二重窓は効果なしって本当?効果がないと考えられる理由と必要な対応とは
断熱、防音、結露対策などに役立つ二重窓ですが、「効果がなかった」といった話を聞くと、「我が家の場合はどうだろう…」と気になってくるものですよね。
効果がないと感じるのには原因があります。逆に言えば、その原因に応じた対策を行えば、二重窓の性能を生かすことができます。
今回は、二重窓の効果がないと言われてしまう原因について解説します。窓リフォームのポイントを押さえて、快適な住空間を手に入れましょう。
二重窓の効果がないと言われてしまう原因とは?
二重窓を設置しても効果がないと感じるときは、二重窓の取り付け方や、設置する部屋の環境などに改善点が見られることが多いです。考えられる8つの原因について、詳しく見ていきましょう。
1ヵ所しか施工していない
窓が複数ある部屋の1ヶ所だけに二重窓を設置した場合、二重窓を施工していない窓が欠点となり、断熱や防音の効果が十分に発揮されません。
なかには、二重窓を施工していない窓の結露がひどくなるケースもあります。二重窓の効果を十分に得たいときは、部屋にあるすべての窓に二重窓の施工を検討するといいでしょう。
その分費用はかかりますが、2023年は窓リフォームの補助金制度が充実しているため、費用を抑えることができます。
内窓と外窓の間隔が広い(狭い)
二重窓は、内窓と外窓の間に「空気の層」をつくることで、窓の断熱性能や防音性能を上げてくれます。しかし、この空気層の厚みが適正でない場合、断熱・防音性能はうまく発揮されません。
たとえば内窓と外窓の距離が広い場合、空気層の中でコールドドラフトという現象が起きやすくなります。こうなると、期待する断熱効果は得にくくなります。また、距離が狭い場合は、外窓の温度がそのまま内窓に伝わってしまうことに。
経験豊富なリフォーム会社であれば適切に取り付けてくれるはずですが、実績のない会社やDIYで施工するときは注意しましょう。
※コールドドラフト:暖かい空気が、冷たい窓ガラスによって冷やされ下降気流が発生し、下に滞留する現象のこと
とくに出窓は距離が生まれやすくなるため配慮が必要です。
外壁や構造によって効果が得られにくくなっている
家の外壁や構造が原因の一つになっていることもあります。とくに以下のような住宅では、工夫して二重窓を設置しないと効果を得にくいことがあります。
・築20〜30年以上の家
・吹き抜けがある家
・リビングに階段がある家
築年数の古い住宅では、断熱材が十分に入っていない、隙間風が入りやすい、といったことが少なくありません。
また、断熱材には吸音性能もあるため、断熱材が足りなければ家全体の防音性能が弱い可能性も。外壁や内壁への対策も一緒に検討することが大事です。
吹き抜けやリビングに階段があるお家もコールドドラフト現象が起きやすい環境になっています。二重窓を設置する場所、数を十分に検討しましょう。
窓と窓枠との間に隙間がある
家の経年劣化や地盤の影響で家が傾いている場合、窓枠が歪み、二重窓と窓枠の間に隙間ができてしまうことがあります。
前述したように、二重窓は窓を二重にすることでできる空気層がポイントですから、隙間があると性能は発揮されません。
隙間が生じるときは、コーキング(隙間を埋める作業)が必要です。きちんと対処してくれるリフォーム会社を選ぶことが大切になってきます。
DIYで施工した場合によく見られるケースです。
部屋の空気が滞り湿度が高くなっている(結露)
湿気を含んだ空気が停滞し、急激に冷やされることで結露は起こります。そのため、部屋の空気が滞っていると、二重窓にしても結露が生じることがあります。
二重窓が適切に設置されていなければ、窓に結露が生じます。さらに、冷えた部屋と面している押し入れやクローゼットも要注意。ほどよく換気することで、結露を防ぐことができるでしょう。
また、外窓(既存の窓)がペアガラスの場合、ペアガラスの内部で結露が発生することも。この場合は、ガラスの経年劣化が考えられるため、ガラス交換を検討してみてください。
寒冷地など室内外の気温差が激しい地域では、二重窓に結露が生じてしまうこともあります。
二重窓と結露の関係については、以下の記事も参考にしてみてください。
二重窓が結露対策に有効なのはなぜ?結露が発生した場合の対策も解説 >>
ドアの隙間から冷気が入っている
二重窓を設置した部屋のドアに隙間があると、そこで熱の出入りが起こります。とくに、玄関や廊下と繋がっている場合は、冷気が入り込んで寒いと感じることが少なくありません。
対策として、ドアの隙間を埋めるアイテムを使う方法もありますが、玄関ドアを断熱性のあるものに交換するのも一つの選択肢です。リフォーム会社の担当者と効果的な方法を検討してみましょう。
玄関ドアも補助金制度の対象になりやすいです!
悩んでいる騒音が二重窓で防げない音だった
二重窓で防げる音は、空気を伝ってくる音(空気伝播音)です。地面や壁を振動してくる音(固体伝播音)は防げません。
そのため、以下のような固体伝播音でお悩みの方が二重窓を設置しても、悩みが解消されないことがあります。
・工事現場などで重機が地面を掘る音
・大型トラックが走行するときの振動音
・マンションの上下階からの床衝撃音 など
このような場合では、床や壁などへの防音対策を検討する必要があります。
換気口や給気口から音が入ってきている
「騒音対策として二重窓を設置したのに、期待する効果が得られなかった」というときは、窓以外の場所から音が出入りしている可能性があります。
音の侵入口として盲点になりやすいのが、換気口や給気口。面積としては小さいですが、常に開放されているため、音が漏れやすい場所の一つです。
対策としては、防音タイプのものに交換する、既存の給気口に吸音材を取り付けるなどの方法があります。
二重窓の防音効果については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
給気口を閉めてみて騒音が軽減されるか確認してみるといいでしょう。
まとめ
電気料金が高騰するなか、断熱のニーズは高まっています。とくに、赤ちゃんやご年配の方がいるご家庭、ペットを飼っているご家庭では温度管理が欠かせません。二重窓を効果的に設置すれば、電気代を節約しながら温度調整の手間を省くことができます。
鈴与ホームパルでは、二重窓のメリットだけでなく、今回ご紹介した注意点もきちんと伝え、リフォーム後に満足していただくことを大切にしています。現地調査のうえ、適切なご提案をさせていただくので、お気軽にご相談くださいね。
二重窓で後悔する理由やリフォームのコツをまとめた記事もあるので、こちらも参考にしてみてください。