置条件が多く、導入をあきらめてしまっている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、ご紹介したようにまったく不可能というわけではありません。まずは、分譲マンションであれば管理組合、賃貸マンションであれば管理会社や大家さんなどに、ガス乾燥機を設置してもいいか確認することから始めましょう。
設置可能であれば、私たちリフォームのプロが、使い心地や安全面に配慮した工事をさせていただきます。
ガス乾燥機の具体的な設置方法や設置費用については、こちらの記事を参考にしてみてください。